第10話 七つの大罪
「サタン……?俺はクロだ。なんなんだ、あんたら7席は俺の事を7番目だ、サタンだ。と。」
「そうか、忘れてた。マモンに記憶を預かってもらってるんだったな!」
それにサタンとかマモンってまるで、神話に出てくる悪魔じゃないか。
「俺の本名がわからねぇのもそういう事か。俺はベルゼブブ。『暴食』のベルゼブブだ。」
俺が考えたとおり、そいつは悪魔だった。
×××
「マモン……?まるで神話の悪魔のようだね。」
「その通り!俺は『強欲』のマモン!七つの大罪の悪魔さ。」
ほかの場所でも次々と死者が出る。
「うふふ、変装は得意なの。だって私、『色欲』のアスモデウスですもの♡」
「ベリアルは行かないの?私も行かないけど。」
「レヴィアタンは『嫉妬』のために動く、彼がいないと何もしないって事だね。」
「知ったような口を聞くのね、流石よ『傲慢』」
アスカが色欲、ルパンが強欲、レビィが嫉妬、アルが傲慢。
ということは彼は……クロくんとオウはいったいなんだと言うんだ。
×××
「お前は『憤怒』のサタンなんだよ、なんだ。まだ取られたままなのかよ、記憶。」
記憶を取られたまま?
どういう事だ、それにサタンって……俺はクロだ。
「お前は誰だ!オウ……じゃないのか?」
「俺は『暴食』のベルゼブブだ。オウってのは仮の名だ、他の奴らもそうだ。もちろん……お前も、な?」
「そんなわけ、そんなわけないだろ!」
オウはまるで俺の閉ざされた扉を開くように言う
「『憤怒』」と。
───そして、俺は全てを思い出す。
『憤怒』のサタンとしての全てを……。
そして、ここからが……。
大きな戦争の始まり、平和の終わり。
だがそれはまた別の話だ。
悪魔とドールと人間と────。
イブリース THE END




