11話 国宝ちょうだい!
短めですm(_ _)m
誤字・脱字があったら教えてください!!
「ドラゴンが、ドラゴンが出たぞー!!」
そう叫んでいる男の上空には赤いドラゴンが、グォォォォ!!と雄叫びを上げていた。
「なに!?ドラゴンだと!?」
「何でこんなとこに!」
「おい、あれってレッドドラゴンじゃないか!?」
レッドドラゴン?なんだそれ?強そうではあるけど。ちょっと聞いてみようかな。
「あの、レッドドラゴンってそんなにやばいんですか?」
「お前、レッドドラゴンを知らないのか!?アイツは竜種の中でも最も凶暴なヤツで、ひょこっと現れては村や国を壊すんだ!アイツに壊された国は片手では数えきれないほどだぞ!」
うわぁ、そんなヤバいやつなのか…
「ちくしょう…俺達も、この国ももう終わりだ」
う〜ん…とりあえず鑑定してみよう。魔物ならどれだけ強くても見れるんだよね?
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レッドドラゴン Lv48 素材:鱗,牙,爪
HP16554/16554
MP5071/5071
攻撃力:3965 防御力:5686
素早さ:160 魔力:650
物理攻撃には強いが、魔法による攻撃に弱い。
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へぇ、弱点みたいなのも見れるんだ。それにしても、何こいつ?パラメータおかしくない?Lv48でこれだよ?どうすればいいんだよ…
「グォォォォ!!」
ドラゴンが近くの家の屋根に降り立ち、ブレスで辺りを炎で包んだ。
くそ!これじゃあ、これじゃあ!
(大会が中止じゃねぇかー!!)
どうしてくれるんだあのドラゴン!アイツのせいで俺の剣が作れなくなっちまうかもしれないんだよ!今からでも遅くないか?よし、早く倒そう!
ダッと走り、ドラゴンのいる場所へと向かう。
しばらく走ってくると、ドラゴンの近くまで来た。
「きゃーー!」「助けてくれー!」「まだ死にたくない!」
ドラゴンの近くは、地獄のようだった。
四方八方を火に囲まれ、人々は逃げることも出来ずにただ焼け死ぬのを待つことしかできていなかった。
(くそ!早くしなきゃみんな死んじゃう!)
水魔法を使い、通路を作る。
「みんな、早くこっちに来て!」
俺の声に気づいたみんなは次々と避難を始め、ありがとう、助かった。と、お礼を言ってくれた。
さて、こっちも頑張らないと!
「ふぅ、やっと着いた。」
ようやくドラゴンの背後へとたどり着いた。
さて、やりますか!
ドラゴンと戦おうと思ったその時、重大なことを思い出した。
「あ、武器ない…」
鉄の剣を売ったとき以来、俺は武器を買っていなかった。
どうしようどうしよう、黒炎刀が使えないじゃん!
竜の息吹を使ってもいいが、あれは竜が使うブレスと同じだ。それが竜に効くとはちょっと考えずらい。
とりあえずやれることはやろう。俺がやるのは時間稼ぎ。恐らくではあるが、今はドラゴンの討伐隊が編成され、ここに向かってきているだろう。それまで時間を稼いで討伐隊の持ってる剣をうば……少し借りて黒炎刀で倒す!
よし、そうと決まればやりますか!
ドラゴンが俺に気づいたのか、尻尾で俺めがけて薙ぎ払ってきた。
「遅い遅い!」
素早さ160のお前が素早さ226の俺を捉えれると思っているのか?
その後も何度も尻尾を避け続けていると、痺れを切らしたのかこちらを向きブレスを放とうとする。
よし、それを待ってました!
超加速を使い、素早くドラゴンの顎までたどり着く。
「ちょっと口を閉じなさい!!」
ドラゴンにスカイアッパーをして、強制的に口を閉じさせる。
すると、出口を失ったブレスのエネルギーはドラゴンの体内で膨張し、爆発を起こした。
よし、鑑定!
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レッドドラゴン Lv48 素材:鱗,牙,爪
HP9698/16554
MP4866/5071
攻撃力:3965 防御力:5686
素早さ:160 魔力:650
物理攻撃には強いが、魔法による攻撃に弱い。
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よし、結構ダメージが入ってる!あと2回やれば勝てるはずだ!
ギロっとこちらを睨むドラゴン。さすがに怒ってるようだな。
「グォォォォ!!」
雄叫びを上げ、踏み潰そうとしたり、爪で八つ裂きにしようとしたり、尻尾で薙ぎ払おうとしたりと、次々と攻撃をしてきたが、先程のダメージが効いているのか攻撃速度が遅くなっている。
ドラゴンが踏み潰そうとしてくるので、それをジャンプしつつ周りを確認してると、少し遠くに討伐隊らしき団体がこちらに向かってきていた。
「レッドドラゴン君。ちょっとまっててね!」
ドラゴンが地面を思い切り踏んだことによって起こった土煙に紛れ、その場から離れる。
「おーい!討伐隊のみなさーん!」
声を出すと、1番前の隊長らしき人が口を開いた。
「なんだ君は!早くここから離れなさい!」
「ちょっとあなたの剣を貸してくれませんか?少しだけでいいんです。そう、少しだけ」
「何を言っている!早く避難しなさい!近くにドラゴンがいるんだぞ!」
うーん、貸してくれないか〜。まぁ、そりゃそうか。不審な人が急に現れて剣を貸してくれって言われて応じた人の方がおかしい。
「はぁ、分かりました。それでは、奪わせて頂きますね?」
手加減して走ると、思った通り、反射的になのか隊長らしき人が剣を抜いた。
剣を抜いたと同時に全力で走る。
「なっ!?」
その速度の緩急に追いつけなかった隊長の剣を奪い、そのまま走り去る。
「それじゃ、借りてきますねー!」
「おい、まて小娘ー!!」
後ろから声が聞こえたが、無視無視。
急いでドラゴンの元へ戻ると、アイツは俺を探しているのか手当り次第家を破壊している。
「おーい、こっちだぞノロマー!」
俺に気づき、雄叫びを上げて爪で攻撃してくる。その爪を避けてドラゴンの腕の上に乗り、超加速を使い一気に首元まで走る。
「これで、終わりだー!!」
黒炎刀を使い、ドラゴンの首を焼き切る。首が地面に落ちた音が辺りに響き、それと同時に胴体も倒れた。
「ふぅ、終わったー。ん?」
ふと、手に持っていた隊長の剣に目がいった。
(あれ?溶けてない?)
気になったので鑑定してみる。
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紅蓮の剣 レア度7
武器スキル:火炎切り
耐火の魔石を材料にされてる剣。あらゆる炎に耐える。
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えぇー!?これってあの魔石使われてたの!?
「おい!見つけたぞ小娘!!早くそれを……ってドラゴンが死んでる!?何があったんだ!?」
「えっと〜、私が倒しました…」
「嘘を言うな!お前のような小娘が倒せるわけないだろ!」
「え〜、嘘ついてないんですけど……」
「ふん!なんでもいいがそれを返しなさい!」
え、やだ〜…って言ったら更に怒りそうだな〜。仕方ない、返すか。
ポイっと投げて渡す。
「おっとっと!あ、危ないじゃないか!これは国宝なんだぞ!?」
え、そうなん?
「全く、最近の若い者は物を大切に扱えんのか」
うわ〜、イラッと来るわ〜…はぁ、もういいや。
「それじゃ、私は帰りますね」
宿に帰ろうとした時、肩を掴まれた。
「おい、待たんか」
「なんですか?泊まってる宿と電話番号なんて教えませんよ?」
「何を言ってるか知らんが、お前には騎士団の詰所まで来てもらう」
「え!?なんでですか!?」
「当たり前だろう!?お前は国宝を堂々と奪っていったんだぞ!」
えぇ〜、いいじゃん別にー。ドラゴン倒せたんだからさ〜。
「ていうか、なんでドラゴン討伐に国宝持ってくのさ」
「鉄の剣ではやつのブレスで溶けてしまうから、決して溶けない剣が必要だったのだ」
へぇ、そうだったんだ〜。
「ところで少しいいですか?」
「なんだ?」
「あの剣ください!!」
「ダメに決まっているだろう!?」
ちぇ、ダメかー。
みでぐれでありがどうございばずぅ( ᵒ̴̶̷̥́ ^ ᵒ̴̶̷̣̥̀ )




