『 弱小返上!浅井の反撃!? 』
いきなり重厚なプロロ~グです!
本作のコメディ色は一切ありません。
物語は、ここから複雑怪奇に分岐していきます。
果たして、『浅井長政』にとって最良の選択は……。
突然、六角家は代替わりした。
六角家当主、義賢様は嫡男の義治に家督を譲って隠居し、剃髪して『承禎』と号してしまわれた。
あまりにもいきなりなことに、家臣一同はじめ、皆が騒然とした。
家中の動揺は避けようも無かった。
新たな主君に不安を感じ、新当主『六角義治』と馬鹿正直に大喧嘩した御仁がいる。
何を隠そう、俺の親しい知り合いだ!頭が痛い。
アホ殿にそうそうに見切りをつけた高野瀬備前守(愛知郡肥田城主)が、密かに俺に保護を求めてきた。
「え~!高野瀬の馬鹿野郎~!まんまと義治の罠に嵌まりやがったか?」
優秀な忍者を多数抱える六角側には、高野瀬の動向がバレバレだ。
というか、完全に向こうのシナリオだろう?
義治にして見れば、高野瀬は浅井家に寝返った形となった。
六角義治は高野瀬備前守の浅井への寝返りに激怒し、すぐに肥田城に攻め寄せるよう下知した。
(お決まりの2万の大軍である、本当に迷惑な話だ。)
「義治め! 浅井を嵌める気か!?」
まあ、実際には一色(斉藤)義龍と京極高吉が裏で糸を引いているらしいな。
(ああそうか、本当ならここで例の戦いがあったんだな。友好的すぎてイベントの相手が変わったとか?)
しかし、浅井をつり出す気がバレバレじゃないか?ずいぶん舐められたものだ。
(歴史の揺り返しなのかな?どうもわからん?)
幸い、領内の敵対勢力を一掃した後なので、動員はスムーズに出来る…と思う。
出来れば今は、『六角さん』とは敵対したくないものだ……。
7月8日
六角軍の総勢2万は、すぐさま肥田城を包囲したらしい。
総大将は、六角義治、先鋒に蒲生定秀と永原重興、第2陣に楢崎壱岐守と田中治部大輔らが参陣していると聞いた。
肥田城は浅井・六角領の境界線近くに位置する為、俺としても”ぼさ~っ”と放っておくわけには行かなかった。
助けないと『浅井は腑抜けだ!と、天下の笑いもの』、助けに行けば『大軍に袋だたきでボッコボコ』
しかも、みののさいとーさんが怪しい、ははは!
笑える、四郎の馬鹿に頭を下げるしかないってか?
7月10日
緊張が続く小谷城。
今度は高野瀬からの救援依頼が届いた。
「来てしまったか……」
状況確認だ!
六角は、水攻めの段取りをかなり進めた様だ。
(解せぬ。)
12日
― 小谷城鐘の丸、評定の間にて ―
「殿、いかがなされます!」
「どうか我らに下知を!」
「この度の戦は私の本意ではないが、義治の馬鹿に付き合わねばなるまい、皆の者よろしく頼む」
俺は頭を下げた。
「頭をお上げ下さい、殿」
「我ら、こまでも殿に付いていく所存です。」
「では、皆の者!これより浅井賢政の初陣じゃ~」
「敵は六角、大物ぞ」
「皆、賢政の初陣を勝利で飾ってくれ」
「では、我らこれより出陣いたします、殿もご準備くだされ」
「まあ待て!当主は俺だ、あわてるな。それに皆に、ちと相談がある。」
「はあ。」
「ごにょごにょごにょ、……という事で皆よろしく頼んだぞ。」
そう言って俺は軍議の席を後にした。
肥田城を攻める六角勢。
水攻めの準備で、周囲に堤防を築いているところだ。
「これは見せしめなのだ」と義治が言う。
彼は、配下の忍びを数多く放ち情報を得ていた。
(ぼうやだからな!)
「忍びにて敵を知れば、百戦百勝だ~!!」
新当主、『六角義治』が家臣を前にうそぶく。
「浅井軍、動員令が出ました」
13日
「浅井軍、先軍が小谷を出た模様です」
「浅井の軍、久しぶりの動員なのか、動きが鈍いです」
14日
「浅井勢、佐和山城に到着したとのこと」
「家老、赤尾清綱は、『無理な後詰めを見合わせる』よう進言しているとの事」
「海北綱親、阿閉貞征らは主戦派の模様」
「先陣、赤尾隊!佐和山を出ました」
「雨森清貞は、使者を立てるように直談判をしているらしいです」
「浅井賢政、依然動きありません」
15日未明
六角軍は、2万の軍勢は、遠巻きに肥田城を囲んでいる。
北は宇曾川、西は琵琶の海
東側に、第一軍、蒲生定秀・永原重興・進藤賢盛・池田景雄
西側に、第二軍、楢崎壱岐守・田中冶部大夫・木戸小太郎・和田玄蕃・吉田重政
南側に中央の本陣に、六角義治・後藤賢豊
「浅井軍は、公称1万1千と謳っておりますが、そんなに軍が動かせたか謎です。およそ八千かと。」
「先陣に、赤尾清綱・ 阿閉貞征・百々内蔵助・三田村国定・野村直隆・丁野若狭守3千」
「後陣は、海北綱親・上坂正信・今村掃部助・安養寺氏秀・弓削家澄・本郷3千」
「本陣には、浅井賢政・赤尾清綱・雨森弥左衛門秋貞他、旗本衆2千」
忍びから次々情報が入ってくる、浅井勢の行動は丸裸だ。
浅井勢もゆっくり進み宇曾川北岸を目指す。
義治方は水攻めを行なう算段らしい。
「この水攻めでは、われらが城方の高野瀬殿と連携出来ないように見えますが…」
物見の報告では、肥田城を水攻めにしているらしい。
おびただしい数の足軽や、借り出された付近の農民の人夫が堤を造る作業をしたらしい。
なるほどイヤらしい作戦だ、もともと六角勢は、ちいさな城を蹂躙するにはあり余る兵力だ。
『わざわざ水攻めにする必要などさらさらあるまい』
城の周りをワザと水でぬかるませ、こちらと連携出来ないようにしているのか。
アホだろう、おまえら大軍なのに直接城を攻められないじゃん!長期戦?
浅井はまだ弱いかも知れないけれどそれなりに金と物資を持っているよ。
いいの?するの?長期戦。
一生懸命頑張った分は、誇りと自信になって俺を支えてくれる。
別に高野瀬は浅井の正式な味方ではない、極論すれば、救出は二の次でも構わないのだ。
でもまあ、当主交代の動揺につけ込んで、家臣との絆にくさびを打ち込めるのはありがたい。
特に、多賀、高宮のあたりは動揺しまくりだ。
やつらは、今は大人しく城に引き籠もっている。
敵は2万余、こちらは8千。
当方との兵力の差は2倍以上だ、野戦では厳しすぎる。
かといって見捨てれば、大名として、武将として、俺は終わりだろう。
「義治め~」俺を散々笑いものにする腹づもりだ。まさに俺を誘っているな。
本来なら、こんなところまで、のこのこ釣られて出てくる謂われはないのだがな。
夜、浅井勢の進軍は宇曾川手前で止まっている。
「いかがなされます?」
侍大将が不安げに聞いてくる。
「は、知れたこと、わざわざ敵の術中にはまるのは、阿呆のすることだ」
「はっ?」
「下らん戦の駄賃に、『義治の首』を取ってやる、まあ誰も欲しくは無いがな!」
「「「「さすがは殿~!!」」」」
「これより、六角に対して、浅井の本当のすごさを見せてやる!皆、気張れきばれ~」
そう下知して、軍を南に進める。
「黒鍬部隊出番じゃ、宇曾川に橋を架けよ。」
四郎め!
囲まれている城を放って置いたら、「浅井は、味方を見捨てるような信用出来ない武将」と言う腹づもりだろう。
大軍をひきつれて連れて安心している。
一色とも、しきりに連絡してるみたいだし。
領内深くに釣り出して、もはや勝ったつもりだろう。
油断しすぎだ、ふふふ、甘いわ。
黒鍬者が手早く、準備した橋をかけ終わる。
「目指すはがら空きの観音寺城じゃ~ぁ!!者ども続けぇ~!! (嘘よ~ん!)」
まだ日が明けたばかりの早朝、辺りはまだ薄暗い。
六角側の斥候が物見から血相を変えて帰ってきた。
「待ちかねたわ」
「早う報告せい!!」
浅井軍を待ち受ける諸将は、ようやくの敵えもののお出ましに、ざわつく。
「申し上げます、浅井の兵およそ8千!西に進路を変えて宇曾川を渡河する模様。
迂回して、囲まれている肥田城には目もくれず、観音寺のお城を目指すと申しております!!」
手練れの忍びであるはずの甲賀者が慌てふためいている。
「馬鹿な、ありえん」
「そんな早く、渡河出来まい?」
「観音寺城を奪われれば、われら笑いものだ」
「擬態ではないのか?」
「虚報か?」
「賢政はお城を熟知しておるし、同心する者もおるやも知れん」
「高野瀬殿だけでなく、平井殿もでしょうか?」
「まさか?ありえん」
「まさか、そんな容易く城が落ちましょうか?」
「落ち着け、忍びを抱える我らに死角はない」
「しかし、」
「慌てるな、事前に相手の動きがわかれば問題はない、追撃の準備じゃ!」
「左様、とりあえず追撃いたしましょう。」
一旦はざわついたものの、流石は歴戦の武将達、浅井を迎撃すべく自陣に引き返していく。
「多少の誤差はあろうとも、総てはこちらの思惑のうち、手筈通りである」義治が呻いた。
やわらかな湖岸の風が吹き抜ける。
西側に位置する、第二軍楢崎壱岐守・田中冶部大夫・木戸小太郎・和田玄蕃・吉田重政の陣では、
湖東の開けた平野では敵浅井の姿が見渡せる。
赤尾の率いる先陣は皆、素速くそして整然と進軍している。
しかし、後方の軍は動きが鈍い、進軍をためらうかのようだ。
さらに物見が報告する。
「先陣、赤尾清綱 ・阿閉貞征・内蔵助・三田村国定・野村直隆・丁野若狭守3千の部隊が突出しております。
浅井賢政率いる本隊が宇曾川の渡河に手間取り、 後陣の、海北綱親率いる部隊も進軍を停止しております。
まさに好機ではないか。
「全軍突撃、かかれ」
「浅井を蹴散らせ」
まずは先行する赤尾清綱軍3千を撃滅すべく8千の六角兵が襲いかかる。
赤尾軍は六角の突撃を見るや交戦もせず、算を乱して逃げ出す。
勢いに乗る六角軍第二軍、阿閉・百々隊に肉薄するべく駆けてゆく。
中央の六角義治・後藤賢豊軍も勢いに乗り、追いすがるべく移動を開始した。
「これは斉藤勢を待つまでもないな、賢政め思い知ったか」
義治が喝采の声をあげる。
「浅井勢は本隊、海北隊とも後退します」
「追撃じゃ、急げ急げぃ、浅井を蹴散らせ」
「浅井賢政の本隊、さらに後退、一部の兵が逃げ出しました。」
「追え追え、浅井の首を取ったものには、恩賞欲しいままだ。」
半ば壊走状態の浅井軍。
最後尾の赤尾勢に楢崎壱岐守・田中冶部大夫・木戸小太郎・和田玄蕃・吉田重政の手勢が襲いかかる。
猛然と中央軍が後を追う。そして 第一軍の蒲生定秀・永原重興・進藤賢盛・池田景雄も整然と後に続く構えだ。
浅井軍はもう風前の灯火だ、総大将が怖じ気づき逃げ腰ではお終いだ。
初陣とは言え無様なものだ。
「所詮は若造、運がなかったな」
六角の宿老は、哀れむような小声で独りそう呟いた…。
その時、塹壕に伏せていた、鉄砲隊が火を噴いた。
あちこちで馬が驚くが、勢いは止まらない、こしゃくな!兵士達が逆上する。
しょせん僅かな鉄砲ではどうにもなるまい……。
その頃、小谷の西の浜より密かに船を使い、荒神山裏手に陣取っていた遠藤直経率いる別働部隊3千が反撃の狼煙を確認して、すでに移動を開始していた。
山影より出でて『憎っくき敵六角本隊』を目指しを急進する。
猛然と行軍し横腹に迫る。
いきなりの、怒号。
六角勢が、『猛将遠藤直経の率いる浅井の別働隊3千が荒神山麓に陣取って様子見していた事』をようやく知る。
「伏兵だ!!」「いや、別働隊だ」
「荒神山に敵です。」
「伏兵か?こしゃくな。」
その時、荒神山におびただしい数の『旗指物』が一斉にあがる。
「あ、あれは!」
「朝倉だ~、朝倉勢が加勢しているぞ~!!」
「しまった」
あの浅井賢政が、たかだか八千の兵で挑むハズがなかったのだ、こちらの兵数を知っている浅井なら1万はカタいはずなのだ。
……やはり、伏兵がいたでは無いか!!
それも猛将遠藤が背後にいた。
賢政本軍の突然の迂回は、このためだったのか~。
六角本隊の六角義治・後藤賢豊に襲いかかるべく、猛然と突っこんで来る。
あの遠藤が本隊を側激したら……若殿が死ぬ!!
皆、脳裏には数ヶ月前の今川義元公が織田信長に討たれかけた、あの驚愕の逸話を思い描いていた。
織田はわずか3、4千で海道一の弓取りと謳われた義元公を討つべく急襲した。
浅井は一万もの兵である、援軍の朝倉を加えれば、二万はかたい。
しかも、こちらに井伊の赤鬼はいない。
六角の総大将は若輩の義治ではないか?
迫り来る、遠藤直経が大音声で言い放つ!!
「ねらうは義治の首、ただひとぉ~つ!」
「「「「「「義治~!!」」」」」」
炎の猛将に率いられた三千の兵が、ただただ『総大将の義治』めがけ追いかけてくる。
六角の将兵は恐怖に囚われ硬直した……。
先行する浅井軍を追いかけていた第二軍は即座に慌てて反転しようとしていた。
そこへ、いつの間にか待ち受ける形となった浅井の軍勢が襲いかかる。
海北・阿閉の部隊3000ずつが街道を挟む形で二手に分かれいつの間にか追いすがる六角勢を待ち受けていた。
後退していた本隊2000は一旦離れたと見せかけ、向きを南に変え突き進んでくる。
凹を伏せた、ハの字。
第二軍を飲み込む鶴翼だ。
完全なまでの、浅井軍8千の必勝の陣形だ。
「総大将、浅井賢政本人を囮にしただと!?」
浅井賢政の軍勢が、六角軍を喰らおうと口を大きく拡げて待ち構えている。
まさに虎口である。
渡河したばかりだ、艀はあるものの背後は川である。
遠藤隊の奇襲で本隊が危ないという衝撃のあまり統制が乱れ、あわてて反転しようとする部隊が軍勢の進撃の速度を止めた……。
まさに烏合の衆だ。
敗北を肌で知った諸将は、賢政の知謀と将器に恐怖した。
混乱状態の六角軍第二軍8千が飲み込まれ。
あっという間に壊滅し南へ壊走する。
一方本陣では、
「迎撃じゃ~」「浅井が来るぞ、守れ~」
配下の侍大将がショックで動きの鈍い兵を叱咤し行動を促す。
大軍ということで安心していた兵も多い、いきなりの苦境に統制が乱れる。
そして、上官の焦りが雰囲気として下士官を通じて全軍にじわりと真綿で首を絞めるがごとく伝わる。
「なんとしてでも追い払え!」
「「「「ねらうは義治の首ただ一つ~」」」」
「「「「雑魚共は観音寺にひきかえせ~」」」」
パニックになり思考が停止しかけた足軽達、皆がようやく観音寺城に逃げ込めば助かる事を知った。
「観音寺じゃ急げ、急げ」
「グズグズしていると浅井が追いかけてくるぞ~」
焦りが伝染する、六角軍中央は慌てふためき理由もわからずに列を乱しながら、とりあえず南へ逃げ出す。
ただの雑然とした逃亡だ。
もはや、統制がとれた部隊はわずかであった。
浅井の遠藤隊の口上を聞き、足軽・小物達は、算を乱して皆が散り散りに逃げ落ちていく。
自分が狙われているわけではない。と感じ取ったのだ。
壊走してくる第二軍に巻き込まれ、もはや統制が効かない逃げざるを得ない。
「敵であれ、六角方であれ、誰であれ、義治の首を取れば、褒美は思いのままぞ~。」
その声を聞きつけ、義治の旗本の皆が主を守ろうと本陣へと殺到する。
「とっ、殿を守れぇ~」
「まて、同士討ちだ、いや裏切りだ~。」
「義治を討てば恩賞ぞ~。1000貫じゃ。」
もはや誰が見方か判らない、味方の振りをして大将の首をかかれるかも知れない。
どうして良いか判らず足軽達がざわめく。
「総員退却せよ」
それを見て取った国人、城主格は皆一斉に自分の城へと進路を変える。
巻き込まれたら危ないし、万が一配下の者が流言に踊らされて『義治を討った』ならば、お家はお終いだ。
気の弱い足軽や農民兵は具足を脱ぎ捨て身軽になって東の山の方へ逃げ出す始末だ。
「負けだ、逃げろ!!」
浮き足立つ六角勢。
「敵襲!!!」
なんと後方に取り残された小荷駄部隊が襲われている。
肥田城の高野瀬の兵だ!!
「逃げろ逃げろ!!」
2万を誇った六角の軍勢が、まるで負け戦のように動揺し右往左往しているを見て。
高野瀬は勝機を見いだした。
小舟を用いて、肥田城から討って出てきた高野瀬率いる決死隊が六角家の陣を急襲している。
一方、東側の第一軍軍、蒲生定秀・永原重興・進藤賢盛・池田景雄 の手勢は、多くの脱落者を出しながらも、意地を見せて、向かって来るものをなぎ倒しながら北上、義治の本陣を追いかけた。
流石は六角の宿老といった面々は、巧に配下をまとめ上げ迎撃態勢を取る。
しかし敵味方入り乱れているのか?よく解らない。
「殿を守れ」と怒号が聞こえる以上、敵の追撃と裏切りがあるのだろう。
「逃げたぞ」「追え追え~」
「逃げるな守れ」
必死で逃げる大将を追いかけている自軍のなんたる無様なことか。
本隊に追いついた所で我々の部隊は浅井勢に蹂躙されるだろうと、足軽にでも判ってしまう。
何せ肝心の総大将が慌てふためいて無様に逃げ回っているのだ。
足軽の中には脱落する振りをして逃げ出す輩もいる。
追撃しながら、無様に刃こぼれしていく。
阿鼻叫喚とはこのことか……。
気がつくと六角軍の本陣は何処にも見当たらない。
何故だ、何故負けた。
浅井の本体を追いかけられ、すでに壊走状態の中央軍。
義治の旗本部隊は、大将旗と旗指物を棄て本隊とバレないように逃亡兵に紛れ逃げている。
― この戦では、六角軍は3,922人もの死傷者を出したとされている。 ―
イイ夢を見ていただけましたか?
もしも、賢政が先を考えずに戦ったらと言うお話しです。
この話は、前振りの架空のお話しです。
如何でしたでしょうか?
怒濤の展開は!!
お気に召した方は、ご感想ください!!
お気に召さなかった方も、ご感想ください!
残念ながら……、
この話は、架空妄想戦記です。 もう少し続きます。




