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上中下の上

 今回仕事を請け負ったのは私ではなく探偵である。私はその探偵に、付いてきてと頼まれてやってきたオマケの立ち位置である。

 地方の港鉄道で半年に一度のペースで不審死が起こった、寝ていると思われた乗客が三人、終点でも起きず揺すってみたら死んでいた、病気も外傷もないため警察も医者も不自然だとは思うのだが、では不審な行動は取っていたのか不審者がいたのかといえばそんなこともなく、捜査のしようがないのだ。

 死んだ三人目が有力者の大切な人だかとかで、町内会で不審死を調べる能力を持った者が選ばれ、それが探偵であった。そしてこの探偵が、一人で遠方まで赴くのは嫌だと私を助手に指名したのである。

 鉄道の本線から港鉄道の始発駅で降りた。町内会から迎えに来た者が三人、それぞれのお付きが三人、そして探偵と私の計八人で港鉄道に乗る。

 探偵は三人から、死んだ人がどこに座っていたか、どの駅から乗ってどの駅で降りるはずだったのか、三人の共通点や仕事や知人などの説明を受けている。私も説明を聞くべきなんだろうが、通路が狭くて背伸びをしても三人が指し示すところがよく見えないため、途中で諦めて座席に座った。

 お付きの三人が(いいのか?)という顔で私の見るのだが、笑ってごまかす。

 説明は続いている。

 天気が良く、気温も気持ちが良く、車窓から見える風景も適度に農村で適度に山海があり、振動も走行音も完璧である。

 心地よさに目を瞑る。

 と、目の前に男が一人座っていた。

 こちらをみてにやりと笑う。周囲を見回すと誰もいない。

 あ、始まったのか?

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