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第八話:男子バスターの食後

 食事がすんだ後は寝るだけ・・・・な男子バスターはうちにはいません。

 任務がない日は各々が自由に過ごしています。

 大地は料理の後片付けに追われていますけど、残りのメンバーはどのように過ごしているのでしょうか・・・・



「快ちゃ〜ん! 英語の訳見せて〜!!」


 快の部屋に白真、翔、龍二の三人が押しかけてきました。

 修は快と宿題を半分ずつやって答えを写し合っています。

 寝巻まで持ち込んでるところを見ると今日は夜通し快の部屋で将棋かゲームなんでしょう。

 あっ、お風呂は快の部屋にシャワーがありますよ。

 TEAMには個人の部屋にある程度の施設が配備されていますから。


「だったら化学と数学のノート貸せ。

 龍二も咲から古典のノート借りてるなら見せろ」


 等価交換の原則に三人は従います。

 全員バスターなのでノートの貸し借りは基本です。

 私も後から写させてもらおっと。


「修ちゃん、今日は快ちゃんの部屋にお泊り?」

「なんだ? 二人って怪しい関係か!?」

「ノートはいらないんだな」


 修を敵に回していいことはありません。

 龍二から英語のノートが取り上げられます。


「すみませんでした! 昼間の将棋の続きか?」

「いや、新しいゲームソフトを氷堂さんに貸してもらったからさ、今日は夜通し遊ぶ」


 そして差し出したゲームはゲーマーの翔にクリーンヒットした模様。


「快! 俺も付き合う! さっさと宿題写せ!」


 翔のペースが速くなります。

 翔って本当に不思議なんですが、数学は得意なのにどうして化学とかはダメなのかしら?

 化学も計算だけは好きみたいなんですけど・・・・


「翔が泊まり込むなら俺も」

「龍二と白真は寝とけよ! 明日は朝から任務なんだろう」


 さすが跡取り息子、友人達の任務は把握しています。


「別に問題ないだろ」

「ダメだ。特に龍二は影の仕事なんだろ」


 夜更かしするだけでも危険な任務なら尚更です。

 快は怪我をしてほしくないからこそ体調を整えることを第一にしています。


「・・・・分かったよ」

「白も隊長なんだから分かってるよな」

「うん、仕方ないか」


 二人して残念という顔です。

 だけど時間はまだ9時。快は少しぐらいの優しさはあるようです。


「11時前には寝ろよ。それまでならいても構わないからよ」

「快ちゃん大好き〜!!」


 白真は快に抱き付きます。それを必死に剥がそうとしている間、修の鋭い一言が龍二に入ります。


「龍二、お前は宿題写して早く寝ろよ。

 明日は3時から出るんだろ」

「修のケチ!」

「やっぱりノートはいらないか?」

「いえ、申し訳ありませんでした」


 権力に敵わないのはTEAMならでは。

 特に高校生バスターには顕著にあらわれることがしばしばあります。


「うっし、出来た。先に風呂入るぞ」

「俺もすんだ。たまには温泉に浸かるか?」


 快と修はあとに快の部屋のシャワーを勝手に使うであろう友人達のためにTEAM内のお風呂を利用しようと立ち上がります。


「待って快ちゃん、修ちゃん!」


 さすがは意外と優等生色鳥白真。

 いつの間にか宿題は終わっています。


「すぐに俺も着替え持ってくるからさ」


 お祭り大好き白真である。お風呂で我慢大会とか言い出さなきゃいいんだけど・・・・


「分かったよ。あとで大地も来るだろうから何かツマミ持ってこいって言っといてくれ」


 ツマミって・・・・お酒でも飲む気なんですか快・・・・

 まあ、知るかぎりではタバコをやらないだけ真っ当な高校生ですけどね、彼等は。


「分かった。言っとくよ」


 カリカリとシャーペンの音だけが響く快の部屋。

 さて、私も大地と早く宿題済ませちゃお! もちろん快の部屋に潜り込んでね。




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