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12話 この頭でっかち!

誤字・脱字があったら教えてください!!

さて、突然ですが問題です。私は今どこにいるでしょうか!!正解は〜?

「なぜ貴様のような小娘がこんな所に呼び出されるのか。謎でしかないな」

「さっきから言っているでしょ?ドラゴンを倒したのは私だって。きっと王様はそんな私にご褒美をくれるんじゃないかな?」

「そういう事にしておいてやる」

「ここです。着きましたよ」

ひとつの部屋の、とても大きい扉の前で案内の人は止まる。

「それでは、私はここで待っていますね。何かあったら呼んでください。あ、お連れの方はここで待っててくださいね」

「分かった。おい、失礼のないようにな」

「分かってますよ。それでは行ってきます」

ゴォオという音を立てて扉が開く。

俺は部屋の中に入り、中央まで来るとすぐ片膝をつき右手を心臓部分にあてる。

「おぉ、来たか。わしの名はラバスニ・リドル・ライドじゃ。よろしくな」

「初めまして、ライド王様。私はエキューラです。私になにかご用でしょうか?」

――――正解は、王城でしたー!

まぁ、なんでこんなとこにいるんだって思うよね〜。

それは、約3時間くらい前のこと……



「いい加減言ったらどうだ!お前がドラゴンを倒れる訳ないだろう!では、誰が倒したのだ!」

「だーかーらー!ドラゴンを倒したのは私だって言ってるでしょ!この頭でっかち!」

「意味のわからんことを言うな!はぁ、フィックさんがいればこんな面倒なこともないと言うのに…」

「ホントそうですよねー。ちょっと連れてこれないですか?」

「行き先がわからんし、あの方は気まぐれで行動している。たとえ見つけても動いてくださらないだろう」

「へぇ〜。では、ちょっとした賭けをしませんか?」

「ほぉ?言ってみろ」

「不思議なことに、ここに1枚の大金貨があるんですよね〜」

鞄から1枚取り出し、見せびらかす。

「それでどうしろと?」

「恐らくフィックさんはフレカ村という所にいます。それで連れてきて欲しいんですよね〜?まぁ、いないかもしれないですけど」

「いたとしても、来てはくれないだろう?」

「エキューラが泣きながらフィックさんを必要としていると伝えれば飛んできてくれると思いますよ」

「どこにそんな自信があるのやら…」

「初対面で結婚してくれと言われました。まぁ、特に何も考えもせず断りましたが」

「あぁ、うん。色々大変だったんだな…」

「まぁ、そういう訳で来てくれるかもしれないってことです。もし来てくれなかったら手間賃としてこの大金貨を差し上げましょう。来てくれたらダメです」

「それで、俺たちに何を求めるんだ?」

「特に何もいりません。どうですか?あなた達はノーリスク・ハイリターンですけど」

「ふむ、いいだろう。おい!誰かいるか!」

しばらくして男の人が入って来た。

「何かありましたか?」

「今すぐフレカ村に行ってきてくれ。そして、そこにいるかもしれないフィック様に伝言を頼む」

「分かりました!それで、なんて伝言をすればいいでしょうか」

「『エキューラが泣きながらフィック様の帰りを待っていらっしゃる』と伝えてくれ。では、頼んだぞ」

「は!」

そう言われこの部屋から去っていく。

「そういえば、フレカ村までどれくらいかかるのだ?」

「馬車で2〜3日ほどですよ」

「そうか。では、あと5日ほど待てばその大金貨が貰えるのだな?」

「いいえ、あと5日ほど待てば私はドラゴンを倒したと証明することが出来るでしょう」

「ふん!そんなことを言ってられるのも今のうちだ。あの方の気まぐれさを知らないのか」

「というと?」

「今から2年ほど前、魔物の大群がこの国に攻めてきたことがあったのだ。この国の危機となれば、賢者様も動かなければならなくなる。それは当然と言えよう。なぜなら賢者様はこの国で最強の方なのだから。だと言うのに……だと言うのにあいつは!」

「お、落ち着いてください!」

フィックさんの呼び方があの方からあいつに変わってる…何があったんだ?

「ふう、すまん、少し取り乱した。あの方は集合時間に戦場に現れなかった。だが、あの方の遅刻は当たり前だ。その時は皆すぐ来るだろうと思ってた。だが、ついに最後まで来なかった…」

うぉい!!

「えっと…なんでかはわかったのですか?」

「あぁ。終わったあと、あの方に問い詰めたから間違いない。なんとあの方は―――」

その時、ガチャッとドアが開いて、1人の騎士が入ってきた。

「すみません。今大丈夫ですか?」

「あぁ。何かあったのか?」

「えっと、外に王宮騎士団の方がいらっしゃってまして。その、黒く長い髪をした女性はいるか?とのことで…」

「ふむ、黒く長い髪か……」

黒く長い髪の女、か。ふむ、そういえばこの国には黒い髪をした人がいなかったような気がする。目の前の隊長さんだってベージュ系の色だし。

ん?隊長さんが俺を見てる?

「はぁ、お前は何をやったんだ?王宮騎士団に呼ばれるって相当だぞ?殺人でもしたのか?」

「する訳ないじゃないですか!」

「だが、この国。いや、この世界で黒髪なんてほとんどいないぞ?」

「そ、そうなんですか?」

「あぁ。稀にそんな子供が産まれるらしいが、そんなの5万人に1人くらいだ。他には勇者様っていう可能性もあるが、お前みたいなやつが勇者様なわけも無いしな」

クッソこのオッサンなんか腹立つ!

「あ〜、お城に行った事ないなー。チラッ?行く途中で襲われたりしないかなー?チラッ?誰かついてきてくれないと行きたくないなー。チラッ?」

「嫌だ。めんどくさい」

「なら嫌だなー、行きたくないなー。あ、王宮騎士団の方に怒られちゃうかも?まぁ、引率を拒んだため行かなかったってことは隊長にも責任があるかもしれないんですけどね〜」

「チッ!分かったよめんどくさい!」

よし、まきぞえ作戦大成功!

「それじゃあ、騎士団さんのところに行きましょうか」

とても嫌そうな顔をしている隊長さんの手を引いて玄関へ向かう。

「それで騎士団さん。私に何の用ですか?」

「黒く長い髪の女性、あなたで間違いなさそうですね。王様がお呼びですので、何か用事がなければ同行お願いしてもいいでしょうか?」

「はい、分かりました」

「そちらの方は?」

隊長さんを見ながら聞いてくる。

「俺はただの赤の他にn」

「私の付き添いです!」

「そうでしたか。それでは行きましょうか」

そして俺たちは王城へ向かった。



〜冒頭へ戻る〜


「初めまして、ライド王様。私はエキューラです。私になにかご用でしょうか?」

「まず、この国を救ってくれてありがとう」

いきなりお礼を言って、頭を下げる王様。

「えっと、状況が把握できないんですけども」

「おっと、すまない。まずどこから話そうか」

「ゆっくり話してもらっても大丈夫ですよ」

「では、まずはわしのスキルから話そうか。わしのスキルのひとつに千里眼というものがあるんじゃ。そのスキルを駆使して作戦を立てたり、戦場を見守ったりしているんじゃ。今回のドラゴンのことも然り。言いたいことはわかるか?」

「えっと、つまり私がドラゴンを倒したと証明できたってことですか?」

「そういうことじゃな。他にも、お主が国宝の剣を勝手に借りてったことも知っておるぞ?」

「あはは……まぁ、その件は置いておきましょうよ」

剣と件がダジャレっぽくなっているのは偶然だ。うん。

「ふむ、まぁいいか。改めて、ドラゴンを討伐してくれてありがとう」

「いえいえ、当然のことをしただけですから」

「それで、なにかお礼をしたいのだが、何か欲しいものはあるか?」

欲しいものか〜。あ、一つだけあるか。

「では、可能であればなんですけど、あの国宝の剣を貰えませんか?」

「ふむ、別にいいのだが、あれでいいのか?貴重な魔石を使っているから国宝と呼ばれているが、その性能は燃えつきないと言うだけだぞ?」

「大丈夫です、あれが欲しいんです。お願いします!」

「わ、分かった。わしとしては別に無くなったって困るものでもないからの」

「ありがとうございます!やったー!」

「ちょっと待っておれ」

よいしょとライドさんがどこかへ向かっていく。

「ほれ、これじゃろう?」

持ってきてくれた剣を見てみる。うん、昨日の紅蓮の剣だ。

「ありがとうございます!大事に使います!」

やったー!紅蓮の剣、GETだぜ!!

みでぐれでありがどうございばずぅ( ᵒ̴̶̷̥́ ^ ᵒ̴̶̷̣̥̀ )

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