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27話 ショートケーキのいちごって美味しいよね

誤字・脱字があったら教えてください!

〜〜冒険者〜〜

「うん?はっ!?」

「あ、起きた?」

「起きるの遅いわよ!何分待ったと思ってるの!」

「いやサラ。それは理不尽すぎない?」

起きてすぐ目に入ったのは、3人の少女だった。

「君達は…そうだ!あのヘビ!?」

「ヘビ?あぁ、あいつですか?」

その人達の1人は後ろを指さす。その先を目で追ってみると、俺達が全滅させられそうになったあのヘビだった。

「なっ!君達がやったのか!?」

少女達に問いかける。

「え〜っと…私たちっていうより…」

翡翠色の髪の少女が1人を見る。

「キューラが単独撃破したわね。ホント、こいつは私達と同じ人間なのかしら」

黒髪の少女が1人をジト目で見る。

「サラさんそれはちょっと酷くないですかね!?」

キューラと呼ばれた黒髪の少女。あれは、俺がやられる直前にここに来た人か…。

「えっと、キューラさん」

「なんでしょうか?」

「俺達を救ってくれてありがとう!」

頭を下げながらお礼を言う。

「いやいやいや!別にいいですよ!頭をあげてください!」

「いや、そういう訳にはいかない!俺達の慢心から招いたことだ!」

「どういうことですか?」

「実は、俺達は冒険者ギルドで結構有名なパーティなんだ。実績もある。だから、この洞窟のもっと奥に行こう。俺たちなら大丈夫だ。そんな自信を持って奥へ奥へと進んで行った。でも…」

「あのヘビに見つかって、先程の状況になっていた。と…」

「あぁ、その通りだ。ホントに何やってるんだろうな、俺達は」

「そうですね。ホントに何やってるんだって感じです」

「ちょっ!キューラ!」

「課題が見つかったのに、何へこたれてるんですか?自分が弱かったから負けた。じゃあその反省を活かして強くなろうとは思わないんですか?それでも冒険者ですか?」

「そ、それは…」

「この黒髪の彼女は、ちょっと前に自分が弱かったから他人を巻き込んでしまった。だから強くなりたいということで今日ここに特訓しに来ています。あなたは、自分よりずっと若い少女に気持ちで負けているんですよ?」

そうして、彼女はその言葉を続ける。

「もう一度聞きます。あなたは悔しくないんですか?」

「は、はは。あぁ、そうだな。俺はなんでへこたれてたんだか。そうだよな。俺達は魔物に負けたらそいつより強くなって、リベンジをして勝つ。そうしてここまで来たってのに」

明日からは無理をせずにもっと強くなろう。そう意気込んでいると、ふと目を覚まさせてくれた彼女の顔を見る。

その顔は、『頑張れ』と俺に伝えているかのように微笑んでいた。



〜〜エキューラ〜〜

現在洞窟の入口付近。すっかり外は暗くなっている。久しぶりの外の空気は美味しいなー!

「よし、私達も帰ろうか。門限ギリギリだもんね」

そう俺が促すと、2人は伸びをし始めた。

「それじゃあ、ここに来た時と同じくかけっこをしようか。ルールは簡単。先に寮の入口に入った人の勝ち。負けた方は勝った人に夕食1品渡す。いい?」

「いいよ〜」

「ヒスリーには負けないからね!」

2人とも準備万端のようだ。

「それじゃあ、位置について〜。よ〜い、ドン!!」

開始の合図とともに風魔法を使う2人。凄いスピードで地上を駆けていく。

そして、俺はその様子を空中から見守っていた。

(2人とも調子いいな。これはどっちが勝つかわからんぞー?)

そう考え、俺は先に寮の入口で待つために更にスピードを上げる。



あの洞窟からファイズに帰る途中、俺らは話をしていた。

「それで、今後の方針は無理をせずにあのヘビに勝てるくらい強くなる。これでいいか?」

「「「異議なし!」」」

「はぁ、あの時の俺達の自身はどこから来てたんだろうな」

「ホントね。こんなのただの笑い話よ」

「しかも俺らより若い少女に助けられる。こんなかっこ悪い話あるかよ」

今後の方針も決まった事だし、明日からはみんなで頑張るぞ!

と決心した時、後ろから2つの足音が聞こえた。

振り返り確認すると、その2つの足音の正体は先程の少女たちのうちの2人だった。

「おーい君達〜!一緒にファイズに行かな・・・」

ビューーン!!

気付けば彼女達の姿はなく、また後ろから足音が聞こえた。先程とは違く、音はどんどん遠ざかっていく。

「え待って今の2人ってさっきの子達だよね?」

「あんな早いの?嘘でしょ?」

「・・・あの少女たちが冒険者になってくれたら面倒な依頼も少しは減んのかなぁ…」

「ここ最近面倒な依頼が多いからその気持ちは分からなくもないけど、あの子たちは多分まだ学生よ?」

「だよなぁ」

「それにしても何よ、あの討伐依頼の数。昨年の何倍もあるわよ」

「ギルマス曰く、今年は異常で、今まででこんな討伐依頼が多い年はなかった。とのことだ」

「そのうち魔物が増えすぎて魔物の大群が襲ってきたりして」

「「「ははは、ないない」」」

「そうよね。私も言っただけ」

そんな他愛のない会話をしながら、俺達はファイズへと向かった。



さぁ、かけっこはラストスパート!残りは数百メートル!あ、申し遅れました。実況は私、エキューラがお送りします!

もう彼女たちはゴールが見える!ここでの駆け引きが勝敗を決める!

あ〜っと!サラ選手がヒスリー選手の頬を殴ったー!!渾身の右ストレートが突き刺さるぅ!流石のヒスリー選手は転倒を……いや!していません!耐えています!しかし痛みがあるのか、先程より速度が落ちている!

おっと!ヒスリー選手がサラ選手の服を掴みあさっての方向へと投げ飛ばしたー!投げる瞬間に風魔法を乗せたことによって、普通に投げるより何倍もの飛距離になると予想されます!

流石のサラ選手もこれには耐えれない!

ヒスリー選手!その隙に一気に駆け抜ける!

ゴォール!!第2回。かけっこ対決は、ヒスリー選手の勝利だ〜!

「やったー!!」

「まけたー!」

「ふふん、私に勝つなんてあと1週間は早いのよ!」

「やけに現実的!?」

「2人とも、お疲れ様」

「あ!キューラ!私が勝ったよ!」

「うん、見てたよ。お疲れ様」

「くそ〜…私も頑張ったのに〜!」

「サラさんもお疲れ様。あと1週間したら勝てるようになると思うよ」

「やだ!明日勝ちたい!」

「さて、おつかれの2人に朗報です」

「「なに?」」

「今日の夜ご飯はすき焼きで、デザートにショートケーキだってフロントのおばちゃんが言ってたよ」

「やったー!ショートケーキ貰い!」

「やめてー!せめて、せめていちごだけは〜!」

2人のやり取りを見て、俺は思わず笑ってしまった。あぁ、やっぱり平和が1番だねぇ。

そういえば、あのヘビどうしようかな…

明日ギルドに行って買取頼もうかな。

みでぐれでありがどうございばずぅ( ᵒ̴̶̷̥́ ^ ᵒ̴̶̷̣̥̀ )

ちなみに僕はショートケーキよりチョコケーキの方が好きっス

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