相対性幸福論
私は幸せです
世界には自分のしたくない仕事を強要される人がいるのですから
だから仕事が嫌いではない私は幸せです
私は幸せです
世界には親に捨てられて孤独に生きている人がいるのですから
だから両親が揃っている私は幸せです
私は幸せです
世界には肉体と精神の性差に苦しむ人がいるのですから
だからそれが一致している私は幸せです
私は幸せです
世界にはその日食べるものにも困っている人がいるのですから
だから食べ物を買うお金のある私は幸せです
私は幸せです
世界には働くのもままならないほど弱っている人がいるのですから
だから五体揃っている私は幸せです
私は幸せです
世界には生きたくても生きられなかった人がいるのですから
だから生きている私は幸せです
幸せです
幸せです
私は幸せなはずなんです
私は幸せです
毎日終電まで働いているけれど
それでも幸せなはずなんです
私は幸せです
両親に愛されていなくても
それでも幸せなはずなんです
私は幸せです
同性への恋が実ることがなくても
それでも幸せなはずなんです
私は幸せです
固形物が喉を通らなくても
私は幸せなはずなんです
私は幸せです
月一で過労で倒れても
私は幸せなはずなんです
私は幸せです
死にたいと思っていても
私は幸せなはずなんです
幸せなはずなんです
幸せなはずなんです
誰かと比べれば私は幸せなはずなんです