▼招待状
これの元となったお話が、確か1年前に書いたものだった気がします。
それをリメイクしてみました。初投稿となり、不慣れなところもありますがお付き合いください。
ところで、女の娘って素敵ですよね。
そんな欲望を書いてみたのです。
3月30日、僕は決心した。
___大好きな"キャラ"に告白する事を!!
2月21日、黄昏時、僕は何気なくTwitterを開いてTLを監視していた。
平凡な日常、平穏な人生。つまらない…その一言に尽きる。
高校生にでもなれば、色恋の一つくらい合っても良いのでは無いだろうか?そう思っていた、思っていた時期もあった。
現実を見てみると、クラスでは明るい方だと思っている。しかし、女子は友達としてしか見てくれないのだ。
ギャルゲーとかでは、こういう存在は主人公タイプでモテモテのハーレムを築けるのではないか!?
なんて…そんなことを思っていたけれど、現実は残酷だ。
ふと、通知の音で画面に目線を下げる。DMが一件届いている。一体誰からだろう…
気になって開いてみると、『夢の世界への招待人デス!』というアカウントからだった。スパムだろうか…と思い、ブロックしようとする__…が。
その本文があまりにも衝撃的で、指が止まる。
『へい!かもん!アナタは、夢の世界 -二次元-へ行く権利を手に入れマシた!早速手続きしマスか?!
詳しくは、このURLをたっぷ!たっぷ!デスよ!』
…何だこれは。やたらテンションの高く、平仮名と片仮名の入り交じった奇怪な文面。そしてURLが添えられている。
二次元?何を言っている。行けるはずないじゃないか、幾ら諦めた事か。
確かに僕は二次元に行きたい。二次元で生きたい。
でもこんな話なんて、にわかには信じがたい。
普通に考えて見ろ、現実を見ろ。次元の一個下へ行く?不可能に決まってる。
でも、何故だろう。
こんな信憑性なんて更々無さそうな文章を、信じようとしている自分がいる。
__気付けば、僕は無意識のうちにそのURLをタップしてしまっていたのだ。
「うわぁぁぁああああ!!!!?」
何をしている!何をしているんだ!僕は!!!
そうしてしばらく後悔のあまりジタバタしていると…いきなり、僕の身体が発光し始めたのだった。
「なにこれ気持ちわりぃ!!えっ、ちょっと待って身体が消えていってる!?」
僕の手は徐々に透き通っていき、全身を消してしまった。
(あぁ〜、畜生。まだ死にたくなかった…普通のスパムでもこんな事にはならねぇよ…。もう…)
『モウ少しダケ、生きたかったナァ、デスか』
「あぁ、そりゃあな…ってお前誰だよ!!」
艶がある銀髪を一本高めの位置に括っている。活発そうな印象を受ける。
黄金色の瞳、淡い桜色に染まった頬…何処をとっても、美少女であった。
僕の目の前に突如現れた少女は、クスリと微笑み、くるっと綺麗にターンした。なびく髪が煌めいていてとても綺麗だった。
そして少女は、徐に口を開いた。
『誰だって…「案内人」デスよ?TwitterのDMに送りましたヨネ?招待状。』
スパムじゃなかったのか…ってことは、あれは事実ってことか?
__ってことは…僕は二次元に行ける…?
そんな思考をしていると、目の前の案内人と名乗る少女はキョトンとした顔をしていた。
「とにかくうぇるかむデス!ヨウコソデス!」
テンション高ぇ…とにかく「お、おう。」と適当に返事をしておく。
「確認させて欲しいんだが…僕は、本当に行けるんだよな?…二次元に。」
少女はにっこり笑い、
『ハイ!ボク、ウソは言いマセん!…貴方の………で、必ず…ね?』
最後の方は、小声でぼそぼそと言っていたので聞き取ることが出来なかった。だがまあ、気にしないでおこう。
どことなく不気味で、美しい笑顔で少女はこう言った。
『改めて…ボクの…ボクたちの世界へヨウコソ!!』
元気で、それでいて電子的な声がアナウンスをする。
僕の世界は、此処から廻り始める。
『イラッシャイマセ!りあるから掛け離れた夢の世界へ!』
***
「で、どうやったら二次元に行けるんだ?」
少女はにっこりと微笑み、何か説明文などが書かれた紙を手渡される。
『コチラをご覧くだサイ!』
その紙に目を落とす。
【場所】
孤ノ森学園
【ルール】
1.1ヶ月間、二次元生活を体験出来ます。
2.期間中は代わりのコピーが貴方の代わりに生活を送ってくれます。
3.期間内に貴方には女の子と付き合ってもらいます。
4.女の子を襲ってはいけません。
5.期間内に付き合えなかった場合、又はフラれてしまった場合、女の子を襲った場合、貴方は死にます。
6.二次元へ行った時、貴方は私の記憶、ここであったことを全て忘れます。
7.学園内で生活するに当たって必要な資金は、全てコチラで負担します。
8.貴方が好みの女の子は必ずいます。貴方の好みから割り出して作ったキャラなどを御用意させていただきましたから。
9.学園内の物を悪意で破壊させてはいけません。
10.良い学園生活を。
※これは命がかかったものです。慎重に選択してください。
「は!?」
驚愕だった、命?何を言ってるんだ。
『ドウしたのデスか?』
小首を傾げながら可愛らしく微笑んで聞いている。しかし僕にはその笑顔すら狂気的に思えてしまう。
「命を…取られる可能性があるのか…?」
『ハイ!取られマス!ガッツリと!』
元気いっぱいに答えられた…どうしろと…
『デモ、失敗しなければいいんデスよ?』
『サテ、どうしマスか?』
___命、か。
僕が生まれてきた家は、両親と兄が居て。至って、どことも変わらない普通の生活を送っていたと言える。
でも、気づけばそんな日常にも飽き飽きしてしまっていたのだ。
二次元に行ける…か。僕の人生の刺激になるのだろう。上手くいくだろうか…でも行きたいんだ。
「…分かったよ。行くよ。」
少女はクスリと微笑み、こう言った。
『フフッ、それではれっつごーデス!!』
電脳的な世界は廻る。残酷な程に、僕らの思ったものとは形を変えて。
青白い光が僕らを包む、気がつけば、もうそこは僕の目指していた世界だった。
(そう言えば…アイツの名前聞いてなかったなぁ…)
閲覧ありがとうございました。
かなり久しぶりに文章を書いた気がします。
私なんかは説明などが得意では無いので、こういうのは苦手なのですが…でも嫌いではないのです。
だから私は今日も書きます。お付き合い頂ければ幸いです。