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横田さんの恋愛奮闘記  作者: 伊佐波瑞樹
7/25

作戦

あと後私と真理ちゃんは大久保君にどうアピールするかを議題に話し合った。

そして私達は重大な事に気づいた。


私、横田なつみは大久保君に認知されているのか?


真理ちゃんに指摘された時私は雷に撃たれたような衝撃を受けて固まってしまった。

え?認知されてるよね?たしかにまだ入学して一週間位だけど同じクラスだし?一応挨拶もしてるし?


そしてとりあえず大久保君と話せる環境を作ることにした今日、午前中の授業も終わり、昼休みになるもいまだにタイミングがない。そりゃそうだ、私は廊下側の最後尾の、大久保君は窓側最後尾、二人の距離は端と端だ。どうすればいいんだろう……


悩む私の席に1人の男子が近づいてきた。


「横田さーん、うつ向いてどうしたの?悩みなら俺が聞くよ?」


話しかけてきたのは島中遼という男子で髪を茶髪に染めワックスで髪をツンツンにしてる男子だ。

私は彼が苦手だ。彼の席は真ん中の列の最後尾で私が大久保君を見るたびに視界に入って邪魔だ。それになにを思ったのか私が彼を好きなのではとクラスの男子と話しているらしい。彼がいるグループらクラスでもカーストトップなので素っ気なくすることもできないのが辛い…


「んん、大丈夫だよ、ありがとう」


なので愛想笑いでいつも流すのだが彼はしつこいのだ。


「ほんと?無理はよくないよ?」

「ほんとうに大丈夫だから」

「そっか、なにかあったら言ってね!!横田さんの為なら力になるから!!」

「うん、ありがとう」


彼の相手は疲れる。力になかってくれるなら絡まないでほしい。

私は小さく息をはいてちらっと大久保君を見ると彼は本を読みながらパンを齧っていた。小さく齧る姿がなんだか可愛くて頬が緩む。


かわいい!!なんの本読んでるんだろう?

はぁー話したい話したい話したい!!


私が大久保君に癒されていると私の頭の上から何かが乗ってきた。


「なつー?顔やばいよ~!」


真理ちゃんだ。

真理ちゃんは私の席に椅子を持ってきて正面に座ると持っていた袋からパンを取り出した。私は真理ちゃんの持ってきたパンの袋を軽く見てからあることに気付きパンを口に運ぶ真理ちゃんの腕を掴んで止めた。


「なつー?どうしたの?」


私の行動を見て真理ちゃんはにやにやと笑いながら私を見ている。これは確信犯か!?


「そ、そのパン、い、一緒!!」

「んー?なんのことかな?」


私の言葉に真理ちゃんはさらに笑顔を深め惚ける。くそっ!!


「そ、そのパン大久保君が食べてるパンと同じ店のだよね!?」

「よくわかったね~」

「なんで真理ちゃんが同じ袋を?てかどこのお店!?」

「ふふ、実はね~この前の委員会会議の時に大久保君の友達の森原君と連絡先交換してたのだよ!!それで大久保くんと森原君はいつも一緒に登校して、同じパン屋に寄るって聞いたから場所を教えてもらって私も行ってきたの、時間も合わせたから二人ともいて、今日は一緒に登校してきたんだよ~」

「☆◯□△!?」


真理ちゃんの種明かしに私は言葉にならない声をあげた。

な、なぜ!?そんな情報あるなら私に教えてよ!!しかも大久保君の友達と連絡先交換っていつの間に!?


混乱し、慌てる私をものすごーくいい笑顔で見る真理ちゃん、


「落ちつきなよ、これは布石だよ」

「ふ、ふせき?」

「そう、私はこの店のパンが気に入って後日親友を誘ってもう一度行くの!!で、時間も合わせたからまた二人に会うでしょ?そこでお礼を言ってそのついでに一緒に登校、森原くんは校舎が違うから途中でさようならだし、私も朝練があるからいなくなる。そしたらなつは大久保君とふたりきり!!どうよ!」


真理ちゃんの言葉に私は涙がでそうになった。

あぁなんて便りになる親友なんだ!!

一生ついていきます!!姉御!!


私は真理ちゃんに抱きついた。


だけどなんなら今日でもよくなかったかなぁ…?

そしてそのパン少しくれないかな?


結果はくれませんでした……しゅん


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