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#10 頂点はすぐそこに
ゆうと は自分だけを守り、僕は近づいてきたら格闘、そしてラリーでねじ伏せる。
非常に高いロブで時間を稼ぎ、相手を潰すという戦法も身に付けた。
そして僕らは個人戦で、関東へたどり着いた。夏。
相変わらず、決勝以外は負けた人が審判の「負け審」である。
ラフプレーの応酬。
決勝では大人の審判がラインごとにつく。正々堂々としたテニスで、相手をねじ伏せた。ゆうと もそれなりに前衛センスがある。本来のテニスは、やはりいいものだよ。
僕らはここまで全勝無敗。
そうして全国へ出場することに。
このタイミングで、ゆうき が退院をした。
部活に復帰すると皆が聞くと、暗い顔を浮かべる。
『嬉しくないの?』
「あいつは強いよ、でも」
あんなぼろぼろになるのに、強かったのか。
「ブレーキが外れているんだ」
『はい?』
そして、ゆうき と相対した。
『おまえの言ってた、人に見せたくないスポーツっての、理解したよ』
ゆうき「そっか。でも今は、もっと見て欲しくなくなったよ」
『え、なんで』
ゆうき「そら の方が強いって、思われそうだから」
そして忘れられない土曜日が来る。




