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横田さんの恋愛奮闘記  作者: 伊佐波瑞樹
13/25

掃除

「はぁ‥」


私は昼間の居眠りの罰として教室の掃除をしていた。

1人で‥‥

今日は課外の時間はないのでみんな授業が終わった瞬間意気揚々と帰って行った。

真理ちゃんは部活があるから

「なつがんば!!」

エールだけ残して部活に行った。

だから私は今教室に1人‥

掃除が終わったら職員室に行き、キクマロに報告しなければならないからさらに気が重い


ガラッ


「え?」


いきなり教室の扉が開いた。

私が振り向くと扉の前に立っていたのは大久保君だった。


「‥‥‥」


大久保君は少し驚いた顔をして私を見ていた。

なんだろう?

疑問に思って大久保君を見ていると


「横田さん、お疲れ様、まだ終わらないの?」

「う、ううん、あとは机を戻せばおわりなんだ」


大久保君か話しかけてきてびっくりしたけどなんと返事ができた。

よかった


「じゃ、俺も手伝うよ」

「えっ!?でも、わ、悪いよ」

「いいよ、二人でやればすぐ終わるし」


そう言うと大久保君は後ろにある机を運び始めた。

私も慌てて運び始める。

しばらく無言で机を運び、ようやく作業が終わると


「ふぅ、終わるとね」


大久保君が優しく微笑みながら言う。

な、なにこの笑顔!?

この笑顔!!

私は心臓の鼓動が大きくなっていくのを感じた。


「う、うん、ありがとう」

「いいよ、じゃ、」


そう言うと大久保君は教室から出ていってしまった。

あ、もう少し話したかったのに‥‥


私はキクマロに報告をして昇降口に行き、自分の靴を取る。

その時ふと大久保君の靴箱を見ると大久保君の靴はまだあった。

あれ?帰ってなかったのかな?

私が考えていると。


「あれ?なつ?まだ帰ってなかったの?」


真理ちゃんが後ろからやってきた。


「う、うん、真理ちゃんは?部活終わったの?」

「うん!!今日は顧問が会議あるからって早めに終わったんだ!!一緒に帰る?」

「うん!!あ、でも、」

「どうしたの?」

「あれ」


私が大久保君の靴箱を指すと真理ちゃんはそちらをみて

「あ~」

と声を上げた。


「大久保君まだ帰ってないんだ」

「そうみたい、実はさっき教室に来て手伝ってくれたの」

「そうなの!!なんか話した!?」

「う、ううん、」


しゅんとする私の頭を真理ちゃんは優しく撫でてくれた。

すると廊下の方から足音が聞こえてきた。

そちらを見ると大久保君が歩いてきた。


「あれ?大久保君、まだ帰ってなかったの?」


真理ちゃんが話かけた。


「うん、図書室で時間を潰してたからね」

「図書室で?」

「そっ、和也達と待ち合わせなんだ」

「なるほど~、え?てかまさか毎日?」

「ん~、用事がないときはだいたいかな?」


図書室‥‥図書室に行けば大久保君がいる!?

これは明日から図書室に行かなければ!!

私が決意した。


「そういえばなつの手伝いしたんだって?」

「ああ、教室に忘れ物をしてね、行ったら横田さんが1人で掃除してたからすこし手伝っただけだよ、」


ふたりが掃除の件に触れたので


「お、大久保君!!さっきはありがとう!!」


つい大きな声を出してしまい、ふたりが驚いて固まる。

すると大久保君がクスッと笑いながら


「どういたしまして、横田さん、お疲れ様」


と微笑みながら労ってくれた。

大久保君が!!

私を労ってくれた!!


私は今にも天に昇るぐらい顔がにやけた。


「それじゃ、二人とも気をつけてね」

「うん、また明日ね」


大久保君はにやける私の横を通り、靴を履き替えて昇降口を出ていってしまった。

私は未だに自分の世界にいて返事ができなかった。


「なつ?おーい!!だめだこりゃ」


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