10話 ゴブリン(笑)
誤字・脱字があったら教えてください!
門に向かってる途中、ふと思った。
(あ、そういえば自分って鑑定できるのかな?)
自分の手を見ながら鑑定してみる。
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Lv32 Fランク冒険者:パーティ未加入
HP135/135
MP189/189
攻撃力:185 防御力:121
素早さ:226 魔力:234
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おぉ、見れた。ステータスでは見えない細かい所まで知れるのか。あれだけの大金を使ったかいがあったってもんだ!名前やスキルを知れないのはまぁ仕方ない。そこまで知れたらちょっと怖いわ。
「んじゃ、そろそろゴブリン退治に行きますか」
やっと見えた門をくぐり、森の中に入る。
「さてと、ゴブリンさんはどこかな〜?」
辺りを見渡しても特になにもない。
こういう時に探知って役立つよね。
早速発動すると、20くらい反応があった。
「お!ゴブリンの群れかな〜?」
ゴブリンは個体が弱いため、群れで活動することが多いと聞く。
フレカ村の近くに一体ずつしかいなかったのは、そもそも群れを作れるほどいないかららしい。
(20もいたら、一気に依頼達成だ!)
ダッ!っと走って反応がある場所まで向かう。
目的地に着き、そこで見たものは複数の倒れてる騎士と、一人の女性を囲んでる複数のイカつい顔をした男たち。
はぁ、ゴブリンじゃなかったよ…。もうコイツらがゴブリンって事にしようかな?大丈夫、顔のイカツさは同じくらいだからバレないはず。
なんて事を考えていたら一人の男が俺を見つけた。
「おい!何見ている!」
へえーいまのゴブリンはしゃべるんだなー。
まぁ、とりあえず鑑定してみよう。
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Lv7 盗賊
HP42/42
MP26/26
攻撃力:36 防御力:28
素早さ:19 魔力:8
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うわ、よわ…。よく見たらここにいるゴブリン(?)達もこれくらいのパラメータだ。
「へっへっへっ、見ちまったもんは仕方ないな〜?見たとこかなりの美人だから、たっぷり遊んでから奴隷商に売り飛ばしてやろうか?」
うん、やっぱゴブリンだな。ゴブリンってそういう事好きって感じだし。
「おい、さっきからなんで黙ってんだ?もしかしてチビっちまったか?ギャハハ八!」
「はぁ、うるさいな〜このゴブリン達は。群れだからって調子乗ってるのかな?」
「んだと!?誰がゴブリンだ!俺たちゃ朱の盗賊団だぞ!」
あ、口に出ちゃった。まあいっか。
「垢?臭そうだね。まぁ、魔物はお風呂入らないから仕方ないか。あ、寄らないでくれる?臭いが移ったらどうするのさ」
「て、てめぇ!おい野郎ども!かかれぇ!」
約20ほどのゴブリン(?)が一斉に襲いかかってくる。
うーん、俺の攻撃力が180くらいだったっけ?それで相手の防禦力が30くらいか。殴ったら死にそうだから、・・・デコピンでいいか。
相手が遅かったので、こちらから近づき一人一人にデコピンをする。
「ぐあ!」「ぎゃ!」「ぐっ!」
するとみんな1mほど吹っ飛び、倒れて動かなくなった。
え〜、デコピンだよ?なんで気絶してるの?はぁ、素材がどこかが鑑定で出てこないからわからないしな〜。どうしよ?もう引きづって行こうかな。
あ、縛るのないや。
「あの!ちょっといいですか?」
「ん?あぁ、さっきゴブリンみたいなのに囲まれてた人?犯されなくてよかったね」
振り向くと、見知らぬ金髪でロングヘアーの美少女がいた。
「変な事を言わないでください!それと、助けてくれてありがとうございました!」
助けたつもりはなかったんだけどな〜。
「どういたしまして。それで、名前はなんて言うの?」
「あ、はい。私はレアリィ・レイアって言います」
「じゃあレアリィさん。コイツらの処分任せてもいい?」
「え!?嫌ですよ!私の護衛がみんなやられちゃったんですよ!」
(う〜ん。あ、そうだ。)
土魔法で大きめの箱と、それに合う蓋を作り、その中にポイポイと盗賊(笑)を投げ入れて蓋をする。ついでに蓋が取れないように氷魔法で箱と蓋の間を凍らせて外れないようにする。
「これでよし。それじゃあ私は行くね、帰りは気をつけてね〜」
さて、ラバスニに戻るか。
箱を持って歩きだす。
「あ、行っちゃった…。まだ名前聞いてないのに」
あの謎の女性が歩いていった方向を見る。
「うぅ、はっ!レアリィ様、大丈夫ですか!?」
どうやら護衛の人達が起きたらしい。
「はい、私は大丈夫ですよ。とある方に助けてもらったんです」
「それは良かったです!それで、その方は?」
「もう行ってしまいました」
「そうですか…では、先に進みましょうか。他の者も起こすので」
「はい」
「ふぅ、やっと着いたー!重いんだよこの箱!途中から箱の中がうるさいし!」
現在ラバスニの前。あとはこの門をくぐってギルドに行くだけだ!
「よし、行くか」
そう意気込んで再び歩き出そうとする。
「おい!その中に何が入っている!」
はぁ、なにこれ?デジャブ?
「えっと、なんだっけ、朱の盗賊団?だったかが襲ってきたんで捕まえて来ましたー」
「な、なに!?朱の盗賊団だと!?」
「知ってるんですか?」
「知ってるも何も、ここらで有名な盗賊団だぞ!構成員は20名ほどで、その全員がLv7以上のヤツらだ!」
え、そんな有名なの?あんな弱かったのに?
そういえばこの門番さんって鑑定できるのかな?門番っていうくらいだからそこそこ強いと思うんだけど。
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Lv6
HP33/33
MP9/9
攻撃力:29 防御力:24
素早さ:15 魔力:3
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よわ!これで門番が務まるの?!
「あの、それでコイツらどうすればいいですか?」
「はぁ、ギルドに連れてけ」
なんかため息つかれたんだけど…まぁいいか。
許可がおりたので早速ギルドに向かう。途中すごい見られたけど気にしたら負けだ。
「ただいまー」
「あの、ここはギルドであってあなたの家では無いのですけど…それで、その箱?みたいなのはなんですか?ちょっとうるさいんですけど…」
「あぁ、これですか?まぁ、ちょっとした盗賊団ですよ。縛るものがなかったのでこうしました」
「あぁ、はい。お疲れ様です」
「それで、コイツらどうすればいいですか?」
「こっちで預かります。今台車を持ってくるのでそれに乗せてください」
「わかりました」
さて、台車が来るまでなにしてよう。
「おい小娘!そこにいるのか!」
「ん?いるよ〜」
「早くここから出しやがれ!八つ裂きにしてやる!」
「なんでそんな事するやつを出さなきゃいけないのさ」
「おい小娘!飴をあげるからここから出せ!」
「わ〜いやった〜!ってなるかあほ!」
「ち、もうちょっとだったのに」
「全然惜しくないけど…」
「お待たせしました。ここに乗せてください」
「わかりました。コイツらをお願いします」
箱を代車に乗せると、受付の人がどこかへ持っていく。
あ、そういえばゴブリンの依頼やってなかった!
戻ってきた受付の人に報告しに行く。
「あの、もうひとついいですか?依頼の報告なんですけど」
「はい、ちょっと待っててください。えっと、ゴブリン10体の討伐ですね」
「その依頼なんですけど、すみません。失敗しました」
「あぁ、この依頼は失敗しても特にペナルティはありませんよ」
「え、そうなんですか?」
「はい。この依頼は常設依頼といって、常に貼ってあるんです。駆け出しの人達がこの依頼ばかりやる為ゴブリンがもうこの辺りにいないんですよ。ですからこの依頼は失敗しても何もありません。ゴブリンがいる方が稀なんですよ?」
なんだそうだったのか、よかったよかった。
「わかりました。それでは失礼します」
「はい、これからも頑張ってくださいね」
そうして俺はギルドを後にした。
ふぅ、なんか久々な我が家な気がするなー!
部屋に入って早々ベットにダイブする。
そういえば今日大会がある日だったかな?勝てるだろうか…。
まぁいい、今は体を休めよう。
俺は着替えもせずに眠りについた。
その日の夜
「さぁ!今年もやってきました、武闘祭!己に自信を持つ者、今こそ集うのだ!」
「「「「「うぉぉぉぉーー!」」」」」
「うぉぉぉ」
くそ、だめだ!周りのテンションについていけねぇ!
「ルールは簡単!場外に落とせば勝ちのトーナメント!優勝者にはなんと国王陛下から知恵を授かることが出来る!さぁ、気になるトーナメント表は?こうだ!」
トーナメント表が開示される。えっと、俺はどこだ?あ、あった!第1ブロックの最後か〜。まぁいっか。トリっていうのが緊張するけど甘んじて受け入れよう。
「さぁ始まりました、第1試合!この勝負で勝つのは―――」
「さぁ、第1ブロックはこの試合で最後だ!南側にいるのは今年で30歳の現役Cランク冒険者!北側にいるのは今大会唯一の女冒険者!ちなみに今年冒険者になったそうです!」
ワァァァァァ!!と歓声が上がる。
ふむ。相手はCランク冒険者か、鑑定してみようかな。
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Lv23
HP109/109
MP30/30
攻撃力:113 防御力:99
素早さ:78 魔力:36
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う〜ん、Cランクでこれくらいか。
「おいおい嬢ちゃん大丈夫か?俺が代わってやろうか?」
「おいラディ〜。殺すなよ〜!」
あーもう、野次馬がうるさい!
「それでは勝負、始め!!」
開始の合図と共にラディと呼ばれた男が走り、殴りかかってくる。
(あの盗賊たちよりは数段速いな)
まぁ避けますけど。
体をひねり拳を避け、お返しにラディの額にデコピンする。
「ぐあ!」
まさか反撃されると思っていなかったのか、体がよろけるラディ。その隙を見逃さず懐に入り込み手加減パンチを繰り出す。
「ぐ!く、そぉ……」
ラディはバタッと倒れ、ワァァァ!と歓声が上がる。
「まじかよ!あいつラディを倒したぜ!」
「いやいや、手加減したんだって!あいつは優しいやつだからな」
むぅ、勝手に色々と考察されてる。
「第1ブロックは終了だ!これから第2ブロックの始まりだー!」
うぉぉぉぉーー!と歓声が上がった時だった。
「た、大変だ!!ドラゴンが、ドラゴンが来たぞ!!」
一人の男がそう叫んだ瞬間、グォォォ!!と、なにかの雄叫びのような声が聞こえた。
みでぐれでありがどうございばずぅ( ᵒ̴̶̷̥́ ^ ᵒ̴̶̷̣̥̀ )




