第25話 収穫祭開始前日 その2
メンテ関係で投稿が遅れました
一瞬でも手を離したらその隙に消えてしまうとでも思っているかのように、目の前の少女は両手で力いっぱいケンの左手袖を握りしめている。
ケンは困惑しつつも目の前の少女を観察する。
女の年齢は外見だけでは判りづらいが、恐らくは十代半ばだろうか。
腰まで伸びた白に近い金色の髪には艶があり、薄く化粧が施された肌は抜けるように白く、瞳の色は快晴の青空のような深い青色で、少々つり目がちだが目鼻の配置も整っている。
人によって好みの差はあるだろうが、「美少女」という一言だけで評しても同じ猿人族の男から特に異論は出ないのは間違いない。
ケンが着ている服の袖を掴むために今は腰を屈めているが、普通に立てばケンと同じくらいの身長になるだろうか。男としては若干小柄なケンとほぼ同じ身長というのは女としてはそこそこ長身の部類に入るが、胸も腰も全体的に平べったくてあまり女性的な魅力に溢れているとは言えない。
その体つきの細さが繊細な作りの顔に調和していて、むしろ少女としての魅力が倍加していると評する者も居るだろうが。
始めは全身で怒りを表していた目の前の少女も、今は一段落したのか感情が抜け落ちたような無表情に変わっていた。
「何か御用でしょうか?」
ケンの問いかけにも少女は一切の反応を見せず、手に縋り付くような姿勢のままケンの顔をじっと見つめ続けている。無表情のまま目だけが爛々と輝いている様子は深い女の情念を感じさせるようで、美人なだけに逆に不気味さが際立ってしまう。
目線を逸らしたくなるのを何とか我慢してこちらも少女の顔をじっくりと見てみるが、全く知らない顔だった。記憶の底をどれだけさらってみても目の前の少女が出てくる様子は無い。
子供の顔は成長とともに変わっていくし、女は化粧で化けると言うがそれでも少なからず面影は残るものだし、そもそも一目見ればそう簡単には忘れられないくらいの美少女だ。
この5年間、ほとんどの時間を迷宮探索に費やしてきたケンには女の知り合いなどよく利用する店の売り子か迷宮管理局の受付嬢くらいしか居ないし、数少ない知り合いのどれにもこの少女は該当しなかった。
彫像のようにピクリとも動かない少女を自力でどうにかするのを諦め、助けを求めるためにもう一人の少女を見る。
2メートル程離れて立っていた少女、いや、女性はただひたすらに地味な印象だった。
年齢は十代後半だろうか。二十代前半だとしてもおかしくはないし、童顔で困っている三十代だと言われても信じられてしまいそうだ。
この辺りではごく一般的な茶色の髪と淡褐色の目で、痩せてもおらず太ってもおらず服装もこの町でごく普通に見かけるようなものだ。顔立ちは不細工ではなくどちらかと言えば可愛らしいと言える方に入っているが、全く印象に残らない。
平凡という言葉を体現したかのようなその女性の姿は、目を離した次の瞬間にはどんな顔だったか思い出せなくなってしまうくらいに普通極まりない。
その女性はケンが向けた視線の意味をきちんと理解してくれたらしく、少女の肩に手を掛けてゆさゆさと揺さぶりながら呼びかけ始めた。
「おじょ……グレイス、こちらの方が困ってらっしゃいますよ。グレイス? グレイスさん?」
呼びかけられても体を強く揺さぶられても、グレイスと呼ばれた少女は抵抗せずに体を揺らしているだけで特に反応を返さない。
数回繰り返しても変わらない少女の状態を見て埒が明かないと理解したその女性は、困ったような表情のままケンに対して許しを乞うように愛想笑いを浮かべる。
それを見たケンも、貴女が悪いわけじゃないと苦笑いで返す。
「あ……」
不意に聞こえた掠れ声の出処に目をやると、少女の眉がキリキリと音を立てるかのように急激に怒りの形へ変わっていく最中だった。一瞬泣きそうな表情を浮かべていたように見えたが、それはおそらくケンの見間違いだろう。
「あ、あな、あなっ……お前! よっ、よくもまあ、よくもおめおめと私の目の前に顔を出せたものね!」
怒りで声を詰まらせながらこちらを詰る少女の顔をなんとも言えない気分で眺める。顔を出すもなにも少女の方から近づいてきたのだが、興奮しすぎて記憶が飛んでしまったのだろうか。
何も言わずに黙ったままのケンを見てどう思ったのか、少女は怒りの度合いを更に強めてを咎め立ててくる。
「なんとか言ったらどうなんですの?! もしかしたら決まりが悪すぎて声も出せないのかしら? それはそうよねえ! 出て行ったっきり5年以上何の連絡も寄越さずにおいて、今更言い訳の言葉なんてあるはずが無いですものね!」
少女はケンが知り合いだと確信しているような口ぶりで、そのケンではないどこかの男の連絡がなかったという不義理を責めているつもりのようだが、ケンの主観としては知らない女から何の関係もない男が原因で罵倒を受けているという事になる。
女に罵倒されて喜ぶような性癖は持ち合わせていないのでただ不愉快なだけだ。
謂れ無い誹りを受けてケンも苛立っているが、興奮している相手に強い言葉を返すのは更に興奮させるだけだと考えて努めて冷静に言葉を返す。
「申し訳ありませんが、私は貴女を存じていません。失礼ですが人違いをなさっているのでは?」
「人違い? 人違いですって?! 私が貴方の顔を見間違えるわけが無いでしょう。私の顔に見覚えが無いとは言わせませんわよ!」
「いいえ、全く、一つも、これっぽっちも見た覚えはありませんが、やはりどなたかとお間違えでしょう」
思わず子どもじみた返し方になってしまったが、そのお陰かケンが言わんとする事がやっと少女にも伝わったようだ。
「そう……そうなの。あくまで白を切るつもりですのね。あれだけ探させたのに手がかりの一つもなくて私がどれだけ……」
どんどんと少女の話す声が小さくなっていき、途中からは全く聞き取れなくなってしまった。
いつの間にか少女が掴んでいるのが服の袖口ではなくケンの左手首そのものになっていたので、ぎりぎりと爪を立てて握りしめられている部分が少々痛くなってきた。
目を伏せてどこか虚空を見つめ、なおも口の中でぶつぶつと呟き続けている少女を呆れた顔で見ながら、少女の正体について考える。
探させた、と言うからには自分の足で探しまわった訳ではなく人を使ったのだろう。
他人に仕事をさせるのもタダではない。
探している相手と少女の間にどんな因縁が有るかは想像もできないが、ただの人探しのために金を払えるなら生活に余裕のない庶民ではなく富裕層ではないかと仮定してみると、幾つか見えてくることが有る。
例えば少女が今着ている服だ。
服装はこの町に住む同年代の女が普段着にしているような長袖ブラウスと丈の長いスカート姿だが、細かい部分までいやに作りが良すぎるのだ。
腕を伸ばしているにも関わらず長袖ブラウスの袖口は少女の手首にピッタリと貼り付いているかのように動いていない。身体を動かしても変な皺が寄ることもなく襟や袖には糊が効いていて、生地は下ろしたてのように真っ白だ。
おそらくこれは腕の良い職人が少女に合わせて仕立てたものだろう。一般庶民ならは気張った外出着以外は仕立てではなく既製服や中古で済ませる。
生地の素材は一般的に使われている木綿だが、そう思ってよく見れば生地そのものも質が良さそうだ。
欠かさず手入れをしているのであろう、艶のある髪もそうだ。
この世界でも固形石鹸はごく一般的な存在だが、髪専用の液体石鹸や毛髪保護剤などの安価で手軽に髪の手入れが済ませられるような薬剤は存在しない。
髪の手入れに使う香油は嗜好品だけあってまともな品は目玉が飛び出るほど高価で、そもそも庶民には女性でも髪を入念に手入れするような余裕も習慣もあまり持っていない。
だから「きちんと手入れされた長い髪」というだけで素性は貴族や大商人の奥方や娘、もしくは歌手や俳優などの人から見られることを生業としている女、さもなければそれなり以上の高級娼婦の類に絞られる。
この体つきで娼婦というのは絶対にありえないし、目の前の少女が漂わせる雰囲気は歌手や俳優のようなどこか媚を含んだものとも違うように感じられる。
そうなると消去法で貴族か大商人の娘かということになるが、立ち居振る舞いからしてそう大きく外してはいないだろう。
そうなると、少女の連れている女性も怪しく思えてくる。
少し目を離したら顔が思い出せなくなるほど印象が薄いというのが不自然過ぎるのだ。
世の中にはどんなに目立とうと努力して派手な服装をしても何故か影が薄いという奴も居るが、目の前の女性はそうではない。むしろ故意に特徴を消そうとしているように見える。
よく観察してみると袖口に不自然な形の膨らみがあるのが判った。隙があるように見えて全くない立ち姿とさり気なく周囲を警戒している様子からして、おそらく少女の護衛なのだろう。
ケンがじっと見つめていたのを察知したのか、女性が咎めるような表情をこちらに向ける。
おそらくケンが女性の立場に気付いた事には感付いているだろう。ケンは元々あまり隠し事が得意な質ではないし、この女性は隠し事を見抜くのが得意そうだ。
「あくまでも知らない、人違いだと言い張るつもりなのでしたら仕方がありません。貴方が言い逃れの出来ない証拠を今すぐに、ここで示して差し上げましょう」
ケンが目の前の女性2人について考察している間に立ち直っていた少女が高らかに宣言する。
「貴方の名前はグレン。グレン・ビーチャム。王国東部にあるトラッリーオ村の出身で、約5年前に無謀にも『王国一の剣士になる』と言い放って村を飛び出した、確か今年で21歳になる男性ですわね?」
ケンの眼前に右手の人差指を突き付けながらそう宣った。少女は得意満面そうだが、残念ながら何一つ心当りがない。
「違います」
「えっ?!」
一言のもとに切り捨てられた少女がピシリと音を立てて硬直する。気が強そうな顔立ちと話し方をする割にはかなり打たれ弱いらしい。
幸いにも今回はすぐに再始動を果たしたようだ。
「えっ、冗談……ですわよね?」
「いいえ」
首を横に振るケンを見て信じられないという表情を浮かべた後、少女の斜め後に立っている女性に首だけで振り返る。首の関節が錆び付いてしまったかのようなぎこちない動きだった。
少女から目配せを受けたらしい女性はケンの方をちらりと見て、少女に対して首を横に振った。
また首だけを動かしてケンの方に向き直った少女の様子は、愕然という言葉が最も相応しい。
「嘘、だよね? 嘘なんでしょ?! やっと、やっと見つけたと思ったのに……」
少女が散々騒いだせいでいつの間にか野次馬が十人以上も集まってこちらを見ていた。どうも痴話喧嘩だと思われているようで、周囲の男や女から向けられる視線はケンへの非難一色だ。
これ以上付き合ってやる義務もないのでさっさと立ち去りたいのだが、未だに手首を掴まれたままだった。
護衛の女性の方を見て軽く肩をすくめるのを確認してから、左手の肘を直角に曲げた状態で身体を180度回転させて少女の手を引き剥がす。
一応はなるべく痛みを与えないように気を使っている。まかり間違って怪我でもさせたら色々と恐ろしい事態が発生しそうだ。
ケンは回転した勢いをそのままに走り始め、大通りの人混みを抜けて遁走する。
「あっ、ちょ、ま、待ちなさい! 追いかけるのよハンナ!」
待てと言われて待つくらいなら最初から逃げたりはしない。野次馬共も何かごちゃごちゃと抜かしているようだが、一切耳を貸すつもりはない。
人混みに街歩きに慣れていなさそうなお嬢様を撒く事など造作も無かった。
護衛の女性が全力で追いかけて来ていたら全力でも逃げ切れたかどうか怪しかったが、見た限り追跡をしようとする気配はなかったし、その気があっても護衛対象を放って置くなんて事は出来なかっただろう。
これでは落ち着いて町の散策もできない。
どうせそろそろ切り上げようかと考えていたところではあるし、念のため尾行に注意しながら【花の妖精亭】まで帰ることにした。
「あっ、ケン。おかえりー」
「ただいま」
何事も無く【花の妖精亭】に帰り着き、部屋を取っている時にはいつもそうするように裏口から宿の中に入って行くと、ちょうど床掃除をしていたベティが満面の笑顔で出迎えてくれた。
正体不明の少女に関わったせいでささくれ立っていた気分がいっぺんに癒され、思わずベティの小さな頭を軽く撫でてしまう。ベティは小柄でだいたいケンの胸くらいまでしか身長がなく、撫でるのに丁度いい高さなのでついつい手が伸びてしまう。
「もう、あんまり子供扱いしないでよね」
口では咎めるような事を言っても手を振り払ったりはせず、大人しく受け入れてくれる。
まだまだ子供であるせいか毛の一本一本が細くて柔らかい。頭頂部の髪はさらさらとした心地良い手触りを返してくるが、首までしかない短めの髪なのに毛先は少々傷んでしまっているようだ。
先程街中で絡んできた少女の綺麗に手入れされた髪を思い出し、今度ベティとついでにエイダにも手入れ用の道具か薬剤でも贈ってやろうかと考える。
どういった物が良いのかは迷宮管理局の受付嬢にでも聞いてみれば良いだろう。
「何かヤな事でもあったの?」
「どうして?」
そんなに沈んだ顔をしていただろうかと空いている方の手で自分の頬を掴む。
「だって、ケンがいきなり頭撫でたりしてくるのって、いっつも何かヤなこととか落ち込むことがあった時だもん」
大規模討伐の遠征から戻ってからと言うもの、毎日欠かさず下らない話をさせるために各所から呼びつけられたせいで随分とストレスを感じていたのは確かだ。
だから暇がありそうな時のベティと顔を合わせる度に何らかのスキンシップを取って癒やされていたのだが、そのせいで色々と見抜かれてしまっていたようだ。
「大した事じゃなかったよ。もう大丈夫」
「そう、それじゃ良かった」
しばらくベティの頭を堪能した後、そのまま雑談を続ける。掃除をしているベティの近くでただ立っているのも手持ち無沙汰なのでケンがモップを引き受け、ベティが机の上を拭いて回る。
普段から掃除を欠かしていない清潔な【花の妖精亭】の店内なので、さほど時間もかからず終えることが出来た。
「お掃除おわりっ! ……あーあ、これから夕方の準備しなくちゃダメなんだけど、重いから手が痛くなっちゃうなー。いつもよりたくさんあるからなー」
両手を頭上に上げた伸びの姿勢のままチラチラとケンの様子を伺うベティ。
「ちゃんと頼むなら手伝ってやらなくもないぞ」
「お願い、手伝って?」
どこで覚えたのか上目遣いにケンを見つつ品を作りながら拝んできた。あと3,4年もすれば大抵の男はコロリと逝ってしまいそうだが、今のベティでは背伸びしている子供の微笑ましさばかりが先に立つ。
「ああ、いいぞ。エイダさんにはいつもお世話になってるからな」
「私は?」
「むしろお世話してやった記憶しかない」
「そんなことないでしょー!」
収穫祭による町の一時的な人口増加の影響はここ、食堂兼宿屋【花の妖精亭】にも漏れ無くやって来ている。
客室は二階にある5部屋だけなので満室になってもそこまで忙しくはならないのだが、食事時の食堂は連日の超満員だ。
見物客だけではなく、祭り関係の仕事に時間を取られて食事を準備する時間が取れない近所の人も食べに来たりするので、ますます食事客が多くなっている。
普段は女将のエイダとその姪のベティという2人だけで切り盛りしている店だが、この期間ばかりは近所の奥さんを手伝いに呼ばざるを得ない程なのだ。
祭りが始まる前ですらこうなのだから、正式な祭り期間中にどうなるかは推して知るべしだろう。
出される料理の量が増えればそれに比例して仕込みの量も増える。
使う水の量も多くなるから頻繁に汲んで来なくてはいけないし、マッケイブの町は魔石の産地だけあって他より安価に手に入るので<加熱>の魔道具がかなり普及しているが、安価なものは細かな火力の調整が出来ないので薪や炭も併用しなくてはならないからそっちの準備も必要だ。
ケンは料理が出来ないが水汲みや薪割り、食材その他の運搬といった力仕事くらいならできるので頼まれれば快く手伝うようにしている。
祭りにそれほど強い興味はなくても、自分が迷宮の中で生きるか死ぬかの瀬戸際にある時に頭の上で大勢が浮かれ騒いでいるというのも癪なので、毎年この時期は迷宮に入らず【花の妖精亭】で過ごしているから手伝いくらいはなんでもない。
祭りの時期にケンが迷宮に入らない理由は別にも有る。
マッケイブという町は、迷宮探索者という真っ当な道から外れた人間が人口の何割かを占めている割にそれほど治安が悪くない。
探索者は魔石を喰って生きているのではないから衣食住に加えて武器や防具を整えなければならず、あまり無茶をやらかして堅気の人間に嫌われては生活が成り立たない。
大規模ギルドでは周囲の評判を気にしてメンバーに対して規律正しく行動するように通達している所も多いし、社会のはみ出し者だからこそ権力からの介入を嫌い、口実を作らせないために独自の掟を自分に課している奴も居る。
しかし、この時期はどうしても治安が悪化してしまう。
同じ空間に居る人数が増えればどうしても揉め事は多くなるものだし、人と金が集まる場所にはそれを目当てに仕事をしに来る奴も多いからだ。
だから、この時期だけ用心棒を雇うという店も多く有る。ケンと同じように考えているのか祭りの最中は地上で過ごす探索者が増えるのでそいつらを雇うのである。
店側は揉め事が起こった場合に解決を任せることができるし、探索者側は些少ではあるが収入を得られる上に交代で警備すれば祭りの見物もできる。
用心棒のせいでむしろ被害が拡大する時もあるが、探索者は祭りが終わった後も町に居続けるのだから後から賠償金を取り立ててやったらいい。
ケンは【花の妖精亭】で正式に雇われているわけではないが、いつも世話になっているしずっと居るのだから用心棒の真似事くらいはしても罰は当たらない。
威圧感が無さ過ぎてどれだけ抑止力として機能しているかが不明だが、麦畑に立たされている案山子よりはきっと役に立っているだろう。
最初はベティの、途中からは仕入れから戻ってきたエイダの指示に従ってさんざん力仕事をこなした後、二階の自分が取っている部屋に戻る。
まだ夕食には早い時間だというのに食堂はなかなかの混み具合になっていて、エイダが忙しく腕を奮っている。
階段を一番上まで上がり、部屋の中に入ってドアを閉めると階下の喧騒はほとんど聞こえなくなる。
静かになった部屋の中でケンが考えたのは昼間出会った謎の少女の事だ。
少女の探し人について心当たりは無いと答えたが、実は全く無い訳ではない。
それは探索者ケンイチロウこと鈴木健一郎の体の以前の持ち主だ。
もしかして、こういったのも過去が追いかけてくると言うのだろうか。




