#3 激闘のはてに
うう、まだ頭が痛い。
ガンガンするというよりかは、傷口がヒリヒリする。
頭は皮が薄いようで、すぐ切れるらしい。
それにしても、なんて部活だ!
審判は何も言わない。弱い人が審判をやるというから、
負けたぼくが、あのあと審判をした。
ネット超えた時点で、「イエローカード」出してやったよ!
そしたらどうなったと思う?
「空気を読め」だってさ!
即審判交代だよ。意味わからない。
今は病院にいる。縫うほどのけがではなく、細いテープを何枚もはられて、これでOKらしい。
なんなら部活中に血は止まったけどね。
家に帰り、ぼくの姿を見た めい が泣いて「病院に行け」というから、仕方なく来た。
あんなに泣いているのを見たのは、初めてだよ。
心配かけちゃったなあ。
ちなみに、めいは血が繋がっていない。めい の髪と目は黒い。ぼくとは全然違う。
けど歳は同じだから、周囲からは、双子扱いだ。
家族とは誰とも、血のつながりはないけど、みんなぼくを大切にしてくれている。
感謝しないとね。心配かけないようにしないと。
めい「明日も部活いくの?」
『明日は練習試合。傷ひらくから、ぼくは見るだけだよ。心配しないで』
めい「いじめられたの?」
どうこたえようか。
何を言っても、面倒なことになりそうだ。
『人に見せたくないスポーツだっただけだよ、あはは』
めい「意味わかんない」
まあこんなかんじで良いでしょう。
さて、朝。
隣の市の中学へ、ぼくら部員は電車で移動だ。