第九話:男子バスターの休日(1)
さて、うちの男子バスター達はどんな休日を送っているのかちょっと気になってます。
今日は大地とデートだったんだけどゴメン! 大地!
「快、明日遊びに行こう! 紫織はデートだからつまんないの」
高校生バスターの休みが重なることは滅多にありません。
なので暇を持て余している者がいれば翡翠が遊べと騒ぎます。
「どこに行くんだ?」
さすが快! 翡翠を思い続けて断る理由なんてありません!
だけどその日にいきなり任務に刈り出される隊長なので、一日遊べる保証はないですけど…
「グリーンランド! 紫織もそこに行くんだって!」
「お前なぁ…邪魔すんなよ」
半ば呆れながら快は言いますが、
「だって…優奈が任務になっちゃったからフリーパスが勿体ないってくれたんだもん」
そりゃそうです。何箇所も飛び回らなくちゃいけないなんて私も大変ですし。
「よりによって今日かよ…仕方ねぇな…」
フリーパスは高いですからね。
まあ、今回は社長が手配してくれてるので私の懐はダメージ無しなんですけど。
「じゃあいこう! 夢乃さんがね、新しい服買ってくれたんだ!」
「またか!?」
快は驚きます。夢乃さんは快のお母様。私達女子高生バスターにはすごく甘いです。
まあ、人数が少ないので特別視しちゃうらしいんですけど。
「お前なぁ、母さんだから断れないことは分かっちゃいるが、少しぐらいの抵抗見せろよ」
「無理だよ〜夢乃さん私が遠慮するとコーディネーター総動員しちゃうもの」
おっしゃるとおりです。私達の洋服代を夢乃さんは惜しみません。
男子バスターの休日は、時に夢乃さんに引っ張られて私達の服選びになります。
この前の快は本当に任務よりきつそうな顔をしてたっけ…
「全く…よくうちは路頭に迷わないよな」
そりゃ迷わないでしょ、その気になれば世界一のお金持ちになれますよあなたの両親。
「とりあえず着替えてくるから行こう!
すごくかわいいミニスカートなんだ!」
「あまり短いのはいてくるなよ。いきなりの任務に移行したら面倒だからな」
さすがは隊長。ちゃんと任務のことも翡翠のナンパ対策も万全です。
翡翠って紫織や陽子のモデル体型には負けるものの、しなやかな身体ですからね。
「ええ〜!! 今日のスカートは夢乃さんが絶対単品で着た方が可愛いって…」
「レギンスぐらいはけ。嫌なら違うものにしとけ」
翡翠のミニスカートは死んでも他の人に見せたくないのね、快…
「仕方ないか…だったらショートパンツにしよ」
いやいや、翡翠ちゃん! あくまでも足剥き出しですか!?
快の静止も聞かずにお部屋に直行。
「快、諦めろ。あいつに危機感なんてものはない」
大地はサラダを快の前に差し出しながら溜息を付きます。ゴメンね〜やっぱり凹んでる…
「いいさ、最悪幻術使うから」
そこまで独占欲強いのですか!?
まあ、夏のプールに行った時に快の機嫌がMAXに悪かったのは事実ですけど。
「とりあえず楽しんでこいよよよよ…」
「泣くな」
「泣かずにいられるかぁ!!」
「じゃあ怒るな」
本当に冷静な隊長です。
これは観察が楽しみだわ。




