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アサガオが咲くときまで  作者: 筑波みらい
第三章 ニューオーダー(新秩序)
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第七十一話 生徒会長さん♡

始業式が終わって、解散。


午前授業だけなのに、

俺の気分は全然軽くならなかった。


——宮本先生に、放課後来るように言われている。


(……説教だよな、普通)


生徒指導室の前に立って、ノックした。


「……失礼します」


「はーい、どうぞ〜」


いつもより、声が柔らかい。


(……あれ?)


「座って!」


言われるまま椅子に座る。


宮本先生は、俺を見て小さく笑った。


「……よく頑張ったね〜」


その一言で、

肩に入っていた力が少し抜けた。


「選挙、大変だったでしょう」


「正直、先生はハラハラしてた」


「途中で折れちゃうんじゃないかって」


「それは……まあ結構苦しかったですね」


「でも」


視線が、まっすぐ来る。


「ちゃんと謝ったし、逃げなかった」


「それが一番えらいところ」


ここで、少し間を置いてから。


「……本当によくやったね♡」


(ん???今♡付けてた...?)


(宮本先生が?)


「それに」


指を折りながら言う。


「副会長が鷹宮さん」


「会計が白石さん」


「広報が東雲さん」


「書記が柏木くん」


「……人選、いいと思う」


「先生、そこは安心してる」


(高評価されてる……)


「だから今日呼んだのは」


一拍。


「怒るためじゃない」


「これから忙しくなるから」


「無理しすぎないで、って言いたかっただけ」


声は、静かだけど確かだった。


「生徒会長だからって」


「一人で全部背負わなくていい」


「頼るのも、仕事だから」


「しんどくなったら、来なさい」


最後に、少しだけ柔らかく。


「……私、味方だから」


「……ありがとうございます」


それしか言えなかった。


宮本先生は、満足そうに頷く。


「じゃあ今日はこれでおしまい」


立ち上がり際に、ぽつり。


「初日、お疲れさま」


「生徒会長さん♡」



生徒指導室を出た瞬間、

胸の奥がじんわり温かかった。


(……怒られなくてよかった、だけじゃないな)


ちゃんと、

背中を押された気がした。


——この人に言われると、

もう少し頑張ってみようと思えてしまう。


そんな午後だった。


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