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そうしてお姫様は、

捨てられた椅子が物語る世界

作者: 東亭和子
掲載日:2017/08/21

 小さな王国だった。

 どうしてこんなに小さくて今まで平気だったのだ、と思うくらい。

 小さくて平和な王国だった。

 王国に住む人々も陽気で穏やかだった。

 貧しい人は無く、皆が裕福に暮らしていた。

 この王国はずっと続くと誰もが思っていた。

 王様でさえも、王妃でさえも、国民でさえも。

 旅人でさえもそう思っていた。

 こんな王国に暮らしてみたい、と思った。

 王様は寛大な人で旅人が住みたいと願えば、この王国の住人になれるのだった。

 だから旅人は皆この王国に憧れた。


 一人の旅人がこの王国を訪れた。

 そうして惜しみながらも王国を去って行った。

 また、この王国へ戻ってくる事を希望として旅立ったのだ。

 旅人には目的があった。

 その目的を果たせば、またこの理想の王国へ来ることが出来る。

 そうして暮らすことが出来る。

 旅人はそれを楽しみにしていた。

 

 目的を果たし、旅人がこの王国へ戻って来たのは3年後のことだった。

 期待を胸に王国へ入った旅人は愕然とした。

 綺麗で陽気だった王国は荒れ果てた瓦礫に変わっていた。

 陽気だった人々もそこには存在せず、ただ廃墟があるばかりだった。


 王国に何があったのだろうか?

 噂は何も聞かなかった。

 旅人は王国の中央にある王宮へと向かった。

 王様はどこにいるのだろうか?

 崩れた王宮で見つけたのは壊れた玉座だった。

 ああ、理想の王国は消えてしまった。

 旅人は呆然と立ち尽くし玉座を眺めた。

 そうして日が暮れるまでそこに立ち尽くしていたのだった。


夢は夢のままに

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