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16話 拉致られました

誤字・脱字があったら教えてください!

ファイズ魔法学園は、家が遠いなどの理由で登下校がしづらい人のために寮というものがある。

それは、俺が寮から学校へ向かっている途中の出来事だった。

「エキュゥゥゥゥーラーー!」

背後から聞き覚えのある声が聞こえ、反射的に後ろを向き相手を殴り飛ばす。

「グハァー!」

「はぁ、何やってるんですか、心の中を読めるんでしょ?だったらこうなるって分かってたんじゃないんですか?」

道の真ん中で倒れているそいつに話しかける。

「ねぇ、フィックさん」

「ふ、ふはは、やるではないか、エキューラ」

「まさか、私に殴られたいから避けなかったとはいいませんよね?」

「なぜ殴られたのか、か。エキューラ、今、無意識に行動したであろう?無意識に行動されては俺はどうしようもないのだよ」

倒れながら話してる…結構余裕あるんじゃないのか?

そう思い、試しに踏んずけようと足を上げ、フィックさんを思い切り踏む。

「ふふん、二度目はないぞ!」

ち、避けられたか!

「全く、エキューラが俺を必要としていると言ってて涙目になってると聞いて飛んできたのに、ラバスニに戻ってもその姿はないときた。であれば、意地でも見つけ出すのがこの俺よ」

きっかけは俺だが、やってる事はストーカーだぞ、おい。

「それで、国王に聞いたらエキューラはファイズ魔法学園へ向かったと聞いてな。急いできたのだ!」

何この人?国王様のとこまで行ってきたの?馬鹿じゃないの?

あ、そだ。1つ聞きたいことあったんだ。

「フィックさんはどうやって魔法を鍛えたんですか?」

こんなでも一応賢者って呼ばれてるんだ。魔法に関しては一流のはずだ。

「ふむ、そうか、気になるか。よし、場所を変えるぞ!」

場所を変える?どういう事だ?って思ったが、フィックさんに担がれた瞬間理解した。

「よし!では行くぞ!」

「え、待って私これから学校ぉぉぉー!!」



「よし!エキューラ、着いたぞ!」

「うぅ、気持ち悪い…」

担がれてから何分かたった頃、ようやく降ろしてもらえた。

「では、魔法の訓練を始めようか!」

「あ、はい、よろしくお願いします…」

はぁ、今日は学校を無断欠席だよ…怒られないかな…

「フィックさんは何級魔法まで使えるんですか?」

「俺は風魔法が得意でな〜。風魔法なら特級まで使えるぞ!凄いだろう!」

「風の特級…サイクロンですか?」

「ほぅ、よく知っているな。特級魔法の存在を知っていても、滅多に使わないからか魔法名を知っているものは少ないのだがな」

「あはは、まあ色々ありまして」

「ふむ、そうか。まぁいい、まずは俺に魔法を撃ってみろ」

「は、はぁ。えっと、『エアロボール』」

とりあえずポイッと魔法を投げる。

どうするんだろうとフィックさんに当たる直前にエアロボールが弾けとんだ。

「ふっふっふ、俺が何をしたか分かるか?」

なんでだろ?よく見るとフィックさんの髪の毛が揺れてる気がする…

「風の上級魔法、エアロバリアですか?」

「正解だ」

エアロバリアは、っていうか、この世界で見たことある魔法全部がif you're aliveにあるのと同じだ。

となると、よく分からないことがある。

なぜ魔法名は同じなのに、魔物は初めて見るのだろう?

俺はデスベアーもベルドもその配下も見たことがない。

可能性があるとしたら、

「フィックさん。15年ほど前に召喚された勇者で、魔法を使っていた勇者っていますか?」

「ん?最後に召喚された勇者は100年前と言われているぞ?」

100年前?if you're aliveが販売されたのは5年前で、制作期間が5年、魔王討伐までに5年ほどかかると思ってたのに、それよりも前か。こっちの時間は地球の時間より早いのか?

「ある物語で、こういう文がある。『ある者は全ての魔法を極め、ある者は目に映らぬ敵の位置を知り、ある者は目にも止まらぬ速さで走り、ある者は黒い炎を剣に纏わせ、万物を切り、ある者は竜の息吹を出す。その者らの名は、ダイキ,ミナト,カズハ,ハルカ,リュウト』とな」

「ダイキ…」

確か、if you're aliveの制作の第一人者は戸部大輝だったはず。

それにダイキさん達の神様から与えられたスキル。そのスキルを全てではないが、俺の魔法習得速度を考えると全て持っていると言ってもいいだろう。

ステータスを開き、あるひとつの項目に目を向ける。

「やっぱりそうだ」

先程この世界で初めて見たエアロバリア。俺はもうそれを習得している。

俺の予想が正しかったら、きっかけさえあればすぐに習得できる。なぜなら、俺は元々全魔法を覚えていたから。

そして、魔法以外が最初からあるのはそのスキルがこの世界には存在していなくて、神様からしか貰えない特別なスキルだったから。

例えば、存在する全ての魔法を覚えた状態でこの世界に来ると、恐らく特級以下の魔法は使えなくなるだろう。その代わりに習得速度が異常という事態になる。

俺がいい例だ。

何故そうなるのかと言われると分からないが、神様が面倒くさがりなのかもしれないな。

一つ一つの魔法を0から覚えさせるだなんて、手間でしかない。それなら魔法をすぐに覚えれるようになるスキルを与えればいい。

きっとそんなところなのだろう。

恐らく見えないだけで、そういう設定になっている。俺の場合魔法だけでなく、恐らく武器スキルも何かきっかけがあればすぐ習得出来るだろうな。魔法同様に、剣スキルなら攻略サイトに載っているもの全てを習得していたからだ。

頭の中で色々と考えていると、フィックさんから声をかけられる。

「エキューラはよく分からないことを考えるのだな。こうりゃくさいととはなんだ?」

ちょっと長く考えすぎたかな。

「なんでもないです、気にしないでください。それでは、続きをお願いします」

「分かった。とりあえずやることはひとつ。無詠唱ができるようになること。できるようになったら学園に戻そう。ただし、できないのであればいつまでも帰さん!」

「そ、そんなー!?」

無詠唱なんてやった事ないんだけど!

「エキューラは詠唱省略ができるようだからな。すぐに終わるさ」

「私、学園にいかなきゃいけないのですけど…」

「魔法学園は魔法使いを育成するところなのだろう?ならば、無詠唱を覚えるために休んでいたと言えば許されるのではないか?」

「許されるかっ!」

結局、説得しても聞き入れてくれなかった。

はぁ、無詠唱できるようになるまで帰れまてん。まもなく開始です…



同時刻 1年C組

「今日はエキューラさん来ないのかな?」

もう少ししたら授業が始まるんだけど、まだ教室に彼女の姿がない。

何か事故に巻き込まれたとか?

教室内をウロウロしていると、誰かの声が響く。

「失礼します」

「失礼します」

見たことあるような、ないような二人が入ってきた。

「僕は1年A組のタツナ・スズキだ。このクラスにエキューラという名の人がいると思うのだが、いないか?」

「同じく1年A組のリン・タキミヤです」

「えっと、エキューラさんはまだ教室には来てないですよ」

「君は?」

「私はカリナです。エキューラさんの友人です」

「そうか…分かった、また来よう。行くぞ、リン」

「分かった」

「あ、待って!」

去ろうとする二人を呼び止める。

「どうした?」

「なんでエキューラさんを探しているんですか?」

「まぁ、気になるか」

「えっとね、そのエキューラって人が私達の探してる人なのかもしれないの」

「え?名前だけじゃ分からないんですか?」

「姿を見れば分かるんだけどな。あいにく名前は分からないんだ」

「ねぇ委員長。あいつのこと言っていい?」

「君の判断に任せよう」

「分かった。えっとね、私達の探してる人はここじゃないけれど、私達と一緒のクラスにいたんだ。でもある日いなくなって、恐らく名前も変えてるんだ。分かってるのは私達と同じく黒髪って事だけ」

「エキューラさんは黒髪ですよ?黒髪は珍しいですし、その人なんじゃないんですか?」

「その人を見ないとなんとも言えないわ」

「そう、ですか。分かりました。エキューラさんが来たら二人に会うように言っておきますね

「ありがとね、カリナさん」

「いえいえ!お礼なんて言わないでくださいよ!勇者様にお礼を言わせたなんて知られたら私の首が飛びます!」

「あはは、私達の事を勇者って呼ぶのはやめて欲しいかな」

「あ、失礼しました…」

「それじゃあ、今度こそ私達は行くね。バイバイ、カリナさん」

ガラガラと戸を開け、二人は去っていった。


「はぁ、いない…か。」

「まぁアイツらしいっちゃアイツらしいけどね」

「どこに行ったんだろうな。咲良(・・)のやつ」

「早く見つけないと、怒られるのは私達なのにね〜」

「あぁ。だが、エキューラという可能性が出てきたんだ。そのチャンス、逃す訳には行かない」

「早く戻ろ。もう授業が始まるよ」

「もうここから出ていくってのに、りんは真面目だな」

「だって懐かしいじゃん。学校って」

「まぁ、そうだな」

そんな他愛ない会話をしながら、彼らは1年A組へと戻っていった。

みでぐれでありがどうございばずぅ( ᵒ̴̶̷̥́ ^ ᵒ̴̶̷̣̥̀ )


さて、みんなはこう言いたいんじゃないかな?

急展開ワロタ!!

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― 新着の感想 ―
[良い点] とても面白く一気に読んでしまいました これからも更新頑張ってください 応援しています
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