32話 知るか〜!!
前回異様に短かったため、今回は長めにしたつもりです!
誤字・脱字があったら教えてください!
「おかえり、キューラ」
寮の門の前でサラさんが俺を待っていてくれた。
「ただいま、サラさん。ずっと待っててくれてたの?」
「うん」
「そっか……サラさんって、絶対良い妻になるよね」
「え、え?いきなりどうしたの?」
「ふとそう思ってね」
「私、良い妻になれるかな〜?」
「うん。私が保証しよう」
ドヤッてると、サラさんがジト目で見てくる。
「ひょっとして、口説いてる?」
「いや?思ったことを言ってるだけだけど?」
「そ、そう?」
う〜ん、なんか今日のサラさん変だな……気のせい?一応聞いてみるか。
「ねぇサラさん。何かいい事あった?」
「え、え〜?どうしたの急に〜。何も無いよー?」
あ、これ何かあったやつやな…
「それで?何があったの?」
「な、なんでバレたの!?」
「いや、分かりやすく顔に出てたし」
今のサラさんすっごい分かりやすかったな。どれくらい分かりやすいかって言うと、今でしょ先生の授業くらい分かりやすい。え?もちろん今でしょ先生の授業受けたことないけど?
「私、今日Eクラスの人に告白されたんだ〜!」
「ふーん、そうなんだ」
「感想が簡素!?」
「いや、告白くらいなら別に。はぁ。……サラさんにだけ特別に教えてあげる。明日になったら私の靴箱を開けてみて」
「う、うん。分かった」
そんな事を話しながらそれぞれの部屋へと戻り、ベットにダイブする。
あぁ、すっごく眠い…。MPの使いすぎかな?
いや。でもちょっとだけ。10分くらい寝よう。
そうして俺は眠りについた―――
――いや〜、いい天気だね〜!こんな天気なんだから俺が朝まで寝たって誰も咎めないよね〜!
昨日、10分だけ寝るつもりが気付けばとっても心地よい朝日が俺を照らしていた。
さて、今日どうしよう。ぶっちゃけ暇。
なんか、あれ出来ないかな〜。
その日、俺は〇〇をして一日を終えた。みたいな。まぁ、小説の世界じゃあるまいしそんなことできないんだけどな!
その日、俺は適当にギルドの依頼をこなして一日を終えた。
退屈だった1週間が過ぎ、今日俺は学校に行くのだ!!
学校に着き、中にあるものが雪崩落ちないように靴箱を開けた瞬間に魔法の鞄を開け、靴箱の中に押し入れる。
すると、魔法の鞄は中に入っていた大量のラブレターを収納した。予想通りだな。いつも以上に入っていた。実質1週間の間停学中だったから、1週間分が溜まってるんだろう。
これは、大会が始まる少し前からこれが続いていた。まぁ特に気にしてないから別にいいけど。ちなみにちゃんと読んでたりするんだぞ!……女の子からのないかな〜って…。
いや〜、それにしてもやっぱりこれ便利だな。押し当てるだけで収納してくれるとか。地球でも採用してくれないかな。でも、容量は増やして欲しいな。
改めて内履きには着替えようと靴箱の中に手を伸ばす。すると、まだ何か中に残っていたのか、手に何かが当たった。
「ん?取りこぼしてた?って、なんだこれ?」
中には1つの封筒のようなものが入ってあった。
そこには大きく、『果たし状』と書かれていた。
封筒を開け、中に入っていた手紙を読む。
『―――エキューラ殿へ
貴方の大会で見せたあの剣技に魅せられ、貴方と1戦交えてみたいと思い手紙を書いた。場所は剣道場。いつでもいいので放課後に来てほしい。無理ならそれで構わない。急な手紙ですまなかった。
PS――なんだこの靴箱のラブレターの量は!?』
知るか〜!!何が、なんだこのラブレターの量は!?だ!俺が聞きたいっての!
はぁ、まあいいや。それで、放課後に剣道場だったっけ?暇だし行こうかな。
〜〜放課後〜〜
「し、失礼しま〜す…」
戸を開けると何人かが竹刀を持ち、素振りをしていた。
「あぁ。来てくれたのか。待っていたよ、エキューラさん」
素振りをやめて近づいてくる人がいた。この人が俺を呼んだのか?
「私は3年のシュウカだ。よろしく」
シュウカというその女性は、背は高く、髪は茶色のポニーテールの超美人さん。正直ストライクゾーンど真ん中っス!!
え〜?なに〜?告白されちゃう〜?1戦終わった後に私にふさわしいのはエキューラしかいない!とか言われちゃう〜?
「早速で悪いが、いいか?」
ポイッと竹刀が投げられる。
「はい。大丈夫ですよ。あ、ひとついいですか?」
「なんだ?」
「攻撃手段は竹刀だけなんですか?」
「魔法以外なら大丈夫だぞ。一対一で剣しか使わないなんて、そんなことするやつはいないだろうからな」
「分かりました。ありがとうございます」
「よし、私はエキューラと模擬戦をする!その最中、一切の邪魔を禁止とする!そこの君。審判を頼めるか?」
「わ、分かりました。それでは、始め!」
さて、まずは小手調べだ。
そこそこの速度で走り、竹刀を横に薙ぎ払うが、当然それは防がれる。
防がれるだろうと予想していた俺は足払いをするが、シュウカはそれをよけ、俺の頭目掛けて竹刀を振り下ろしてきた。
「やぁぁ!」
それは、隙だらけの大振りだったので、振り下ろされた竹刀を避けつつ胴体に竹刀を叩きつけようとするが、シュウカ先輩の口元がニヤけた気がした。
「ッ!?」
嫌な予感がした。思い切り横に飛ぶと、俺の元いた場所にシュウカ先輩の竹刀が振り下ろされた。
「ほぉ?今のを避けるか」
「はは。『分身』ですか。」
目の前に、2人のシュウカ先輩がいた。
「分かるのか?」
「えぇ。まあ」
「それはそうと」
ギロリとシュウカ先輩に睨まれる。
「何故本気を出さない?」
「凄いですね。本気を出してないってなんで分かったんですか?もしかして顔に出てました?」
「そんなのでは無い。あの時の……ダイルという者を圧倒したあの力を見たいのだ」
「あ〜、それは無理ですね。こんな狭いところじゃ動き回れないし、私が本気を出すと理性が失われて先輩を殺してしまうでしょうし」
「はは、それは勘弁だ。じゃあ、場所を移すか。第1訓練所でいいか?」
「あ、それはありがたいですね」
場所を移して、現在第1訓練所にいる。
「それでは、本気で来い!」
先輩は最初から本気で来るつもりなのか、早速分身を使う。
「分かりました。それでは、行きます!」
超加速を使い一気に接近し、左の先輩を攻撃する。だが、手応えがなかった。
「残念。ハズレだ!」
背後から声がしたので、振り返らずに勢いのまま前に全力で突き進む。
「ふむ。やはり速いな。まるで追いつけん。加えて目で追えないときた」
「諦めてもいいんですよ?先輩」
「諦める?まさか。燃えてきたところだ!」
再び2人になる先輩。くそ、キリないな。
まぁ、打開策はあるんだけどね。
「先輩。今日はいい天気ですね」
歩きながら話しかける。
「ほら、上を見るとこんなに眩しい」
「何が言いたい?」
「秘密です」
上に飛び、スキルを使う。
「何故飛ぶ?確かに眩しくてよく見えんが、それは愚策だぞ!」
落下してきた俺に向かって、2人の先輩が俺を竹刀で薙ぎ払ってきた。完璧なタイミングだ。それを俺は避けることが出来ないだろう。
「まぁ、そっちは本体じゃないんだけどね」
攻撃された俺は突如消え、2人の先輩が取り残されていた。
種明かしをすると、飛んだ瞬間に『分身』を使った。まぁ、厳密に言うと、俺は飛んではいないけどな。本体の俺は軽くジャンプをしただけで、分身の俺が全力で上に飛んだのだ。
見事に先輩は分身の俺に夢中になり、本体の俺は難なく近づけた。
どっちが本体か分からないためとりあえずどっちも攻撃する。
「がぁ!」
2人だった先輩は1人になり、勝負がついた。
「これで終わりですね」
先輩の首元に竹刀を突きつける。
「はは、凄いな。降参だ」
勝負が終わり、剣道部の部室で反省会中である。
「やはり、エキューラは強いな」
「いえいえ、先輩の方がすごいと思いますよ?今日が曇りだったら負けてたかもしれないですね」
2人でバリバリとせんべいを食べる。あ、これ美味しい!
「そういえば、エキューラも分身を使えるのだな」
「いえ?先程まで使えませんでしたよ?」
「ん?どういう事だ?」
「私、剣に関するスキルと魔法は、見ただけで使えるようになる体質なんです」
「はは、なんだそれ。反則だろうに」
うん。俺もそう思う。
だって、ここぞ!って時に使った切り札を相手も使ってくるんだぜ?どうしろっちゅうねん。
「さて、エキューラ。貴方を呼び出したのは、ただ戦ってみたいという訳では無いのだ。」
「まだなにか?」
ま、まさか。告白!?
「じ、実は…その、だな……」
告白だー!だって先輩顔を赤くしてるもん!こんなのOKするしかないでしょ!!
「剣道の大会に助っ人で来てくれ!」「はい!よろこんで!」
んん?今先輩なんて言った〜?
パァーっと顔が明るくなった先輩が俺の手を取ってきた。
「ありがとう!エキューラがいれば優勝間違いなしだ!」
その時の俺は、小学生の時に先生に言われたことを思い出した。
人の話は最後まで聞きなさい。その言葉を。
みでぐれでありがどうございばずぅ( ᵒ̴̶̷̥́ ^ ᵒ̴̶̷̣̥̀ )
人の話を最後まで聞きましょう。
↑もう書くことがねぇ( ・∇・)




