#4 決意
さて今日は、練習試合だ。
傷が開くので、ぼくの出番は、今日はなし。
空気がよめないということで、審判もしない。
退屈だあ。ぼくならこのなかで「ソフトテニスがうまい」自信がある。
そう、ただの「ソフトテニス」ならね。
だけど、この「ソフトテニスのようなスポーツ」は強くないらしい。
あの無法地帯は、うち だけではなかったようだ。
よそ とやる練習試合でも、ラフプレーが当然のように横行している。
審判はもちろん無言。顧問や監督の先生もだ。
なんでだ。
昼休憩で、ちょっとなかよくなったタメと話す。
『なんでみんな何もいわないの』
「それがあたりまえだからだよ」
なんじゃそりゃ。
練習試合も終わり、家で めい とテレビでユーチューブを見る。
「天皇杯」と言われる試合や、全国大会の動画があったから、見てみた。
審判が多い。
コートのラインごとに、審判がいるではないか。
めい「普通のテニスとあまりかわんないね。これで、あんなぼろぼろになるなんて。松岡修造でもいるの?」
『いたみたいだね』
めい「熱くなりすぎて死なないでね」
『意味わかんない』
もう、とっくに熱くなってるよ。
全国で、まともにソフトテニスで勝ち上がるには、
まずこの地域の「ソフトテニスのような総合格闘技」で勝ち上がらなきゃいけない。
まだ入院してる、ゆうき のためにも、勝って勝って一番になってやる。空気を読まなくてもいいようにね。
「僕」は、絶対に勝ち上がってやる。