もう一人の勇者
注意!投稿主の偏見などがあるかも知れません。
軽い気持ちで投稿していますので、軽い気持ちで読んでいただければと思います。
「はは、兄ちゃんも大変だね。司教だってのに、魔の森に行かなきゃなんないなんて。」馬車の業者のおじさんに笑われる。
「正確には魔の森付近の教会ですけどね。」
「細かいんだよ、最近の若者は。」ガハハと大笑いする。
「に、してもだ。こんな大荷物あるかい!?」爆笑しながら馬車の中を指差す。
「そうですね。多すぎますよね。」あの後もあれやこれやとバカみたいに色々な荷物を渡されて、馬車の中は人が入るスペースなんてほぼない。
「あぁ、面白い話を思い出したぞ。帝国も勇者召喚を成功させたとかなんとか。」帝国。俺たちを呼び出した王国と長らく戦争を行なっている、いわば敵国。
「なんでもその勇者様が筋金入りのーー、...少しスピードを落とすぞ。」話の途中でおじさんの雰囲気が変わる。
「国境に近づいてきましたか。」そう、魔の森とは、王国と帝国、そのどちらにも含まれる為、魔の森付近というのは国境付近であり、帝国の人間が攻撃してくる可能性もあるのだ。そういうこともあり、おじさんは周囲を警戒しながら慎重に進んでいるのだろう。
「!!...まずいな。ブラックウルフだ。」人間を警戒していたが、流石魔の森付近。平気で魔物も現れるのか。
「相手をします。」馬車から身を乗り出し、光魔法を構える。ーーが、狼達の背後に物凄い砂煙が巻き立つのを確認し、何事かと目を凝らす。
狼達がその砂煙に巻き込まれた直後、血飛沫が舞う。そして、その煙が晴れた後、そこに立っていたのは一人の人影。
「ふー。この森はレベリングに最適だね。」女の子の声がする。しかも、声的にかなり若い。
本で読んだが、ブラックウルフは単体でも強力た魔物。それを女の子一人であんな簡単に倒し、レベリング、ただの狩の標的でしかないような発言。ほぼ間違いないだろう。彼女はーー
「ん?馬車じゃん!乗せてもーらお。」異世界人、それも、帝国が召喚したという、もう一人の勇者だ。
ご閲覧ありがとうございました。
こらからもゆっくりやっていくつもりです。