#6 決定打
さて、今日は土曜日。ゲームの日だ。
僕は先週、頭をケガして終わったから、今日は一定の成果を得たいな。
いよいよ僕の番だ。
ペアは、先週と同じ さとし。
トスで、サーブ権を得た。
自分でいうのもなんだけど、僕のサーブは相変わらずすごい。
ここまでは先週と同じだ。
さとし のサーブ!ファーストが入った!ラリーが始まる!
レシーバーは!?レシーブをした!ネット近くの前衛はラケットでやりあっている。
レシーバーは僕の動きを見ているな。走ってこない。注視しているのがわかるか。
真ん中「センター」をブチ抜いてやる!
「おおおおお!」
成功だ。普通にボールを試合で打ったのは初めてかな。
地面に並行で、速い球、「シュート」が決まった。最高だ!
ここで気付いた。
みんな、格闘方面に必死で、ラリーに慣れていないな?
痛いのはイヤだもんね。わかる。
だから、やられるまえにやる。守ってるんだ。
4点先取して、1ゲーム目は難なくとれた。これをあと3回しなきゃいけない。
「セブンゲームマッチ」と言って、7ゲームあるから、先に4ゲームとれば、それでいいんだ。
というわけで、2ゲーム目。さっきはサーブを打つ側「サーバー」だったけど
こんどは返す側「レシーバー」だ。
相手からサーブが、まだ放たれていないが、相手のサーバーじゃない方「前衛」がネットを超えて僕めがけて走ってきた!
知ってたよ。
他の人の試合を見る限り、それがセオリーだ。レシーブさせないためにね。
それを承知で、僕らは「レシーバー潰し」をしなかった。
やるなら、正々堂々、勝ちたいしね。
でもこれは、正々堂々といかなさそうだぞ。