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長政はつらいよっ!弱小浅井はハードすぎ!!  作者: 山田ひさまさ
~ 朝倉氏、義秋公を奉じ上洛す ~
94/111

『長政の手紙』 ~ 書簡集 ~


今回は、趣向を変えてお送りいたします。




戦国武将は、筆まめです。

現存する分だけでも、軽く本が出来るくらいです。


家臣へのこまやかな気配りも数多く見受けられます。

寺社への配慮も数が多く、仲裁の話も多いです。

商人への注文依頼、等々。


いやはや日本人は、記録マニアです。


というわけで、長政の手紙を妄想いたしました。



~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~



― 拝啓 ゆかり 殿 ―


私は今、京の都は南禅寺におります。

戦のために焼かれてしまった境内を借りて、陣屋を築いております。


洛中に兵を入れるのは、あまり好ましくありませんからね。

いずれは再建のお役に立てれば良いかと思います。


此度こたびの在陣は、長引きそうであります。

留守をよろしく頼みます。


                        浅井 近江守 長政




~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~




― 直経へ ―



朽木元綱の奴め~

いらんことばかり景鏡に吹き込みやがって、あの腰巾着が……

くそ腹がたつ、いずれ朽木をぶっ潰してやりたいわ


            ― 中略 ―


何か弱みを握っておくように、徹底的に調べさせろ。


                              長政




~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~



― 磯野 丹波守 員昌殿 ―



佐和山城は、浅井の要の城なり。

織田の動きに不穏ありと聞く、場合によっては臨機応変に対応されたし。


浅井随一の名将として、的確な采配を望む。

私自身はしばらくは京から動けん、というか動いては不味い。

長島の本願寺(願証寺)の事、日野衆の事お願い申す。


                          浅井 近江守 長政

 


~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~



― 一色 右兵衛大夫 竜興殿 ―



飛騨の仕置き、竜興殿の配慮により上々のこと、祝着至極

浅井の一門として、恥じぬよう民を導いてくだされ。


一向宗の取り扱いには、くれぐれもご留意くだされ。

離れておるゆえ、緊密な便りを望みます。


                        浅井 近江守 長政    



~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~



― 竹中半兵衛重虎殿 ―


お体を大切にしっかりと養生くだされ。

上洛の件は、それがしが責任を持って対処するゆえ心配はご無用。


武田・織田の動きにのみ、目を光らせるよう皆を導いて欲しい。



( 泰香へ )


しばらく蔵良くららをかまってやれそうになくてすまない。

いずれ、またそのうちに……


                            浅井長政



~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~



― 綾姫へ ―


これから暑くなる季節です。

くれぐれも体調だけには気をつけてください。

愛姫あいに夏風邪などひかせぬよう、気をつけてくださいね。

あなたももう母親なのですから。


先日、機会があり義兄上の前久殿にお会いいたしました。

気さくに声をかけていただけるのも、そなたのおかげです。

いろいろと便宜を図ってもらいました。


ご両親もお元気だということですよ。

家の者に命じて何かお中元を贈るつもりです。

そなたからも、なにか要望があればお絹に申しつけてください。


                         ながまさ




~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~



― 竹中重元殿 ―



なにやら織田・松平のあたりがキナ臭いもよう、調略には充分に気をつけるように。

必要と判断したなら、一時中断せよ。


たまには蔵良の顔でも見てやるように。

仕事ばかりでは身体をこわすぞ。

半兵衛の替わりには、重矩を仕込むようにな。


無茶はするなよ。


                          浅井 近江守 長政




~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~



― 防衛隊隊長へ ―


願証寺の守りは、その方らの双肩にかかっておる。

武芸に励み、職務に精励されたし。


                    浅井 近江守 長政

 



~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~



― 各位 ―


織田信長・松平元康の尾張・三河連合が、先般、伊勢長島の願証寺他を襲撃した。


長島の守備隊の奮戦により、加持戸島・大島を奪われるもそれ以上の侵攻を許さなかった。

磯野丹波守員昌、西美濃衆の素速い行動によりそれ以上の大事がなかったことは重畳である。


ゆめゆめ動揺することの無きよう、申しつける。

すでに討伐軍を編成中である。


根拠無き噂に振り回されず、職務に務めてもらいたい。



                           浅井 近江守 長政




~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~



― 爺、遠藤直経、海北綱親 他皆 ―



やべえ、俺動けねえよ!


浅井が領内を荒らされているなんて、景鏡や元綱が騒ぐとまずい。


外聞が悪すぎるわ~


上洛の軍にケチを付けるわけにはいかんので、そちらに対応を任せる。

一万ほど率いて押さえ込んでくれ。


                        賢政じゃなくて長政




~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~



― 浅井政元・政之殿 ―



そろそろ上洛戦の決戦が起こるだろうから、政之は兵1000を率いて参陣してくれ。

政元はすまないが、留守を頼みたい。

あと政之の支度を手伝ってやってくれ。


政之よ

長引くかも知れないので、キチンと懇意な女性関係にはご挨拶しておくように。

山科ぐらいまでなら、独りぐらい囲ってもいいが……


まあそれは良いとして、早く来い!


                            新九郎長政




~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~



― 祐へ ―


京の夏は暑いぞ!


直盛殿がバテているので、姫達に爺への励ましのお手紙を書かせてくれ。

あと母上の分も忘れずに。


虎は、キチンと稽古しているか?

兄弟げんかなんかさせるなよ。


奥向きのことは、お前達に任せたからな。


                           夜叉丸



~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~



― 蔵屋おばさま ―


ご無沙汰しております。新九郎です。

京での在陣中ゆえ、ご無礼を。


京・大和にて珍しいものを手に入れましたのでお送りいたします。


海津どの達にもよろしくお伝えください。


                         浅井新九郎長政




~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~



― 父上(浅井久政) ―



ようやく例のコマを手に入れ申した。

そちらに送りますので、よろしく歓待してください。


くれぐれも頼みましたよ!


                        猿夜叉丸



~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~



名前がバラバラなのは、長政の遊び心です。



蔵屋は、長政の父.久政の姉です。

(影の最高権力者です。)


泰香が産んだ娘に、蔵良と名付けたのは、蔵屋の威光にあやかったものです。





いかがでしたでしょうか?

こういうのが嫌いな方は、申し訳ありませんでした。

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