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公爵令嬢は役を演じない  作者: 南雲
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はじまり

「アミア・ヴィエルシュ公爵令嬢 俺の婚約者になってほしい」

ルキャット王国の第一王子フリッシュは15歳の誕生日パーティの場で私の妹であるアミアにそう言った。

アミアの方も殿下を好いていたからきっと上手くやっていけるだろう婚約者候補に決まった時から厳しい教育に耐えてきた甲斐があったというものだ私の場合は無駄になってしまった時間がもったいないが知識は無駄にならないので良しとするか。

会場はすっかりお祝いムードだが殿下だけが厳しい顔をしてこちらを見ている周りもそれに気づいてチラチラとこちらの様子を窺っている。

「やはりフェリシエ令嬢は婚約者に選ばれませんでしたね」「婚約者候補でありながらいつも平民と一緒に行動しているなんて」「それ以外にも悪い噂は山ほどありますわ」

ヒソヒソと噂好きの令嬢達が話しているのが聞こえてくる。まぁ今も隣に噂の平民ヴァールが居るから無理もないヴァールは周りを観て心底楽しそうに笑っているただのその笑い方が相手をバカにしたような笑い方だったので私も釣られて笑ってしまう。

「そろそろ殿下にお祝いを言いに行きましょうか」「いよいよだな」

私達は笑みを浮かべながら殿下たちのもとへ向かった。

ああ、本当にいよいよだ10年間この為に我慢してきたのだから絶対に成功させる!



ヴィエルシュ家はルキャット王国を支える公爵家で神殿の古くから管理を任されていたが神殿が民からの信頼を得たりして勢力を強め出したのを陛下が放っておくはずもなく王族と神殿の繋がりを作るために私たち姉妹は王子の婚約者候補に選ばれてしまった。これが悲劇の始まりだったのだろう

「お姉様私たち王子様の婚約者候補?に選ばれたみたいです」

アミアはよく分かってないようでそれでも大事な事なのは分かるのか私に説明しようと必死になっている。

「アミアお父様とお母様のところに行きましょうきっと詳しく説明してくれるわ」

自分が説明できなかったのが悔しいのかアミアは少し涙目になっている。そんなところが愛らしいと思いながら手を繋いであげると笑顔になって「お姉様早く!」と急かしてくる私の妹はこんな単純で大丈夫だろうか。

お父様の書斎に行くと2人は難しい顔をして王室からの手紙を見ていたが私たちが来た事に気づくと笑顔を見せて呼んでくれた2人の雰囲気がいつもと違うのを感じたのかアミアが少し緊張しているので繋いだ手に少し力を入れて大丈夫だと伝える。

「フェリシエ、アミア2人を第一王子であるフリッシュ殿下の婚約者候補にと国王陛下から言われてね2人はどうしたい?候補だとしても教育が必要だから決まってしまったら王宮で暮らさなくてはいけなくなる」

お父様がそう説明してくれた。王宮で暮らすなんて冗談じゃない!私はお姫様よりもっと楽しい事をしたいのだ厳しい教育なんてごめんだ!

「私は辞退します」そう言って書斎から出て行こうとするとアミアが「お姉様が行かないなら私も行きません!」と叫んで私の後を追いかけて来た。

「アミア良かったの?お姫様になるチャンスだったのに」

アミアは可愛らし物が好きだドレスや人形その中でも特に気に入っているのがお姫様が出てくる絵本、だから私はアミアはお姫様に憧れがあるのだと思っていたのだが違っていたのだろうか?

「私はお姉様と一緒がいいです!離れ離れになるなんて考えられません」と言って私にひっついて来る。

つまり私が妹の夢を奪ってしまったのだろう。

「アミア貴方は私が絶対に幸せにしてあげるからね」私がそう言いアミアを抱きしめると「私はお姉様と一緒にいれるだけで幸せです!」と言ってくれる。

私は何としてでも私たちが幸せに暮らせるようにすると決意した

その夜私は確認しておきたい事があったのでお父様の書斎へ行く

「お父様、お母様今回の婚約のお話王家の狙いは神殿ですか?」そう言うと両親は驚いた顔をしてから諦めたように笑い私に詳しく教えてくれた。

今回の件は私が考えが当たっていたようだ。国王は神殿を王家で管理するために私たちを利用しようとしているというのが両親の考えらしい。国王からも少し前から神殿を国で管理したいという話があったらしく間違えないこととその計画を防ぐために準備していた事、その為に私の協力が必要なこと全てを話してくれた。


数日後、領地の視察に行っていた両親が事故にあって亡くなった

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