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アサガオが咲くときまで  作者: 筑波みらい
第二章 セカンドアタック
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第六十話 あと一人

朝のホームルーム前。


教室の自分の席に座りながら、

俺はノートの端に小さな丸を描いていた。


生徒会。


会長。

副会長。

書記。

会計。


……あと一人。


(どうすっかな)


人数的には、

最低限はもう揃ってる。


でも。


(動けるやつが欲しい)


(空気読めて、口も回って、場を和ませられるやつ)


理想を並べると、

一気に贅沢になる。


「……なーに悩んでんの?」


後ろから、

気の抜けた声。


振り向くと、柏木。


さっき鷹宮からのチョップを食らっても、

もうケロッとしている。


「どしたん?」


「生徒会メンバーあと一人、どうしようかな〜って」


柏木は、一瞬だけ目を丸くする。


それから。


「あー」


何かを理解した顔。


「……じゃあ。俺、やろうか?」


「……は?」


間抜けな声が出た。


「え、マジで?」


「うん」


柏木は、肩をすくめる。


「部活以外は暇だし」


「それに」


少しだけ、

真面目な目になる。


「今の生徒会、面白そうじゃん」


「いや」


俺は、

正直に言う。


「忙しいぞ」


「面倒だぞ」


「絶対、文句言われるぞ」


「知ってる知ってる」


柏木は、笑う。


「でもさ」


一歩、近づいて。


「どうせ誰かが

 泥かぶんなきゃいけないなら」


「知ってるやつの方がいいだろ?」


……こいつ。


意外と、

いいこと言う。


「……後悔すんなよ?」


俺は、念を押す。


「しないしない」


即答。


「むしろネタ増える」


「……よし」


俺は、

頷いた。


「じゃあ、柏木!」


「生徒会、来い」


「おっしゃ」


小さくガッツポーズ。


「肩書き、何?」


「……まだ決めてない」


「雑用係?」


「ひでぇ!」


でも。


ノートの丸が、

一つ埋まった。


それだけで、

少しだけ気持ちが軽くなる。


(……動き出してる)


完璧じゃない。


でも。


確実に、

前には進んでいる。


そう思えた朝だった。

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