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プロローグ2 はじめての家族げんか

ほのぼの兄妹喧嘩です


「お兄様なんて大っ嫌い!」

この日ブラック家に激震が走った。

空は氷の雨を降らし、地は揺れ、海は荒れ狂った。


ブラック家は高名な魔法使いの家である。

家のものは皆魔力が高い。

そんな家族に愛された天使が兄を中心に家族にそっぽを向いた。

天使に見放された哀れな人間はもう嘆き悲しむしか未来は無いのだ。

それはもう嘆き、悲しみ、世界の天候すらも荒れさせてしまった。


「ごめんよエマ。お兄様はエマの為に言ったんだよ。」

エリオットがエマを宥めるように言う。

それでもエマはそっぽを向いたままだ。

「エマ、一人で市井には行けないんだよ。危ないんだ。だから、僕と行こう。ね?」

ショーンはもう涙目だ。

「いや!絶対お兄様とは行かない!!嫌い!」


そもそもはエマが市井に行きたいと言い、兄ショーンと共に行ったところが事の発端だ。


エマは最初は機嫌良く歩いていたのだが、ショーンの過保護が炸裂し、エマの機嫌を損ねてしまったのだ


「お兄様とはもう行かない!侍女と護衛と行く!お兄様は絶対嫌!」

「ごめんよ。エマ。ゆるしてくれ。」


「エマちゃん。許してあげなさい。ショーンだってあなたのためをと思って考えたのよ。」

「そうだよエマ。ショーンの気持ちも考えておあげよ。」


「パパもママもお兄様ばっかりかばって!ばか!嫌い!」

パタパタと足音をたててエマは部屋に引きこもってしまった。


「ショーン。エマちゃんだってさすがに人とぶつかって、転んだとしても相手の人が斬りかかられたら嫌だと思うわ。」

アリアの声にショーンは俯く。


「感情は抑えなきゃいけないのよ。呪ってはいけないわ。憎んではいけないわ。お爺様が見ていらっしゃるのよ。」

「はい…」

ショーンも部屋を出ていく。

この喧嘩もすぐ治るであろうとわかっている両親は微笑ましい兄妹喧嘩を微笑ましく思いながら、息子に常識を叩き込む準備をし始めた。


「エマ…ごめん。」

部屋の前にポツリとショーンは声をかける。

「嫌。私は私のせいで人が痛い思いするのも嫌。」

「うん。ごめんよ。僕が悪かったよ。ごめん。」

「うん…」

ドアを開けてエマが顔を出す。

「どうぞ」

その顔を見てショーンは血の気が引いた。

エマの目は赤く腫れ充血していた。泣いていたのだ。

自分の愚かさに浅はかさに腹が立っていた。

当たる術もない苛立ちは涙として溢れ出た。

「エマ…エマ…エマごめん…ごめんね…ごめん…」

しゃくり上げながら泣き出したショーンに驚きながら腕を引っ張り部屋に入れた。

「泣かないでお兄様。お兄様嫌いって言ってごめんなさい。嫌いにならないで。ごめんなさい。嫌いじゃないです。ごめんなさい」

エマも泣き出し部屋のソファーで2人で泣き続けた。


エリオットとアリアが部屋に行くと、2人の可愛い天使たちが目を腫らして寄り添って寝ていた。


そんな姿もとても平和で愛おしかった。


数日後

満身創痍のショーンの横でエマが駆け回る。

2人とも剣術を習っていた。

エマは剣術に長けていた。身軽な身のこなし、美しく鋭い剣筋。エマは剣術が楽しく元気に駆け回りはしゃいでいる。

女の子にも生き抜く力を。これがブラック家の家訓である。

ショーンも優秀なのだが何せこの前失態を侵したため量も長さも3倍近くなり扱かれている。


そんなショーンの姿を見ながらエマは笑った。


「ねぇ、お兄様?」

「どうしたんだい?エマ」

「昔、お兄ちゃんって呼んだら何でもしてくれるって言ってたの覚えている?」

「ああ。覚えているよ」

ニィっとエマが笑う。

「ずっと勝てなくて、悔しかったの。この間本で読んだのよ。勝つためには手段を選ぶなと。ね。お兄ちゃん、手合わせお願いできるかしら……?」


少しの間の後、初の勝利に天使が笑顔で舞っていた。

次回シリアスです!

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