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アサガオが咲くときまで  作者: 筑波みらい
第二章 セカンドアタック
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第五十九話 誰がハーレムですか!

学校へ向かう道。


普段はありえない三人で並んで歩くという、

どう考えても異様な光景。


通学路の視線が、

やたらと集まる。


(……そりゃそう)


昨日の噂。

Our Storys。

新聞部。


全部、まだ生きている。


校門が見えてきた、その時。


「おーい、成田!」


聞き覚えのある声。


振り向くと、

柏木がニヤニヤしながら近づいてくる。


状況を一目見て、

即座に理解した顔。


「うわ、お前さ」


指をさしながら続ける。


「朝から女子二人(はべ)らせるとか

 ハーレムかよ、羨まし——」


———ゴン!


鈍い音が聞こえた。


柏木の頭に、容赦ないチョップが来た。


「いっっ!!?」


声が裏返る。


「……誰がハーレムですか!」


低く、冷たい声。


私だ。


「言葉を選びなさい」


柏木は頭を押さえながら、

涙目。


「ちょ、鷹宮さん!?」


「冗談じゃん!」


「冗談で済むなら、

 風紀委員はいりません」


即答。


柏木は、

成田を見る。


「助けろよ!成田ぁ〜!」


「……自業自得だろ」


成田は、視線を逸らしたまま言う。


白石さんは、くすっと笑った。


「柏木、朝から元気だね」


「お前もだよ!」


周囲から、小さな笑い声。


少しだけ、空気が和らぐ。


(……よかった)


私は、小さく息を吐いた。


でも。


(この“普通”が)


(いつまで続くんだろう)


校舎を見上げながら、

そんなことを考えてしまう。


今日からまた、学校。


噂も。

視線も。

立場も。


全部、

ここから再開する。


——それでも。


今はまだ。


この三人で歩いている時間が、

少しだけ心を支えてくれていた。

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