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13話 男(♀)の涙

しばらく投稿してなかった……

今日はいつもに比べて長めのはずです!いつも通りだったらごめんなさい!!

「あ、そういえば。ライド王、もうひとつだけお願いがあるのですが、いいでしょうか?」

「ふむ、言ってみなさい」

「ドラゴンを私が倒したと国民に伝えてくれませんか?」

「元々そのつもりだったから別にいいが、何故だ?名声のためか?」

「いえ、そうではなく、私の出身の村であるフレカ村の領主さんに、この村の宣伝を頼まれているんですよ。旅をしているのもそのためなんです」

「なるほどのー。ということはいずれこの国も去ってしまうのか?」

「はい、もうそろそろ去ろうと思っていたところです」

「ふむ、どこに向かおうとしているのだ?」

「それを決め次第もう一度旅に出ようかと思っています」

あ、そういえばまだ宿が5日分くらい残ってた気がする。払い戻しってできるのだろうか?

「なるほどの。では、お主は魔法を使うのか?」

「えっと、少しだけならできます。それが何か?」

「ここから少し遠くにファイズという国がある。そこは魔法技術がとても発展してる国でのー。魔法を鍛えるついでに何か成し遂げれば良いだろう。きっとお主ならできる」

「なるほど、とても良い案だと思います。あ、そういえばその国に魔法を学ぶ学校のようなものはありますか?」

「そのようなものがあると聞いたことがあるが、どうしてだ?」

「いえ、ちょっと強くなるために犠牲にした青春を取り戻したいな〜と」

俺は部活にも入っておらず、学校が終わったら即帰宅してゲームをする日々だったから、青春というものを満喫してないのだ。

それに魔法を鍛えたいし、新しい魔法も覚えたいしね。

「なるほど、ドラゴンを単独撃破するほどの力をその歳で持っているのだ。色恋などとは遠い生活をしていたのだろう……分かった、わしが推薦状を書いてやろう。着いてこい」

王様が席を立ちどこかへ向かうのでついて行く。

「ん?終わったのか?って、ライド王!?」

先程の部屋の外で隊長が待っていた。

「おぉ、そなたはリーブではないか?ドラゴン討伐ご苦労だった」

あぁ、そういえば隊長って紅蓮の剣を持って討伐に行ったんだっけ?ってことはそこそこ上の人だったのか?ってか、隊長ってリーブって名前なんだ。初めて知った。

「ライド王、これからどこに向かわれるのですか?」

「ふむ、エキューラ殿にファイズ魔法学園の推薦状を書くためにこれから書斎に行くところだ」

「は、はぁ。なるほど?」

「そういう訳だ。行くぞ、エキューラ殿」

「はい、分かりました」

リーブさんにニヤニヤしながらその場を後にする。


「よし、書けたぞ。ほれ」

渡された紙の内容を確かめる。

「あの、ここにA組へ入れるようにって書いてあるんですけど、A組に何かあるんですか?」

「A組とは、冒険者ランクと同じで、下からF,E,D,C,B,Aという感じで、Aに近づくほど優秀な魔道士とされるものじゃ」

ふむ、つまり私は1番上からのスタートか。

「なんで私がA組からなんですか!?」

「なぜって、この国を助けてもらったお礼じゃよ。まだまだ全然恩を返し足りんぞ?」

「えっと、せめてCかD組でお願いします……」

俺は優秀な魔道士と呼べるほどの実力はないんで。王様の推薦で来た子だからどれだけすごいんだろうと期待させといて実はへっぽこだった〜とかは嫌なんで。

「それがお主の希望ならばよかろう」

書き直してもらった内容を確認する。うん、ちゃんとC組になってるな。

「ありがとうございます、希望に応えてくれて」

「言ったであろう?まだまだ恩を返せていないと。お主はわしはもちろん、国民全員を救ってくれたんだぞ?」

「では、助けが必要になった時に頼らせてもらいますね」

「ふむ、わかった。その時はぜひ頼ってくれ」

「はい。ありがとうございます」

「なに、礼を言うのはこちらだ。我が国を救ってくれてありがとう」

深々と頭を下げる王様。きっと、とても良い王様なんだろうな。


あの後すぐに帰宅した俺はすぐに帰宅し、ファイズに向かう準備をする。え?リーブさん?置いてきたけど?

宿代を払い戻せるか聞いてみたところ、明日からの分からなら可能らしい。

「さて、何をしようかな〜」

特にやることもないし、外で魔法の練習でもしてようかな。

思い立ったが吉日だ、早速行こう!


「さ〜て、何からやろうかなー。」

そういえば、ドラゴンを倒したことでLvが上がってたりしない?

「ステータス・オープン」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

エキューラ(時任誠)

Lv39

HP183/183

MP266/266

スキル:初級水,土魔法,中級火,風魔法,鑑定

ユニークスキル:黒炎刀,探知,超加速,竜の息吹

パッシブスキル:スキル効果持続時間超増加,経験値量増加,筋力増加,アイテムドロップ率増加,エキューラ化,ツインマジック

称号:異世界を渡る者,ドラゴンスレイヤー


Lvアップボーナス

中級氷魔法 or 鑑定

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


なんかある……一番下になんかあるんだけど。え、なにこれ?説明って見れる?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Lvアップボーナス

規定Lv(35,45,55,65……)到達時にランダムでスキルが2つ表示され、どちらかを取得できる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あ、なんか見れた。なるほど、ざっくり言うとLv35になったからランダムでスキルが貰えるってことね。

えっと、俺は鑑定はあるから中級氷魔法を取得しようかな。

『中級氷魔法』の方をタッチしてスキルを取得する。

「これでいいのか?」

使える魔法は……『フリーズ』『アイスバレット』『アイスウォール』『範囲凍結』か。

試しに使ってみるとしよう。

「えっと、『フリーズ』!」

すると、俺の周りの草が凍り始めた。

「ふむ。弱いな、うん。じゃあ次は・・『アイスバレット』!」

目の前に氷の塊が現れ、狙っていた岩に向かって一気に放たれ、当たったと同時に岩は凍りついた。

「おぉ〜。あ、これってファイアーボールみたいに魔力をもっと込めたら大きくなったりするのかな?」

試しにやってみようか。えっと、込める魔力をさっきの2倍くらいにして。

「『アイスバレット』!」

すると、先程の2倍ほどの大きさの氷の塊ができて、先程の岩へと向かっていく。

ドガーーン!!

「うわ、マジか」

なんとその氷の塊は岩を砕き、どこか遠くへ飛んで行った。

さて、あとは『アイスウォール』と『範囲凍結』か。よし!

「『範囲凍結』!」

ピキピキッ!と音を立て、適当に指定したエリアにちょっとした氷山ができた。高さ2mに半径10mといったところか?

「ふむ、これはなかなか強いな」

さて、最後にアイスウォールか。

「『アイスウォール』!」

唱えた瞬間したから氷の壁が地面からでてきた。

「うん、これも使えそうだ」

さて、確認すべきスキルはこれくらいかなと思い、ステータスを改めて見る。ドラゴンスレイヤーは分かるとして、よく分からないスキルがあった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ツインマジック

初級魔法を同時に発動することで習得可能。

初級魔法に限らず、全ての魔法を同時に発動することができるようになる。(片手で1つづつ)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

おぉ、これは凄いなー!

汎用性高いスキルだ。よし、やってみよう!

「なにを使おうかな……まあ、なんでもいいか」

手当り次第にやってみることにした。


ん?寝ていたのか?寝る前はまだ昼間だったはずだが、今は夕方だ。

体を起こし、辺りを見回す。あ、そういえばそうだった。俺は寝てたんじゃない、調子に乗って魔法を乱発してるうちに魔力切れになって気を失ってたんだ。

「はは、流石にやりすぎたな……」

辺りを見回すと、所々に小さめの氷山や氷の壁。氷魔法は使い終わっても氷が残るようだ。

さて、帰ろうか。氷はそのうち溶けるよね?



「ふあぁぁ、はふぅ」

盛大に欠伸をしつつ、今日やる事を思い出す。

宿を出るための支度は昨日したから、あとは銀貨を返してもらう。その後ギルドに行って旅に出る。こんな感じかな?

部屋を出て、受付の人に払い戻しをしてもらう。

「えっと、エキューラさんは七日の予定のところ、二日間泊まりましたから、5日分ですね。はい、どうぞ」

銀貨5枚を受け取る。うん、間違いなさそうだ。

「いい宿でした。また機会があったら来ますね」

「はい!その時はお願いします!ありがとうございました〜!」

宿を出て、向かいのギルドへ向かう。さぁ、行こう。

「おはようございま〜す!」

「あ、エキューラさん!逃げてください!!」

え、なに?なんで?なんで俺入ってそうそう逃げろなんて言われてんの?

「え!?エキューラさん!?」

「あ!ホントだ!エキューラさんだ!」

ドドドドドと周りの人々は俺に走ってきて、俺は為す術なくギルドの壁の隅に追い詰められた。

「エキューラさん!ドラゴンを倒してくれてありがとうございました!」

「あの時、あんたが水魔法で道を作ってくれてなかったら俺はとっくに死んでたよ、ありがとう」

「あの!ラバスニ王国の記者の者なのですけど、ドラゴンを倒した時の状況を詳しく教えて貰ってもいいですか!?」

その後も、ありがとう,凄いな,どうやったの…etc。

ダメだ。これ以上は我慢できない!

「あの、みんな、おち、落ち着いてくださいよぉ」

我慢できず、泣いてしまう俺。ちょっと前、ゲーム内でギルドを作った時の状況に似ていたため、かつてのトラウマがよみがえってしまった。

「はいはい。皆さん落ち着いてくださいね」

パンパンッと手を叩く受付の人。その甲斐あって周りの人々はありがとうと一言いって去っていった。

「うぅ、ありがどうございばずぅ」

「うん、もう大丈夫だからね。みんな帰ったからね、よしよし」

頭を撫でられてしまった。俺もういい歳なのに……。


「それで、さっきはなんでああなったんですか?ドラゴン倒してくれてありがとうって言ってたけど」

まさかもう発表したのか?昨日の今日だぞ?

「実は、今日の朝早くにこのギルドに来て、こんな紙を掲示板に貼っていったんです」

受付の人に促され、首を向ける。そこにはこんなことが書かれていた。

《先日のレッドドラゴンは黒髪の少女が討伐!?その名はエキューラ!》

記事の見出しから目を逸らしたくなるほどだった。頑張って内容を見る。

やれ、迫るドラゴンに怯みもせずに首を両断!だの。やれ、己の欲より恩返しの人格者だの言われたい放題だった。

まぁ、発表してくれと入ったんだけどさ。もうちょっと時間かかると思うでしょ?普通は。

「はぁ、早くこの国から出た方がいいのかな……」

「そうした方がいいですよ。さっきまでいた皆さんはたまたまここにいてエキューラさんを見つけただけですので、きっと国民のほとんどがさっきみたいな反応をすると思いますよ」

「は、はは。それは凄いですね…では、もう行くことにします」

「はい、分かりました」

「あ、そうそう。まだ受けとっていない大金貨を受け取りに来たんですけど、大丈夫ですか?」

「はい大丈夫ですよ。はい、お疲れ様です。」

レジみたいなところから大金貨を1枚取り出し、手渡してくれる。

「確かにもらいました。それでは、またきっと来ますね」

「分かりました。その時をお待ちしております」

出入口の前で礼をし、外に出る。


「はぁ、つかれた……」

あの後が大変だった…。1人に見つかったらえキューラさーん!って叫ばれ、すぐに人が集まって、それを撒いてファイズ行きの馬車まで向かうという繰り返し。これを4セットくらいやった。

だが、その甲斐あって現在ファイズ行きの馬車の中。もう誰も追ってこない。勝った……

確か、ファイズまで3日の予定だったっけ?

そう考えていると、疲労からなのか眠くなってきた。

(ダメだ…眠い…)

がたんがたんと揺れる馬車。まるで電車に揺られてるようだった。その揺れの心地良さもあって、俺は眠りについた。

みでぐれでありがどうございばずぅ( ᵒ̴̶̷̥́ ^ ᵒ̴̶̷̣̥̀ )

あ、誤字・脱字があったら教えてください!

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