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公爵令嬢は役を演じない  作者: 南雲
3/4

神殿

「お姉様わたし神殿に行くの初めてで、とても楽しみです。わたしたちにスキルがあるのかを調べてもらうのですよね?」

「そうよ。スキルだけでなく魔力量も調べてもらうわ」

私たちは王宮に向かう前に神殿に向かっていた。貴族はとても強力な魔力を持って生まれてくる子供が多く、魔力が多いとスキルが高確率で発現する。つまり私たちのもスキルが発現している可能性があるのだ。スキルを持っていることは貴族の間ではとても重要でそれによって将来を左右されることもある。もし私たちのどちらかが珍しいスキルを持っていたら何としても王子との婚約を成立させようとしてくるだろう。今のままでは逃げ道を作ろうにも王宮に行けば味方は誰もいないし、常に監視されるだろうから時間が無い。せめて使用人として誰か連れて行ければ……


「神殿へようこそ、私のことはクリュトと気軽にお呼び下さい」

「クリュト様今日はよろしくお願いします」

出迎えてくれた大神官様に私がそう挨拶するとアミアが慌てて真似をしてお願いしますと行った。本当は葬儀の日のお礼もしたかったが、後ろに王妃が送ってきた護衛がいるのでこの場で話すわけにはいかない。

「さっそくお二人のスキルを調べに行きましょうか!まぁ私が調べるわけじゃ無いんですけどね」

「はい!お願いいたします」

クリュト様が張り切ったように言うとアミアが元気に返事をしてついて行く。葬儀の日は真面目な方に見えたが神殿の中だとあんな感じなのか、大丈夫なのか心配になってきた。

「ではこの水晶に触れて魔力を流してください。それで魔力量とスキルの両方がわかりますので」

説明が適当すぎなんじゃないかこの大神官、私もアミアも魔力なんて扱った事がない魔力を流せなんて言われてもわかるわけないのだ。それにこの水晶はこの国に一つしか無い貴重な魔道具なのだから扱いには細心の注意が必要の筈なのにさっきから水晶をペシペシと叩きながら説明している。

「大神官様説明が雑です。それでは令嬢たちも分からないでしょう。あと水晶をもっと大事にして下さい」

誰かが私の思っていたことを全て言ってくれた!でも誰が?

そこには真っ赤な髪と金色の瞳を持った少年がいつの間にか立っていた。王妃の手下‥じゃなくて護衛達も驚いている(護衛達も気づかないなんて、彼が凄いのか護衛が無能なのかどちらにしても油断できない人だな)

「リオン気配を消して近づくのはやめなさい。失礼しました彼は私の後継者のリオンです」

「どうぞよろしくお願いします。これからたくさん会うことになりそうですからね」

「こちらこそ、これからも良い関係でいられるように努力するわ」

((こいつ絶対に腹黒そうだ))

リオンはにっこりと笑ってそのまま大神官の横に行くと水晶に触れて説明する。なんでも水晶に触れて念じれば勝手に魔力を吸い取って計測してくれるらしく、魔力の流し方がわからなくても大丈夫なのだとか。

クリュト様が紛らわしい言い方をして申し訳ないとヘラヘラしながら謝っている。きっと今神殿を纏めているのはリオンなのだろう。リオンは今の公爵家のことを知っているのだろうか、知っていなくても味方につけなければ厄介な相手になりそうだ。

なんとしても神殿内の人たちには協力してもらわなければ

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