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第四話:醜陽歌

神無の娘の胸中(?)です

 私は失った。何もかも。

 涙を流すことさえ忘れた。

 あぁ、あの朝日のなんとおぞましいことだろう。あの一見して美しい陽光は、私たちが生きた闇という名の牢獄を解き放ち、更なる悲劇の呼び水となるのだ。

 終わりを告げよう。私たち一族のたどってきた運命に。

 目を閉じよう。もう決して迷わぬように。

 あぁ、母さん。私は今、この現状に別れを告げようとしています。

 私は決めました。

 私は決めました。

 この結末に、私の心は歓喜しています。

 祖先よ、あなたたちは私の選んだ道にお怒りになるかもしれない。しかし私にはもう耐えられないのです。私にこの先もこうして霜の床で袖を濡らせなどとはゆめゆめ仰いますな。古に神の禁忌に触れたあなた方をお恨み申し上げます。

 あぁ、夜が明ける。夜が明ける。鳥たちよ、歓喜の歌声を聞かせてはくれないか。弔いの、しかし華々しい歓喜の歌を!

 紅々とした村が見える。私の目に映るのは真実そのもの。虚実のいっさいも私の前では真実をさらけ出す。

 さあ、今日は最後の宴。そうだ、あの方をお招きしましょう。私の宴をあの方にもご覧いただかなければ。

 悲劇で幕引きされる物語ほど美しいものはない。悲壮感ほど人の哀愁を誘うものはない。この結末を、あの方はどう思うだろうか。 あぁ、何故もっと早く決断してしまわなかったのかしら。苦しみからやっと解放される。悩んでいたのが馬鹿みたい。生きている限り、やはり何も感じないというのは不可能なのだ。 太陽が昇った。


 さぁ、歌い、踊りましょう。

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