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アサガオが咲くときまで  作者: 筑波みらい
第二章 セカンドアタック
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第四十八話 不機嫌な真昼

昼休み。


俺は、生徒会室から教室へ戻る廊下を急いでいた。


鷹宮の件や東雲の件、引き継ぎ資料などなど


考えることが多すぎる。


(……昼飯どうしよ)


そう思った瞬間。


「——旭!」


聞き慣れた声。


振り向くと、真昼が腕を組んで立っていた。


明らかに機嫌が悪い。


「……どした?」


「どしたじゃない」


真昼は、じっと俺を睨む。


「もうここ一週間近く一緒に昼食べてないんだけど?」


「あー……」


思い当たる節がありすぎる。


「でも今、ちょっと立て込んでて——」


「“ちょっと”?」


語尾が鋭い。


「資料の移動とかさ、引き継ぎとか...」


一つずつ指を折る。


「私、旭の幼馴染なんだけど?」


「……そうだけど」


「そうなら!」


声が、少し大きくなる。


周りの視線に気づいて、真昼は一歩近づいた。


「私さ」


少し声を落とす。


「生徒会が大事なのは分かってるよ」


「忙しいのも」


「でも」


一拍。


「“忙しいから後で”って言われ続けるの、結構くるんだけど」


胸が、ちくっとする。


「……悪い」


素直に言った。


「本当に」


真昼は、一瞬だけ言葉に詰まる。


「……そうやってすぐ謝るのも、ずるい」


「え?」


「怒りにくくなるじゃん」


そう言って、少しだけ視線を逸らして小言を言う。


「ゴニョゴニョ...」


「なんだよ」


ため息をついて言う。


—————————


「旭が遠くに行くの、嫌なんだよ」


小さな声。


「生徒会長とか、関係なく」


「なんか……私だけ置いてかれてる感じがして」


俺は、何も言えなかった。


「……で、今日は?」


真昼が、ちらっとこっちを見る。


「一緒に食べられる?」


スケジュールが、頭をよぎる。


でも。


「……行く」


即答した。


「行こう」


真昼の表情が、ほんの少しだけ緩む。


「最初からそう言えばいいのに」


「ごめん」


「もういい」


そう言いながら歩き出す。


「でも」


一拍。


「次も同じだったら、本気で怒るからね?」


「……はい」


返事をしながら思う。


(……俺ってちゃんと周り見えてるか?)


生徒会、改革、そして責任。


大事なものは増えた。


でも。


それと同時にこぼれ落ちそうなものがあることを。


この時の俺はまだはっきり分かっていなかった。


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