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4話 今日も平和(?)です

相手は引退したとはいえ、元帝国騎士団の小隊長だ。この程度で倒れるような相手ではないだろう。ということは、

「さては、私の同情を誘い、近づいてきたところをボッコボコにするんですね!?デュースさん、最低です!」

「なんで俺は言葉の暴力までうけなきゃいけねぇんだよ……ちくしょう、心と体が痛い……」

「ハイハイ、茶番オツ」

「アンタは鬼か!?」

「なぁ、俺もう泣いていいか?」

ついにリンダにも言われた。酷い言われようだな〜、俺のギルドではこれに耐えたヤツだって何人かいたのに。って、そういえば防御力に全てを投げた逆脳筋のようなやつばっかだったっけか。俺の攻撃を耐えれたことにめちゃくちゃ喜んでたから、ムカついて木刀で同じ事やったら気絶しちゃって、ヒョウカに怒られちゃって大変だったな〜。良い思い出だ。

「それで、大丈夫ですか?デュースのおじさん」

「一言たりねぇんじゃねぇか?」

「それで、大丈夫ですか?デュースのおじさん(笑)」

「バカにしてんのか!?俺が言って欲しかったのはごめんなさいだよ!」

「それで、大丈夫ですか?ごめんなさい、デュースのおじさん(笑)」

「(笑)を外せこのバカ!」

「バカって言う方がバカなんですよ!このバカ!」

「自分でバカって言ってんじゃねぇか!お前はバカか!?」

このやり取りはしばらく続きましたとさ。


それは、村に戻る途中の出来事だった。

「ん?」

俺のスキル、探知に魔物が反応した。

ちょうど後ろにいるらしいのだが……

後ろを振り向いてみると、300mほど先にデカいクマのようなやつを発見した。

(えっと、竜の息吹に頼りすぎないように。だったか?)

「デュースさん、ちょっと剣を貸してください。」

「ん?どうした嬢ちゃん。」

「まぁまぁ、ちょっとだけでいいですから」

「まぁ別にいいが、何に使うんだ?」

べつに言ってもいいが、何も言わずに狩ってきた方がカッコイイかも?

「ふふっ、秘密です」

デュースさんが疑問に思いつつも剣を貸してくれた。案外いい人かもしれない。よし、

「ちょっと待っててください!」

後ろを向き、スキルは使わずに走る。

しばらく走ってると、あのデカいクマに気付かれたのか、雄叫びを上げこちらに向かって走ってきた。さて、やりますか!

クマは俺の近くまで走って来ると動きをとめ、こちらを警戒しているのかすぐには襲ってこない。

(なら、こっちから行くのみ!)

クマの方に走る。もちろんスキルは使わずに。

そして、クマが俺に向かって手を振り下ろそうと、腕を上げる。だが、

(今だ!!)

スキル、超加速を使い、俺は飛んだ。

(うわ、結構高いな。)

俺はクマの頭上約20m上にいた。そのおかげか、あのクマは俺を見失ったらしく、辺りをキョロキョロして俺を探している。

「黒炎刀!」

デュースさんに借りた剣に黒い炎を纏わせる。

あぁ、やっぱり剣が溶けかけているな〜。まぁいいか。

落下しつつクマの首を切ると、その首を容易く切り落とした。

よし、勝った!あ…

(剣が全部溶けちゃった……怒られる、よな〜)

さて、このクマの死体をどうするかだが、なんか無いかな〜と考えてみるが、何も思いつかない。まぁ、とりあえず戻ろうか。クマは引きづって持ち帰るとしよう。


「お、やっと戻ってきたな〜…って、なんだそいつは!?」

俺の引きづってきたくまを指さすデュースさん。

「結構おっきいクマがいたので狩ってきました〜。」

「おっきいクマって……おい、よく見りゃあそいつデスベアーじゃねぇか!!なんでこんなところに!?」

「あの、デスベアー?ってそんなに危険なやつさなんですか?」

「あぁ、Aランクの冒険者3人で戦わないと勝てないと言われているやつで、全身がとにかく硬くて、こいつの爪にはめちゃくちゃ強力な毒がある。これを食らうと1時間を待たずして死に至るらしい。だから、遠距離から強力な魔法で倒すのであって決して首を切り落として倒すやつじゃない!」

「まぁまあ落ち着いて。ほら、深呼吸して」

「はぁ、まぁいい。もうどうでも良くなってきた…」

深呼吸の代わりに深〜いため息をしている。

「それで、俺の剣はどこだ?」

「あぁ、ごめんなさい。」

「まぁ、デスベアーを切ったんだ。ぶっ壊れちままうのが当然か」

「いや〜、その〜。溶けました?」

「そりゃあそうだ。溶けんのがふつ―――はぁ!?溶けた!?」

鞘と剣(だった物)を返す。

「なんでこんな事に…」

「え、え〜と…簡単に言うと剣を燃やしました…」

「敵を倒す上で何故剣を燃やす必要がある!」

「まぁまぁ、村に戻ったらちゃんと話しますから一旦落ち着いてください。ね?」

「はぁ、分かった。その代わり、嘘偽りなく話せよ?」

「分かりましたからそんな睨まないで下さいよぉ」

村に着くまで睨まれた…ねぇ、泣いていい?


「お帰りなさい、キューラさ―――なんかクマを引きづって来たのですが!?」

村に着くと、リアンさんが出迎えてくれた。

「ただいま戻りました〜!。このクマどこに置いたらいいですかね?」

「ええっと、何があったんですか?」

「なんかデカいクマがいたのでストンと首を切り落として来ました!」

「このバカ、デスベアーに接近戦挑んだんだよ」

「えぇ!デスベアーを!?」

「あの〜、これどこに置けばいいですかね?」

「あ、はい、ええと、ちょっと待っててくださいね」

たったっとリアンさんは走っていった。

「それで、なんで剣が溶けたんだ?」

デュースさんが話しかけてくる。

「あ、それは僕も気になります!エキューラさん、何をしたんですか?」

「えっと、私のスキル、黒炎刀を使ったからですね。剣に黒い炎を纏わせることで、ホントは切れないものを焼き切れるようにできます。でも、デメリットは今回のように剣自体も燃えちゃって溶けてしまうってことですかね」

今回は力をかなり抑えたのだが、それでも簡単に溶けてしまう。

はぁ、あの完全防火つきの刀が懐かしい。全力で黒炎刀使っても全然溶けなかったもんな〜。

「なるほどな〜、アイツを切っちまうほどの強力なスキルだ。それ相応のデメリットがあるわけだ」

「使ったら最後、剣が使えなくなりますもんね」

2人はどうやら納得してくれたようだ。

「お待たせしました、キューラさん」

説明し終わったと同時にリアンさんが変なカバンを持って戻ってきた。

「お帰りなさい、リアンさん。そのカバンは?」

「これは、賢者様が使っていた魔法の鞄ですよ。だいたい1tくらい入りますよ。使い方は簡単で、鞄を開けて入れたいものに鞄を当てると自動で入りますよ」

「へぇ〜、凄いですね」

「これはキューラさんが戻ってきたら渡そうと思っていたものなので、このまま持っていてください」

「え、いいんですか!?」

「はい。使う人がいなかったので、どうせなら差し上げますよ」

「わーい!ありがとうございます!」

ふふっと、微笑んだリアンさんが、何かを思い出したかのように言ってきた。その衝撃的な一言を。

「そういえば、キューラさん。出来ればでいいんですが、この村から出て旅をしてください」

「・・・へ?」

みでぐれでありがどぅございばずぅ( ᵒ̴̶̷̥́ ^ ᵒ̴̶̷̣̥̀ )


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