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#9 適材適所
僕と ゆうと は、明らかに体格に差があった。
ゆうと は、純日本人体格。
僕ならワンパンで沈められる相手も、ゆうと には強敵だ。
沈める方針は、いろいろあって、諦めた。
だけど、拳じゃなくても武器はある。ラケットだ。
ラケットなら、上等な防衛手段になりうる。そういう意味では防具だ。
さばき方が下手ならやられてしまうけど。
『XFLってラケットを使いな、軽くてさばきやすい』
「おっけ」
問題は、さばく技術だ。
僕には、ボクシングの技術・知識はあっても、ああいう物のさばき方はしらない。
剣道だ。
ゆうと は近所の剣道道場に通い始めた。
一応、僕に殴られたところが痛いという理由で、部活は休ませた。
ボール処理の勘が鈍るかもしれないが、サーブレシーブができればそれでいい。
ラリーは僕が全部何とかする。お前は、沈まないように自分を守ればいい。
それから、1ヵ月がたった。
僕と ゆうと は正式にレギュラーペアになっていた。