「楽市楽座」を見学しよう!
楽市楽座のお話しです。
猿夜叉丸は、長政?だけに、『市』が大好きです!!
だって、儲かるから。
明るい未来を掴むため、もがくように必死で修練に励む俺。
だが、そんな俺もまだまだ子供(6ちゃい)である。
稽古が終われば父母の居る故郷を慕い、たまに屋敷を抜け出しては、江北の方の空を眺め、涙をこらえきれずに泣いていた……。
などという事は無く。(中身大人ですから)
頻繁に抜け出しては、市のある石寺の様子をずっと観察していた。
『石寺の楽市楽座』
信長に先んじておこなわれた一大革命。
一昨年の天文18年(1549年)から始まった。
とにかく”スゴイ”の一言だ。
ホントだぞ。判りやすく表すと。
「コミケの抽選にあぶれたのなら、うちでやりなよ~」と、宮内庁が、回覧板で『お触れ』を出して。
年末からお正月にかけて、一般向けに皇居前広場を完全無料解放!!
オタクや腐女子にコスプレイヤーや、職人さん、その他諸々を一同に集めて、即売会・撮影会をするような物だ。
メイドさんとカウントダウンパーティーをしてさ、仲良く戯れた後、薄い本を買って、ついでに駅伝を観戦。
そのあと、たこ焼き食いながら一般参賀へ来い!!と言うようなカオスイベント。
そんなぐらいとってもスゴイ事なのだ。
従来の秩序をぶちこわしたのだ。
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というわけで、俺はいつもの通り、石寺の賑わいを眺めていた。
初めの頃の混乱はすでに無く、当たり前のように市が立っている。
行き交う人々の表情も、どこか穏やかで、しかも活気に満ちている。
そんな楽市・楽座には、周辺の国々から多くの人と富が集まる。
人々は仕事を、食糧を、物品を、そして情報を求めて観音寺城下へと押し寄せて来るのだ。
石寺の市には、多くの商人が集い、整備された通りには数多くの露店がひしめき合うように並ぶ。
日の本の各地からありとあらゆる品々が集まり、店先に所狭しと並べられていた。
「すごい、いずれは小谷城下でもマネをしたいな。」
『座』や従来の『利権がらみの慣習』それを打ち破るのだから、権力がないとなかなか出来ない事だろう。
それが、出来ているのだから、六角家は、スゴイのだ。
京の都、では「酒屋」と「麹屋」の座が張り合って、人死にが出るほど大混乱したことがあるらしい。
それほど利権と、既得権益、癒着は恐ろしいモノなのだ。
下手な大名が、うっかり『楽市楽座』など言い出したら、すぐに、主の座から転がり落ちる事になるだろうな。
「どうすれば、浅井が力をつけられるのか」を考えながら、今日も物見櫓に登り琵琶湖を眺めていた。
母なる、みずうみ。
「びわこはいい、こころが落ち着く。」
「さるやしゃまるさま、また、お城のおそとみてるのー」
可愛らしく声をかけてきたのは、六角氏の重臣平井定武様の娘の縁だった。
浅井家従属と人質の交渉をおこなった、例の御仁:定武が縁の父君である。
「もう日が暮れるよー、おこられるよ~」
「うん今、行く」
櫓から下りると、縁が駆け寄りおれに抱きついてきた、”ハグ”をぎゅーっと。
時代にそぐわない過剰なスキンシップは、果たして俺の影響だろうか?
ただ人懐っこいのかな?
縁は俺と同い年である。まあ、親が不在の俺にとって乳兄妹みたいなものだ。
というか、傍目にはまんま兄妹だ。
弥左衛門夫妻がこちらに来てくれるまでは、俺は平井さまの奥方のお乳で育てられていた。
母上と奥様はマタ友だったらしい。
産後の肥立ちが悪かった母に代わり、ずいぶんと世話をしていただいたようだ。
そんないきさつもあり、奥様は息子同然に可愛がってくれている。
縁もまだ良く判っておらず、たぶん兄妹のつもりだ。
その関係で、平井様もおれにとても優しい。
平井家にはホントお世話になっている。迷惑をかけないようにしなくてはいけない。
たしか長政の逸話として、奴は六角方の娘を娶り祝言を挙げたが……、
「心に秘めた叛意があり」、花嫁に手をつけないまま、しれっと新婚生活を送り、挙兵前に折を見て実家へたたき返したらしい。
「手を付けなかったのがエライ」、「意志が強い」、「義理堅い」、「誠実だ」という話しもあるが、果たしてコレ美談だろうか?
”手を付けていないから”といって娘にやった仕打ちは鬼畜だ、「結婚せずに滅びろよ」、と言いたい。
”手を付けていないから”と言って結婚した事実は残るし、愛されなかったのはこの時代の女性にとって屈辱だろう。
それに”手を付けたか?どうか”なんて、次の旦那以外が確認出来ねえべ。
「手を付けてない」って公言したの?
それ、どんな嫌がらせだよ。
俺は長政のようなことはしたくない。
相手が縁なら、せめて、おいしくいただこうと密かに思っている。
じゃなくて、絶対に幸せにしてやろうと思っている。
「俺は俺だ、長政みたいにはならない!!」
だが俺は、ロリじゃないぞ。
”敢えて言おう、縁は同い年だ!!”
~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~
二人仲良く手を繋ぎ平井屋敷に帰る。
平井様のお屋敷がある平井曲輪は、観音寺城の中でも別格といって良いであろう。
本丸にほど近く、標高375mで面積は約520坪。
登るにはなかなかホネの折れる、素敵な立地条件だ。
もちろん、見晴らしは最高だ。
東京タワーの特別展望室にコネで部屋を借りたは良いが……。
エレベータ代(1600円)をケチって、毎日階段を使うハメになりながらも意地で生活をするようなものだ。
階段が信じられぬ位に長い。イジメに近いぞ。
観音寺城に数ある曲輪の中でも石垣、石塁、建物の規模が最大級の曲輪である。
なかなか素敵な、ザ.縄張りを持っている。
その中で圧巻なのが、虎口である。高さ3.8m、長さ32mにも及ぶ立派なもので、2m以上もあるでっかい石が使用されている所すらある。
南側には幅0.8m、高さ1.3mの潜り門もある。
北東には張り出しを持つ建物と、それに付随する庭園があるのだ。
(いやあ~風流。茶の湯を習いたいな。)
俺もこの曲輪の一角を間借りさせて屋敷を構えさせてもらっている。
いわゆる監視付きではあるが、それゆえに他のご家来衆から無体な事をされなくて済んでいるとも言える。
(平井定武、けっこう使えるんじゃないか?)
とはいえ、坂道はつらいよ。
猿夜叉君は、内政チートをやると良いながら、なかなか実行出来ません。
やるやる詐欺です。
いえ、理由があるのです。
史実の長政が突き返したのは、実は、平井の娘です。
名前はわからなかったので、縁にしました。
そうです、『平井ゆかりちゃん』です。
いずれは、番外編で、刀を持たせて大立ち回りをさせて、あげたいな。
何もせず、ブラブラしている、ニートの夜叉丸。
平井ゆかりとは、相性抜群です。
長浜には『長浜楽市』があります。