35話 ショートケーキ先輩
今日は節分ですね!僕は恵方巻き(ネギトロ)を食べました!とても美味しかったです(っ*^﹃^*c)
誤字・脱字があったら教えてください!
「なんで冒険者ギルドに行かなきゃならないのでしょうか…」
「え〜?だってお互いの親睦を深めたいじゃん!それなら、一緒に何かを成し遂げるのが1番いいかなって思ったんだ〜」
「い、いや。そんなことより―――」
「はいはい。早く行くよ〜!」
結局チュリ先輩は嫌がる俺を引きづって連れていくのだった。
「ねぇチュリせんぱ〜い……やめませんか〜?」
「何言ってるの〜?ここまで来たんだから行くしかないでしょ〜!」
現在、俺たちはギルドの入口の前に来ていた。
だって、荒くれ者しかいないんだよ?俺ならともかく、こんなに可愛い先輩が来るようなところじゃないのは皆知っているでしょ?
例えて言うなら、高級なショートケーキにカレーをぶっかけるようなものだ。いやクソ不味そうだな!!
「そういえば、冒険者ギルドに登録ってしてる〜?」
「あ、はい。ショートケーキ先輩」
「ショートケーキ先輩ってなに?!」
「まだFランクですけどね」
「さっきの訂正はないんだ〜……。って、Fランク?そんなに力があって?」
「はい。ギルドに行く時なんて買取の時くらいですからね」
「ふ〜ん。変わってるんだね〜」
「変わってる?」
「うん。だってギルドの依頼って、強くなれるしお金もらえるしでお得じゃん!しかも、依頼をこなせばランクも上がって待遇が良くなるんだよ!」
勢いよくギルドの扉を開ける先輩。
その先輩の姿を見た荒くれ者達が依頼の掲示板までの道を開け、
「「「お疲れ様です!!チュリさん!!」」」
と声を揃えて先輩の名前を呼ぶ。
「ほら〜!こんなふうに!」
いや、これは待遇が良くなるっていうかどうかは怪しいんじゃない?
みんなすごい冷や汗かいてるし、多分チュリ先輩にナンパしたみんなが返り討ちにあったんだろうな……。だって俺の方を見て顔をこわばらせているヤツもいるもの。
「あの、先輩?もしかしてですけどここにいる方達に声を掛けられた事ありますか?」
「ん〜?うん。何回かあるよ〜。ちょっとしつこかったから少しだけ女の子にこういう事をしちゃダメだよって教えてあげたんだ〜」
「ち、ちなみにどうやってですか?」
「う〜んとね〜。ちょっとだけ魔法を使っただけだよ?」
よくお前ら生きてたな。と視線で伝えると、その時のことを思い出したのか、少しだけ涙を流すやつもいた。
だって、相手は学園最強の人だぞ?シュウカ先輩より強いんだぞ?そんな人を相手にして無事で済むわけがないでしょ?
……少しだけ意地悪してやろう。
「そういえば、あなた達って私にしつこく声をかけていた人ですよね?」
前にナンパしてきた人達にそう声を掛けた時、後ろから凄く嫌な感じがした。
「へぇ〜。あなた達、まだ反省していないようですね〜?」
すごい量の魔力を感じた。すごい……デスベアーくらいなら瞬殺できるんじゃないか?
「い、いえいえ!そんなわけないじゃないですか!その人は今日会いましたよ!」
「そうですそうです!」
「きっと誰かと間違えているんですよ!」
コイツら……反省していないようだな?
「そんなわけないじゃないですか。何回もやめてって言ってもやめてくれなかったし、ついには武器まで取り出してきたじゃないですか。私じゃなかったら死んでますよ?」
チラッとチュリ先輩の方を見ると、と〜ってもいい笑顔を浮かべていた。
「うふふ。まだ、やっていたんだ〜。これはもう一度教えてあげなきゃかな〜?」
この時、以外のこの場にいるチュリ先輩以外の全員がこう思った。(あぁ、コイツら死んだな)と。
「さて!どの依頼を受ける〜?」
ガガガ!!ガキンッ!!
「あはは……。どれにします?」
ドガーン!
「それにしてもうるさいな〜。何をやっているだろうね〜?」
「何やっているんでしょうね〜……」
現在、俺達の後ろでは氷漬けにされている先程のヤツらの救出作業が行われており、時折「くそ!何だこの氷、めちゃくちゃ硬いぞ!?」とか「まだ助かる!早くしろ!!」という声が聞こえてきてちょっとだけ罪悪感にかられていたりする。
「もぉ〜。あんなのすぐに終わるでしょ〜?あ!分かった!きっと演劇の練習をしているんだね〜!」
この人、普段おっとりしてるのに怒るとめっちゃ怖い人だな……。
「はぁ。ちょっとうるさいので終わらせてきますね」
「うん。おねが〜い」
魔法の鞄から紅蓮の剣を取り出し、氷の上に乗せて黒炎刀を発動する。
ジュワァと音をたててどんどん溶けていく氷。周囲からは、おぉ〜!と声が上がる。よし、全部溶けたな。
「早く暖めてあげた方がいいですよ。それでは」
わぁぁ!!と歓声が上がる。いや、この騒動を起こしたのは俺なんだけどな……。まぁいっか。
「終わりましたよ〜」
「お疲れ様〜!それで、この依頼を受けようかなって思うんだけどいい?」
「別にいいですけど、なんですか?それ」
依頼が書かれている紙を見せてもらう。
そこにはこう書かれていた。
『難易度:B
3週間以内にワイバーン3体の討伐』
嘘や〜ん。俺Fランクって言ったや〜ん。先輩の耳どないなっとんね〜ん。
「肩慣らしには丁度いいと思うよ〜!ちょっと受付に行ってくるね〜!」
小走りで受付に向かっていく先輩。
難易度Bって大丈夫?俺Fランクだけど?死なない?
……よし!何かあったら先輩のせいにしよう!
ふと気になったので、依頼の掲示板を眺める。
(なんか、討伐依頼が多い気がするな……)
ラバスニのギルドは薬草採取だったり、木の伐採だったりといった雑用が多かった気がするが、ファイズでは雑用の依頼がほとんどなく、代わりに討伐依頼が多い。
最近は魔物が多いのか?う〜ん…。空飛んでるから分かんないな。
まぁいいかと考える事をやめる。
「お〜いエキューラさ〜ん!行くよ〜!」
「ちょっと待っててください。今行きますから」
出口で先輩が手を振っている。こうしてみるととても可愛らしくて魅力的なんだけどな〜。怒らせた時に殺されそうだから俺的にはNGだな。
そうして俺達はファイズの外へ出た。
「そういえば、ワイバーンってどんな魔物なんですか?」
まぁ、だいたい予想は着くんだけどさ。
「う〜んとね〜。ちっちゃいドラゴンって感じだよ〜 」
あぁ、やっぱりか。
しばらく歩いていると、探知スキルに反応があった。
「っ!?」
立ち止まった俺を心配してくれたのか、顔を覗き込んでくる先輩。
いつもなら喜びのあまり飛び上がっているかもしれないが、今はそれどころでは無い。
「エキューラさ〜ん。どうしたの〜?」
「はは、先輩。やばいですよ」
「ヤバいって、なにが〜?」
「前方から魔物が接近中です。それもたくさん……」
魔物の数はおよそ1000体。はは、多すぎるだろ……。
すぐ後ろにはファイズがある。助けを呼びに行ってもいいが、その間に国の中に入られる可能性が高い。
つまり、先輩と2人でこの魔物達を相手にしなきゃいけないということだ。
「わぁ!!いっぱい魔物さん達が来たね〜!」
「先輩、結構余裕ですね」
「まぁね〜。こんなのに負けているようじゃ生徒会長をやっていられないからね!」
そんなに自信があるのか?う〜ん……先輩には悪いけど鑑定をさせてもらおう!
「それじゃ〜、頑張ろっか!エキューラさん!」
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鑑定不可
対象はあなたよりLvが高いため鑑定ができません。
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みでぐれでありがどうございばずぅ( ᵒ̴̶̷̥́ ^ ᵒ̴̶̷̣̥̀ )
ショートケーキ(カレーぶっかけ)を試してみたいと思った方。是非やってみて下さい!え?僕ですか?やるわけないじゃないですかww




