表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
迷宮探索者の日常  作者: 飼育員B
第一章 中層探索者への道
6/89

第5話 方針検討

まだ物語が動きはじめませんでした。

今回はスタートラインにつく前の準備運動ぐらいで終わってしまいましたが、次回はスタートラインにつくところくらいまでは行くはず、です。

 彼は悩んでいた。


 迷宮から戻った翌日、【花の妖精亭】の一室で目覚めたケンは身支度を済ませてから食堂で朝食を摂り、部屋に戻って装備の手入れを行っていた。

 ほとんど無意識に手を動かしながら何を考えていたかと言えば、無論、迷宮の宝箱から得た<水作成>が付与された魔道具の扱いについてである。


 このままこの魔道具を所有し続けて、自分で使うという選択も当然ある。

 しかし二、三年前までならともかくとして、最近では比較的少量の水でも活動に支障をきたさないように身体が適応してしまったため、飲料水の確保手段としてはあまりメリットが感じられない。

 飲料水を運搬する必要がなくなった分、一回の探索で持ち帰ることができる戦利品が増えるだとか、水を箱部分の重量とスペースが空いた分だけ食料の持ち込み量を増やすことで、狩場に着いてからの活動時間が増やせるようになり、結果として稼ぎが増えるという考え方もある。

 とは言っても、迷宮の中で常に続く緊張感による精神的な消耗や武器・防具・食料以外の物資の消耗も考えると、食料を多く持ち込めるようになれば単純に稼ぎが増えるとも言い難い。

 パーティの人数が多いのであればまた話は変わってくるだろうが、ソロ探索者のケンが使用した場合は魔道具の恩恵を受けるのは一人だけとなり、あまり効果的とも言えないだろう。


 その方が利益が大きくなるなら、魔道具は売却すべきだ。

 問題は、売却によって得られた金額を利用するかである。

 魔道具そのもの、もしくは魔道具を売却して得た資産をそのまま眠らせておくのはただの死に金であり、盗難のリスクも考えればあまり賢明な選択肢とは言えない。


 今すぐに探索者を引退するという選択肢は無い。

 魔道具の買取金額として提示されたのはそれなりに高額だが、他の収入がゼロだと仮定して人並みの生活を送ったとすれば3年、節約してもせいぜい5年で底をついてしまう程度の金額でしか無い。乞食のような生活をすれば10年くらい保つかもしれないが、そんな生活に何の意味もない上に残り寿命の半分にもならない。

 従って、探索者を引退するなら別に何らかの生業を持たなければならないが、商売や農業を始めるとしてもノウハウも伝手もなく、商売を立ち上げるための元手としてあまり多い金額とも言えない。

 一度探索から遠ざかってしまえば復帰は難しくなるため、それならば探索者を続けていた方が良い。


 そうなると、やはり探索者としての能力を向上させるための投資、つまりは「より稼げる」ようになるための何かに消費すべきだろう。


 探索者や冒険者などは常に危険と隣り合わせであるために一般人に比べて比較的高収入だが、入る金額が大きい分だけ出て行く金額も相応に大きい。

 新米のうちはなかなか「稼ぐ」とまではいかず、生活費と迷宮に入る準備を整えるくらいで精一杯になってしまうが、ある程度安定して黒字が出るようになった後の使い道と言えばやはり武器・防具・魔道具類が定番だろう。

 どれだけ稼いでも稼いでも酒・女・博打・薬物に消えていくなんてのも多少は居るが、そういった浪費をしている奴の大半はそう時間が経たない内にいつの間にか消えているか、一生同じような場所でくすぶり続けているかの二つに一つだ。

 そんな馬鹿な使い道を考えてもしょうがない



 建設的な使い道について、順に検討してみよう。


 先ずは武器。

 現在主武器として使用しているのは俗に『粉砕機(スマッシャー)』とか『じゃがいも潰し(ポテトマッシャー)』と呼ばれているもので、柄頭に<重量増加>が付与された片手持ちの鎚矛(メイス)である。打撃に使う部分の重量を増すことで攻撃力の増加を図ったもので、メイス形式の魔法武器としてはオーソドックスでごくありふれたものだ。

 現在使用しているメイスは<重量増加>の効果量を通常流通しているものの2倍まで引き上げ、更に効果を任意にオン/オフできるように改造を施したもので、探索者としては決して膂力に優れているとは言えないケンの攻撃力上昇に一役買っている。

 <重量増加>のような付与の場合、普通は使用者の魔力の消費もない永続型だが、付与効果の増強をした上に切替型にしたことで魔石を消費するようになってしまったことが欠点だが、常に奇襲をかけて先手を取る戦闘スタイルのおかげでそれほど消費は激しくない。


 このメイスより上位の魔法武器を入手するというのは難しいだろう。

 メイス使いとしては若干変則的な戦闘スタイルであるため、武器屋の店頭にちょうど合う武器が並んでいる可能性は皆無だし、注文生産(オーダーメード)するにしても今のところこれといったアイディアもない。

 迷宮産の魔法武器であればもっと強力な物もあり、人気のある魔剣と比べれば桁違いに安く手に入るものもあるかも知れないが、そういったものは高価ではなくても希少であるために欲しいと思ったからと言ってすぐに手に入るようなものではない。

 主武器の更新については没。


 では、副武器にしているショート・ソードについてはどうだろうか。

 打撃では効果が薄いモンスターを相手取る場合や、何かを切断しなくてはならない場合に備えて持っているもので、そこそこの品質ではあるが何の付与もない単なる鋼鉄製だ。

 これについては使用頻度がごく低いため、これをもっと上質のものにしたり魔法武器にしてもあまり恩恵が感じられないだろう。短剣型の魔法武器は長剣や両手剣ほどではないがかなり人気があるため、性能に比べて高価になりやすいのも問題だ。

 仮にショート・ソードの魔剣を購入する場合、攻撃性能ではなく探索の補助になるような効果を持ったものであれば有用だろう。

 保留その1。


 次に鎧だ。

 ケンが現状使用している鎧は、布鎧(クロース・アーマー)の上から硬革鎧ハード・レザー・アーマー一部(パーツ)の一部だけを着けるというあまり見ないような構成のため、性能向上を図るのは主武器以上に難しい。

 鎧の場合、パーツ単位ではなくフルセットで着用することで、初めて完全な(最大限の)効果が現れるような造りになっている物が多いため、防御力を向上する目的で魔法鎧に変えようと考えた場合はこれまたオーダーメードになってしまうだろう。

 市販の魔法鎧のうち高防御力を目指したものは、大半がチェイン・メイルなどの金属鎧がベースになっているため、どうしても隠密性が損なわれてしまうから、という理由もある。

 過去には<静寂>が付与されたチェイン・メイルなどという隠密行動を睨んだ品もあったようだが、着用者が一切物音を立てなくなるのと同時に一切声が出せなくなるという副作用があったようだ。仮に欠陥品でなかったとしても金属鎧ではどうしても動作の妨げになるため、ケンには合わなかっただろうが。

 鎧の更新については没。


 所持品類はどうだろうか。

 現在、お守り代わりに低品質の<治療>薬を持っているが、これを高品質の<治療>薬や上級の<高位治療>薬にすればより大きな怪我にも対応できるようになる。さすがに<部位再生>薬は高価すぎて手がでないだろうし、払える金額だったとしても魔法薬師に伝手がないと売ってもらえないだろうが。

 即死した場合意味が無いが、それ以外の場合は自力で移動できるかどうかは生存率が全く違ってくる。

 保留その2。


 その他の魔法薬についても有用なものがあるかも知れない。

 <耐寒>や<耐暑>など比較的ありふれた魔法薬については、そういったものが必要とされる場所に行ってから入手を考えても良い。

 <怪力><俊敏><器用>などの能力を一時的に向上させるものについても有用だが、使いどころが難しい。<聴覚鋭敏><視覚鋭敏>などの感覚増強系もあるが、常用できるものではないのであまり頼り切るのも考えものだ。

 これらの魔法についてはそれほど入手も難しくなく、比較的安価な物もあるので、必要に応じて検討することにしよう。


 魔法薬ではなく、何か探索の役に立つ魔道具は有るだろうか。

 隠密性の向上を図るのであれば<隠匿>のマントや<透明化>のマント、<忍び足>のブーツといったものがある。しかし迷宮の中には視覚や聴覚以外の器官で周囲を認識するモンスターも多いため、どこまで有効なのかという疑問もある。

 逃走時の事を考えて<快走>のブーツで長距離走の速度と持久力を向上させたり、<水上歩行>や<壁面歩行>のブーツで逃走ルート選択の自由度を上げるというのも有りだろう。

 欲を言えば<空中歩行><水中歩行><土中歩行>など、敵の追跡を不可能にするような魔道具があれば完璧だったが、そういったものは大きな屋敷が一軒買えてしまうほどに高価なものだ。

 そこまで大げさなものでは無くても良いので、贔屓にしている魔道具店の店主に聞いて、役に立ちそうな物が見つかればそれを買ってもいいだろう。

 保留その3。


 魔術師ではなくても魔法を使えるようになる魔道具についても考えてみる。

 <爆裂火球><火嵐><吹雪><暴風>といった広範囲攻撃魔法の<巻物(スクロール)>は一回使いきりの上、ソロ探索者としては大量のモンスターに囲まれるという時点で危険極まりないため、そういう状況に最初から陥らないように注意するか、逃走に全力を注ぐべきだろう。

 遠距離攻撃能力確保の一つとして、<魔力の矢>などを発射できる弓や杖についてはも検討の余地があるが、そういったものは射出の度に魔石を消費するようになっているため、コスト以上のリターンが得られるかは怪しいところだ。


 ここまでいくつかの案を検討していて気付いたことだが、保留した案が「より多く稼ぐ」のではなく「より安全に稼ぐ」方向に偏ってしまっている。

 自分達の情報を全て明かすような間抜けはそう居ないためきちんとした比較ではないが、ケンは探索者の平均に比べてかなり大きめに安全マージンを取っていると思われる。

 無事之名馬(ぶじこれめいば)が座右の銘と胸を張って言えるくらい慎重(ビビリ)な行動を選んでいった結果であるが、いくら何でもこれ以上安全マージンを増やすのは意味がなさすぎると思っている。

 いざという時の手札が増えた分、それまでよりも危険に対して積極的に踏み込んでいけるようになるという見方もできるが、間違いなくそれまでと変わらないところで撤退の判断をし続けるだろう。



 切り口を変えてみる必要がある。

 あるアイテムを手に入れた後にどう利用するかではなく、今抱えている問題を解消するためにどうすれば良いのかを考えてみる。

 一回の探索においての収入を上げるために何が障害になっているかと考えてみると、やはり狩場までの移動時間が長いことがボトルネックになっている。


 迷宮内では基本的に入口から遠くなるほど、つまり迷宮の奥に行けば行くほどモンスターの強さが強くなっていき、同時にモンスターから採れる魔石の質が上がっていく。

 つまり探索者がより多く稼ごうと考えた場合、本人とパーティメンバーの実力が許す限り迷宮の奥でモンスターを狩るというのがセオリーである。

 迷宮の入口に近い(浅い)場所でも、倒しやすいモンスターが比較的多く発生するので深い階層よりも時間当たりの稼ぎが多くなるなどの例外もあるが、そういった「美味しい」狩場の情報は他人には漏らさず仲間内で独占されているのが普通だし、あるパーティで効率的な狩場だったからと言って別のパーティで必ずしも効率的とは限らない。


 現在、ケンが主な狩場にしているのは迷宮上層と中層の境目あたりにある、探索者によって『影豹の棲家』と名付けられた地域だ。

 影豹というのは正式名称を『這い寄る(クリーピング)(シャドウ)』と言って、二足歩行の漆黒の豹といった姿をしたモンスターの一種だ。このモンスターは、常に物陰に潜んで獲物が通りかかるのを待っている。獲物が近くを通り過ぎた後、背後からそっと忍び寄り、その両手にある巨大な鉤爪で正確に首を狩り取りに来る。

 影豹が多数生息しているその場所は、大多数の探索者達に死傷率が高い上に稼げない場所として忌避されているのだが、ケンにとってはなかなか効率の良い稼ぎ場となっている。

 まず影豹は群れる事が無い。加えて獲物を見つけない限りずっと一か所にじっとしている。そして隠密能力は高くても正面からの戦闘能力はあまり高くないため、攻撃される前に発見出来てしまえば後は好きなように処理できる。

 背後から忍び寄る死の使いとして恐れられている影豹も実はあまり感知能力が高くないため、コツさえ掴んでしまえばこちらが先に発見するのもそう難しくは無いのである。

 そして、何と言っても同じ場所を狩場にする他の探索者(ライバル)が居ないため、ごくたまに通過する場合にだけ注意を払っていれば、後はモンスターに集中できるというメリットがある。


 そんなケンにとって(のみ)美味い狩場だが、問題は迷宮入口からかなり遠いという事だ。

 狩場まで片道2日・往復4日かかるため、その間の稼ぎはほぼゼロになってしまう。道中でモンスター狩りをすることもできるが、その分狩場までの到着時間が遅くなってしまうので、結局はトータルでマイナスになってしまうだろう。

 長時間をかけて移動して、狩場で過ごすのは2日か、粘ってもせいぜい3日。つまり、狩り場で過ごす時間は迷宮の中に居る時間全体の半分以下でしかない。

 移動に費やす時間を短縮できれば狩場で過ごす時間を増やすことも可能になるし、狩場で過ごす時間が同じままだったとしても一度の探索に費やす日数が短くなれば相対的に効率が上がるだろう。


 さて、移動時間を短縮するためにどういう方法がとれるだろうか。

 先ほど検討した<快走>のブーツを使うというのはどうか。確かに移動時間の短縮に効果はあるが、走っている間の索敵精度は低下せざるを得ないし、足音でモンスターの群れを呼び寄せてしまう可能性があるため没。

 <壁面歩行>などを利用して普通では通れない場所を通ることで、狩場までの道のりを短縮できないだろうか。検討の余地はあるがもっと効率的な方法があるため没だ。

 もっと効率的な方法が何なのかと言ってしまえば、それは<転移>門である。



 この世界では広く知られている事実だが、ある程度以上の規模を持つ迷宮には必ず迷宮の中から外に移動可能な<転移>門が存在する。

 ケンが探索しているマッケイブ迷宮はこれまでに3つの<転移>門が確認されており、探索者達に利用されている。

 迷宮の上層・中層という区分は適当に決まっているのではなく、<転移>門を基準にして明確に分けられている。迷宮の通常の入口から第一<転移>門までが上層、第一<転移>門から第二<転移>門までが中層と呼ばれ、以下下層、最下層と続く。

 迷宮にある<転移>門は対応する一対の門のあいだで双方向であり、迷宮の外側から内側に移動する事も可能となっている。


 では、なぜ今まで<転移>門を使用せずに迷宮入口から歩いて狩場に向かっていたのかという疑問に答えると、迷宮の<転移>門を通じて迷宮の内外に転移するためには資格が必要だからである。資格を持たない者が<転移>門を通ろうとしても絶対に通ることはできない。

 この資格というのは迷宮管理局などの人間が作った組織が発行するものではなく、迷宮自身が課した条件を満たす事によってのみ与えられる。

 マッケイブ迷宮における条件とは、迷宮の内側にある<転移>門部屋へと続く扉の前に鎮座する門番(ガーディアン)を討伐することである。

 一度迷宮の中で門番を討伐した後に<転移>門から迷宮の外に転移する事で、それ以降その門を利用して迷宮内に転移する資格を得られる。迷宮が資格の有無をどうやって判断しているかについては不明だが、今のところこのルールが破られた記録は無い。


 マッケイブ迷宮第一<転移>門の門番はロック・ゴーレムである。

 それは岩でできた高さ3メートル程の人形で、動きは鈍いが防御力はかなり高く、その上自己修復能力まで持っている。つまり、こちらがゴーレムの自己修復能力を上回る攻撃力を持っていない限り永遠に破壊できないという事になる。

 ゴーレムの攻撃方法は手足を使った打撃だが、重量はあっても動きが鈍いためあまり打撃力も高くない。ゴーレムを破壊しない限り<転移>門がある部屋には入れないが、番人部屋からの撤退は可能であるため、よほど無謀な行動を取るか運が悪くない限り死ぬ事はないだろう。

 ケンも以前に一度だけ挑戦してみたが、ケンの通常の打撃程度ではゴーレムに一切傷を付けることができず、全力を込めた攻撃であればなんとか小指の先ほどの亀裂が入れられるといった程度だった。


 今回の稼ぎ分で強力な攻撃魔法の<巻物(スクロール)>や、その他使い捨てでも良いので大きな攻撃を与えられる魔道具などを手に入れ、再度挑戦してみるのはどうだろうか。

 成功する可能性もあるが、たとえばゴーレムに対して<爆裂火球>一回でどのくらい打撃を与えられ、それが何回必要なのかという事と、修復速度がどのくらいなのかという情報くらいは入手できなければ不安が残る。

 準備したアイテムを全部使いきってもゴーレムを破壊できず、メイスによる全力攻撃の連発よりもゴーレムの修復速度の方が上回っているせいで、大金を使って収穫ゼロになってしまうなどという事態は避けたい。


 そうなると、以前に何度か考えた事もある人を雇っての門番攻略だろうか。

 この方法にも様々なデメリットが考えられるが、アイテム満載にして一人で臨むよりは臨機応変に対応できるだろう。うまい具合に第一<転移>門突破済みパーティの協力が得られれば、かなり高い確率で成功が望める。

 この方法に幾つかデメリットもあるが、経費支給・ケンが第一<転移>門を通過して地上に戻れた場合に成功報酬支給という形にすれば、仮に失敗した場合でも再挑戦できるようになるまでの期間が短くて済むというのはデメリットを補える大きなメリットだ。

 探索者を雇う方法を取る場合、<水作成>のコップを売却して得た分の金額を報酬にするのではなく、魔道具そのものを報酬にした方が良いだろう。あまり高値が付かないと言われたのは「需要がある層が金を持っていない」からであって、決して<水作成>の魔道具に需要が無い訳でも価値が低い訳でもないからだ。



 後はそれほど悩むこともなく今後の行動方針が決定した。

1.魔道具を報酬にして門番突破に協力してくれそうな探索者パーティを探す

2.仮に1番の方法が取れないと判断される場合、アイテムを利用して門番突破が可能かどうか実験し、成功の可能性が5割以上あると判断できれば実施する

3.上記1,2共に成功の可能性が低い場合、出来る限り迷宮探索効率を上げるための装備を入手する


 これらのうちどれを選ぶにしろ、あまり日数をかけずに行いたい。

 秘密というものは何がきっかけでどこから洩れるのか分からないものだし、特に大金が関係することについては異常に鼻が利く奴が多い。そういう奴に喰い付かれてしまうと間違いなく面倒事が起こる。

 請負人の選択は自分自身で行うが、請負人候補のリストアップはそういった道のプロに依頼した方が良いだろう。その方が広範囲で比較的正確な情報を得られる上に時間の短縮にもなる。


 装備の手入れも終わったことだし、そうと決まれば早速行動を開始しよう。


 まずは情報購入の依頼を行った後、最後にバロウズに行って魔道具の鑑定書を受け取りに行くことにする。余った時間は魔道具やその他アイテムの情報収集や市場調査に充てればいい。

 これから暫くの間は今までより忙しくなりそうだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ