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18話 女性を怒らせてはいけません

誤字・脱字があったら教えてください!

「こ〜ちょ〜せんせ〜おはよぉございま〜す!」

俺は校長室の扉を開け、懐かしの人に挨拶する。

「あ、1週間無断欠席さんだ〜。久しぶりですね〜」

クッ!先生の無邪気な発言が防御力貫通ダメージを与えてきただと!?

「えっと…もしかして怒ってます?」

「いえいえ〜。私は怒ってませんよ〜?わ・た・し・は〜」

その瞬間、背中に悪寒がした。

まて、落ち着け。こういう時に焦るのは愚策。よし、落ち着こう。

ふぅ、と深呼吸して後ろをチラッと見てみる。

そこには、まるで般若のような(っていうかもろ般若の)顔をしているレディラ先生がいた。

ははっ、震えてきたぜ。武者震いをするなんて何時ぶりだろうな…

その場で軽く伸びをして、

「さらば!」

全力ダッシュで逃げようと試みるが、

「こら、逃げちゃダメ!ですよ〜?」

アイスウォールが前と左右に展開され、後ろしか逃げ場がなくなった。

くそ!校長先生は俺の味方だと思っていたのに!

だったらと後ろを向き逃げようとするが、そこにはとってもいい笑顔のレディラ先生がいた。

「せ、先生はいつ見ても綺麗ですよね〜。もう生まれ変わったら先生になりたいや〜!」

「エキューラさん?」

「ふぁい!?」

「こっち、来てくれますよね?」

「あ、ははっ、先生とどこか行けるのは光栄の極みってやつです…ね…」

「いいから来い!!」

「ごめんなさーい!!」

めちゃくちゃ叱られた。どうやらレディラ先生は普段優しいけど、怒ったらめっちゃ怖いタイプの人だった。グスン。


レディラ先生の説教が終わったあと、改めて校長に向き合う。

「それで、先生に話があるんですけどぉぉぉ!?」

校長先生は俺の匂いを嗅いできた。

校長先生は美人だし胸大きいしいい匂いがするしさっきの出来事を考えると凄く強いっぽいし、生まれ変わるならこの人になりたいと本気で思う。え?レディラ先生?あんなオニババには絶対なりたくないね!!

「う〜ん、やっぱり懐かしい匂いがするな〜?」

「な、懐かしい匂い?」

「うん。もしかして、フィック君に会ってた〜?」

「え!?なんで分かるんですか!?」

「だってフィック君の匂いがするんだもん。あ〜、もしかして付き合ってるの〜?」

「そんな訳ないじゃないですか!?」

「ふふ、怒ってるところも可愛いね〜」

「っていうか匂いで分かるって、フィックさんとどんな関係だったんですか?元パーティメンバーとか?」

「ううん、私はね?フィック君の元妻なんだよ〜?」

俺は心の底からこう思った。

おまえかーーーい!!

確かに言われてみてなるほどと思う。

この人なら国の危機でも賢者を旅行に誘いそうだ。

この人は、The.気まぐれウーマンって感じだから。

「えっと、なんで離婚したんですか?」

「なんかね、女の人と歩いていたっていう噂を聞いたの」

「へ、へぇ」

フィックさんならやりかねないな…あの人初対面で結婚してくれとか言うからな〜。

「問い詰めたら、なんて言ったと思う?」

「な、なんて言ったんですか?」

「『ち、違う!誤解だ!』だって。全く、もうちょっとでアイスランスで風穴空けるところだったわ」

アイスランスっていうと上級氷魔法で、全上級魔法の中で1番殺傷能力が高く、最も防ぎにくい魔法だ。

その名の通り氷の槍を生成して、凄まじい速度で放たれる。避けることはほぼ無理で、エアロバリアでさえ無効化する。PvsPではよく使われていた魔法だ。

そんな恐ろしい魔法を撃とうとするなんて、この人も怒らせたら怖いタイプの人なのかな?

「それで、エキューラさんはフィック君と何をしてたの〜?」

「えっと、魔法の修行をちょっと手伝ってもらってました」

「そうだったのね〜。・・・エキューラさ〜ん、ちょ〜っとこっちに来てくれるかな〜?」

え!?なんで!?なんで先生怒ってるの!?

「ほ〜ら、こっちおいで〜?」

「は、はい…」

とぼとぼと先生の元へと向かう。僕は消されるのだろうか…

あぁ、ほら。先生アイスバレットを構えてるもん。

だが、その心配は杞憂に終わった。

バンッ!と放たれたアイスバレットは、見事な弧を描き校長室のドアをぶち破る。

何故そんなことをしたのだろうと考えていると、聞き耳を立てていたのか1人の男が壊れたドアの下敷きになっていた。

「それで〜、な〜んでこんな所にいるのかな〜?フィック君?」

「ふ、なんてことは無い。ウィルクいるところに俺ありってだけさ」

「この人、私を追ってこの国に来て私を拉致したと思ったら魔法の修行をさせたんですよ。罰してください」

「フィックく〜ん??」

「ご、誤解だ!」

「そっかそっか〜、誤解なんだね〜。そうなの?エキューラさん」

「全部ホントの事です、はい。なんなら初対面で結婚してくれとか言われました」

「ちっ!さらば!」

エアロウィングで外に飛んで逃げるフィックさん。

「させるわけないじゃ〜ん」

飛んでいるフィックさんの首だけを残して、首から下を凍らせる先生。やはり怒らせたら怖いタイプの人だった。

「ちょ!まっ!ここで凍らせられたら落ちるぅぅううーー!!」

中庭に何か重いものが落ちた音がした。


「さて、制裁は済んだから、エキューラさんの用件を聞こうかな?」

「あ、えっと、ここに入学させたい人がいるんですけど、いいですか?」

「う〜ん、エキューラさんが転入できたのは王様の推薦があったからなんだよね〜。本当はいくつかの試験を受けてもらって、合格したら転入できるって仕組みなんだ〜。だから、その入学させたい子には試験を受けてもらって、大丈夫そうだったら認めるよ〜。その子はここに連れてこれる?」

「分かりました。では、少し待っててください」

俺は校長室を後にし、校門前で待たせている彼女を迎えに行く。

「サラさん、戻ってきたよ」

「ねぇ、なんか中ですごい音と絶叫が聞こえてきたんだけど、この学園大丈夫なの?」

「あぁそれはね、なんか不法侵入者がいたから制裁を加えてただけだから心配しないで」

「そ、そうなの。大変なのね」

「それで、話を聞いてみたところいくつかの試験を受けてもらって、合格したら転入を認めるんだって」

「わ、分かった。その試験受けるよ」

「そんな簡単に決めてもいいの?」

「どうせ他に行くところなんてないしね。受けるだけタダなんでしょ?」

「まぁ、その話は聞いてないからそうなんだと思うけど」

「じゃあいいじゃない。早く行こ、誠」

「うん、分かった」


「先生、連れてきましたよ〜」

「あ、来たね〜?えっと、その隣にいる子〜?」

「はい」

「は、初めまして。サラ・マキノって言います」

「はい。初めまして〜。私はウィルクって名前ですよ〜。それで、エキューラさんから話は聞いてる?」

「はい。いくつかの試験を受け、合格したら転入を認めるということですよね?」

「うん!せいか〜い!でも、補足するなら入学金、制服代その他諸々で、サービス価格で大金貨1枚必要だけどね〜?」

「えっと、そんなお金は…」

俺にしか聞こえない声量で話しかけてくる

「大丈夫。俺が出すから」

確か大金貨が3枚くらい残ってたはず。

「えっと、ちなみに大金貨1枚って日本円でいくらか知ってる?」

「知ってるけど言わないよ。言ったらサラさん絶対気を使うから」

改めて言おう。大金貨1枚で約100万円である。専門学校でもここまでしないのに、サービス価格で100万である。たっけーー!

「それじゃあ、試験会場に行こうか〜!」


「さて、着いたよ〜」

案内された場所は、何時だったか俺が半壊させた第1訓練所だった。

「そこにある人形に魔法を飛ばして、当たったら1次試験合格だよー!また、当たらなくても至近距離からでもいいよ〜」

何故至近距離でもいいのかが気になるな。まぁ、予想は着いてるけどさ。

恐らく、遠くから魔法を当てれたらC組以上で、その威力で組が決まるんだろうな。

また、至近距離からは魔法を発動できるかを見てるんだと思う。

そして遠距離からと同様に、その威力で組を分けるんだろうと俺は予想している。

さて、サラさんのステータスは?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Lv1 大賢者

HP10/10

MP36/36

攻撃力:7 防御力:5

素早さ:9 魔力:37

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さすが大賢者。魔法に関しては凄いけど、それ以外が酷い。

一般のLv1の人と比べたらステータスは高いんだろうけど、Lv1の勇者と比べたら結構差が出てるんだろうな。勇者補正ってやつだ。

さて、サラさんはLv1だ。どうすればいいかな?

魔法は出せるんだから合格だろうけど、出来れば一緒のクラスがいいが、遠距離から当てるのはちょっと無理があるだろう。

話を聞く限り、彼女は魔法を撃った事がないからだ。

そこで俺は考えて、1つだけ道があるのではと結論を出す。

そしてそれを確認する。

「よし、これなら行けそうだ。サラさん、ちょっとこっち来て」

「ん?なに?」

「サラさん、この魔法使って」

「え?私これ知らないんだけど…」

「大丈夫。詠唱は・・・・・」

「うん、分かった。やってみる」

「準備はいい〜?それじゃあ、どうぞ〜!」

「えっと、その風の衣。我を守り、ありとあらゆる砲を弾く見えざる鎧!我の歩を止めれるものなら止めてみよ!『エアロバリア』!」

その詠唱を終えた瞬間、一瞬だけ暴風が吹き、何事も無かったかのように風が止まる。

サラさんは辛そうな顔をしながら人形の元まで歩いていき、その人形に触れる。

その瞬間人形は勢いよく弾かれ、空高く打ち上がる。

これぞ裏技、エアロパンチ!纏っているエアロバリアを利用して相手を殴ることによって、ドラゴンくらい簡単に吹き飛ばす裏技である。

これをやった時の爽快感といったら、言葉では言い表せないほどだ。

「やった…できた、よ?エキュー、ラ……」

バタッと倒れるサラさん。魔力切れなんだろう。

それはそうだ。エアロバリアの消費MPは35。彼女の残りMPは1。倒れない方がおかしい。

俺は彼女のそばまで歩き、

「お疲れ様。よくやったな」

と、頭を撫でるのであった。

みでぐれでありがどうございばずぅ( ᵒ̴̶̷̥́ ^ ᵒ̴̶̷̣̥̀ )


今日はクリスマスイブ!!明日はクリスマス!!もういくつ寝るとお正月!!

最高かよ!!

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