見えない宝石
目には見えない亀裂が走る 傷付いたアスファルトの上で
目には見えない心を押さえて ただもどかしくて裸足になって
石を蹴りながら進む道 なぜ蹴られたのかと石を蹴る
そのとき小石は溝へ落ち 石でもないのに心が痛い
人の痛みは分からない 人の痛みには触れない
人はヤマアラシと違い 人であるため言葉を持つ
トゲの代わりに知恵があり トゲの代わりに言葉がある
目には見えない傷が増え ときに話せない動物になる
尾を切り落として何になれる 毛が抜け落ちたら何になれる
失うことを進化とするから 歩み寄ろうとすればするほど
なんだか石を投げ合うみたい それでもあなたの笑顔が見たい
跡形もなく傷付けば 宝石になれると信じてる