17話 帰れまてん終了!!
シリアス展開があります。苦手な人は後書きに簡単にまとめておくので見てください
誤字・脱字があったら教えてください!
1週間後
「すぅ〜、はぁ〜。よし!」
魔法をイメージし、魔力を放つ。
すると、前に出していた手のひらからファイアーボールが出て狙っていた岩に当たり、岩は砕けた。
「で、できたー!」
わぁーい!とその場でぴょんぴょん飛び跳ねる。
ステータスを開き、内容を確認する。
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エキューラ
Lv39
HP183/183
MP266/266
スキル:初級水,土魔法、中級火,氷魔法、上級風魔法,鑑定
ユニークスキル:黒炎刀,探知,超加速,竜の息吹
パッシブスキル:スキル効果持続時間超増加,経験値量増加,筋力増加,アイテムドロップ率増加,エキューラ化,ツインマジック,無詠唱
称号:異世界を渡るもの,ドラゴンスレイヤー,風の賢者の弟子
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無詠唱
詠唱を必要とせずに魔法を撃つことが出来るようになる。
習得条件
無詠唱での魔法の発動を成功させる。
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やばい、ニヤニヤが止まらない。まぁ、この一週間は大変だったもんな〜。
無詠唱で魔法を使おうとしたら、発動せずにMPだけ消費て気付かぬ間に魔力切れになってたり、ファイアーボールが暴発して岩ではなく自分にダメージを与えることになったりと散々だった。
「よくやったなエキューラ。正直1ヶ月ほどかかると思っていたぞ」
「ありがとうございました!フィックさん!」
「うむ、俺から教えれるものは何も無い!あとは根性で魔法を鍛えるだけだ!」
「はい!…ところで、早く学校に戻してくださいよ…私1週間も無断欠席なんですけど」
「おぉ、すまなかった。それでは戻るとするか。ほれ、こっちに来い」
「帰りは私も飛んでくので、安全運転でお願いします…」
「あ、聞きたいことあるんですけど大丈夫ですか?」
現在フィックさんと飛行中。
「なんだ?」
「前に隊ちょ…リーブさんに聞いたんですが、2年ほど前の魔物の襲撃をサボったと言ってました。何をしてたんですか?」
「懐かしいな。あの時は確か、妻が急に旅行に行きたいと言い出すから連れてってやったんだ」
「あんたはアホか!?」
なに国の危機に呑気に旅行に行ってるんだよ!
「っていうか、妻がいるのに私に結婚してくれとか言ってたんですか!?」
「もう妻とは離婚したからな!」
「え〜と、一応聞きますけど、何があって離婚したんですか?」
「妻の気まぐれだ」
「気まぐれで離婚!?」
どんな人なんだろ…国の危機に旅行に行こうとか言うし、気まぐれで離婚するだなんて…。
20分ほど飛んでいると、気づけばファイズの近くの平原に着いていた。
「もうそろそろ着きますね」
「エキューラとはもう別れか。寂しいな」
「私はどうでもいいんですけどね。っていうか、学校どうしよう…」
そんな話をしてる時の出来事だった。
「ん?あれは…」
ふと下を見てみると、複数の人がいた。
なんとなく気になり目を凝らしてよく見てみると、どうやら1人の女性を複数の人が囲んでいるようだった。
盗賊かもしれない…助けた方がいいよな?
そう結論づけて急降下して、女性と盗賊らしき人達の間に入る。
「っ!?誰だお前は!」
「人の名前を尋ねる時は自分から言うものでは?」
「ふん、そんなの知ったことか」
「そうですか。では私も何者かも答えません」
「そうか。では、死ね!」
ダッと男が走ってくる。
先程まで飛んでいたからなのか、疲れていた俺は歩いて立ち向かうことにした。
「歩くとは、貴様は俺をなめているのか!?」
「いや〜、だって疲れてるんだもん」
手に持っていた剣で斬りかかってくるので、俺に届く前にデコピンをする。
「ぐぁ!」
すると盗賊(?)が吹っ飛んで動かなくなった。
(あ、なんかデジャブ)
「さて、大丈夫?・・・って、君は…」
「う、後ろ!」
俺を殺そうと7人ほどがいっせいに剣で襲いかかってくる。何もしてない状態だったらタダではすまなかったかもな。
剣が俺に当たる寸前のところで剣はどこかへ吹っ飛んで行った。
「それで、君たちの剣はどこかへ言っちゃったけど。まだやる?」
「くそ、引くぞ!」
男たちのうちの一人が声を上げると、全員がどこかへ走っていく。
「え、今何したの?」
「エアロバリアを張っていただけだけど?」
強風にあおられて剣が吹っ飛んで行っただけだ。だが、強風と言っても横綱でも軽く100m前後吹き飛ばすことが出来るくらいには強い風だ。
「えっと、あなたは何者なの?」
「さっきの人達にも言ったけど、自分から名乗るものだよ?まぁいいけどね、咲良さん」
そう、そこにいたのは帝国にいるはずの牧野咲良だった。
「なんで私の名前を知って…あなたも帝国の追手なの!?」
「違うから…私、いや、俺の名前はエキューラ。地球では時任誠って名前だよ」
「誠!?誠なの!?」
「うん、そうだけど?あの白い部屋で俺相当目立ってた気がするんだけど、知らなかったの?」
「し、しょうがないじゃない…他の子と話してたんだもん…」
「それでどうしたの?さっき帝国の追手がどうとか言ってたけど」
「そ、そうだ!誠、助けて!みんなが、みんなが変なの!」
「変?」
「うん…」
「説明できる?」
「わ、分かった」
それは、私達が転移した時の事。
「誠ー!いないかー!」
友達と喋ってる時、急に委員長が大声をだしたの。
不思議に思って当たりを見回しても誠の姿がなかった。
「本当にあと一人いないのだな?・・・よし、捜索させよう。なにか特徴はあるのか?」
「えっと、俺たちと同じ黒髪の女の子です」
そう委員長が言うと、国王が近くにいた兵に何かを言うと、咳払いをして話を続けた。
「今捜索を開始した。時期に見つかるだろう
みんなほっとしていた。それはそうだ。規模は分からないけど、国が探してくれんだから。
「皆を呼んだのは、3年ほど前に復活した魔王を倒してもらいたいからだ。では、一人一人の能力を把握したいので、わしに見せてくれぬか?」
その後、みんなが自分の能力を見せていた。
ある人は斬撃を飛ばしたり、悪魔を召喚したり。
何人かは何もしてなかったけど、ステータス画面を国王に見せたら戻ってきた。
そして、私の番になった。
「それで、君はどんな能力なのだ?」
「えっと、『フレア』!」
魔法を唱えても、何も起きなかった。
私は焦った。なんでなの?あの白い部屋では使えたのに!と。
「焦るでない。お主のような、魔法を覚えてなければ意味を成さん者は何人かおる。例えば、あの男は魔法を放つとMP消費ゼロで同じ魔法を放てるスキルを持っておる。きっとお主にも何かあるのだろう?ステータス画面を見せてみよ」
「は、はい。ステータス・オープン」
そこで、私は絶句した。
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サラ・マキノ 職業 大賢者
Lv1
HP10/10
MP36/36
スキル:なし
ユニークスキル:なし
パッシブスキル:なし
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そう、スキルが何も無かったのだ。
「な、なんと!」
国王も流石に驚きを隠せなかったようだ。
「ふむ、仕方あるまい。お主、ちょっとこっちに来い」
不思議に思い、ついて行った。
案内された場所は城の門だった。
「えっと、国王様。私はここで何を…」
「お主のようなスキルが何一つない者がいても勇者様達の邪魔しかならん!魔法のひとつでも覚えて出直してこい!」
私は国王に突き飛ばされ、城の門は閉ざされた。
それから2日たった頃、私は空腹で倒れそうだった。
水は噴水の水を飲んでいたが、食料はどうしようもない。
歩いていると、人だかりができていた。
なんだろうと気になり覗きに行くと、喧嘩をしていたの。
それは、不思議で仕方なかった。
片方の人が何かをブツブツつぶやくと、火の玉が現れて飛んでいくの。
その時初めて実感した。ここは異世界なんだなって。
字面だけ見るとやばい人だけど、その喧嘩に魅入ってしまったの。
やがて喧嘩は終わり、私はその場を離れた。
「い〜なぁ…私も魔法を使ってみたいな…それに比べて私は…」
私は自虐するようにステータスを開いた。そしたら、私はまた絶句した。
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サラ・マキノ 職業 大賢者
Lv1
HP10/10
MP36/36
スキル:初級火,水魔法
ユニークスキル:なし
パッシブスキル:なし
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なんと、身に覚えがないのに魔法を覚えていた!
これは、神様が与えてくれた奇跡なのかもと思った。
喜んだ私は早速城に行った。
門番に止められたけど、国王様に会えば分かってくれるからと何度もお願いした。その甲斐あって、私は監視有りならばと承諾してもらった。
「失礼します、国王陛下に会いたいと言ってる者がいまして…」
「分かった。入れ」
そこは私達が呼び出された、謁見の間だった。
「国王様!私、魔法を覚えてきましたよ!それも2つも!」
「なんと!魔法を1つ習得するのに最低1週間かかるのだが、それを2日で2つも…お主にも何かがあったのだな。それを見抜けなかったわしが悪かった。追い出してすまない…」
とても喜んだ。私は認められたのだと。
「さぁ、他のものは魔法の訓練をしておる。お主も混ざってこい」
「分かりました!失礼します!」
皆と合流した時、心配していたぞと言われたり、どこいってたんだよと言われたりした。
その時、ふと疑問に思った。
「そういえば、誠は見つかったの?」
確か、捜索されていたはず。まだ見つかってないのだろうかと思ったので聞いてみることにした。
答えたのは委員長だった。
「誠?だれだ?そいつ」
「え…」
訳が分からなかった。
「り、りんは?誠のこと覚えてるよね?幼なじみなんでしょ?」
お願い、悪い冗談であって!!と心の底から思った。だが、りんのその言葉はどこまでも無邪気で、どこまでも無慈悲だった。
「誠?誰なの?あ、サラちゃんどこか行ってる間に好きな子できたの?やるじゃん!」
うりうり!と肘でつつかれる。皆は笑っていた。
でも、私は笑えなかった。
信じられなかったのだ。
「な、なんでりんまで変な冗談を言ってるの!?皆は誠のことが心配じゃないの!?」
声を荒げてそう言った。
「えっと、サラちゃん、さっきからどうしたの?どこか頭を打っちゃったの?」
心配そうに声を出すりん。差し伸べられた手を、私は払った。
気持ち悪かった。あんなに心配していたのに、誠を忘れた皆のことが。
私は城を出て、走った。もしかしたら皆は別の人なのかもしれない。これは悪い夢なのかもしれないと、色んなことを考えながら。
少し走った後、後ろから何人か私に向かって走って来てることに気づいた。
私は逃げた。捕まったらまたあそこに連れ戻されるのではないかと思ったからだ。
角を曲がってすぐに路地裏があったからそこの中に入り追手を撒いた。
すぐに帝国から出て、どこかの国へ行こうと思った。
歩いてる最中にも追手が来たけど、何とか撒く。それを繰り返してたある日、ひとつの村を見つけたの。
私の姿を見た村の人達は私を心配してくれた。
後に聞いた話では、私はボロボロになっていてすごくやつれていたらしい。
村の人達は、衣食住全部を提供してくれた。
なんでそこまでしてくれるのかを聞いてみたところ、黒髪の人は縁起がいいと答えた。
なんでと尋ねたら、この村の発展をしてくれたのは黒髪の子だからなのだと。曰く、その人のおかげでラバスニという国の賢者が来てくれ、賢者が来たとしてこの村はちょっとした聖地になり、村が発展したのだと。
もしかしたら誠かもと思った私はすぐにその村を出た。
「そして、途中で帝国の追手に囲まれて、終わったなって思ってた時に誠が来たってわけ」
「なるほどな」
つまり、なんもスキルが無いから追い出されて、2日後に戻ったら皆が俺の事を忘れていた。
それがショックで逃げ出していたところで俺に会った。ってとこか?
「ちなみに、サラさんはどんなスキルを神様に頼んだんだ?」
「えっと、委員長が2つもスキルを持ってるのを見て、それならと欲張って、全魔法をお願いしたの」
「なるほどな…」
どうやら、俺の仮説は正しかったらしい。
「多分、サラさんにはスキルではなく、サラという人間の設定がいじられてるんだと思う」
「えっと、どういう意味?」
「最初から全部の魔法を覚えさせるなんて、手間でしかないだろ?だから、見る、魔導書を読む、体感するのどれでもいい。きっかけがあれば魔法を習得できるって設定にいじられてるんだと思うよ。その証拠に、サラさんは何もしてないのに魔法を習得していた」
「な、なるほど…それなら納得ね」
「ちょっとステータス画面を見せて」
「分かった。ステータス・オープン」
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サラ・マキノ 職業 大賢者
Lv1
HP10/10
MP36/36
スキル:初級火,水魔法,上級風魔法
ユニークスキル:なし
パッシブスキル:なし
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「ほら、さっき俺が使ったエアロバリアを習得してる」
「本当だ…」
「それで、サラさんはこれからどうするの?」
「特に何も…宛もなく走ってたから…」
「それならファイズ魔法学園にこない?俺が校長に言うからさ。こう見えても校長と仲が良い気がするんだぞ?」
「気がするって何?」
はははと2人で笑った。
「それじゃあ、行こうか」
「うん」
そうして、ファイズ魔法学園へと2人で歩き出した。
みでぐれでありがどうございばずぅ( ᵒ̴̶̷̥́ ^ ᵒ̴̶̷̣̥̀ )
今回のあらすじ。主人公の事をクラスメイトが忘れていたみたい




