『ある日の、ヨシモト』
これは、いきなり思いついたネタなので、いきなり削除するかも
ぽかぽか陽気が続く、幸多き国『 駿河 』
『駿、遠、三』 の三カ国の太守である今川義元は、権力基盤の強化のために自身で領内の見回りを行っていた。
太守自らが身をやつし、市中に出るのは如何なモノかと思われるが……、あんがい、殿様とはそういう生き物なのである。
「今日も天気がよいのう。我が駿河は、ほんに平穏無事である(おじゃる)のう~。」
活気付く市中を見回りながら、ヨシモトは、自画自賛温泉していた。
本日のおすすめ三を決めようと、最近新しく出来た団子屋『三河屋』を目指し歩いていた。
富士の山が綺麗である。(これだけは、ホント羨ましい、まさに日本の山だ。)
駿河湾の潮風も心地よい(琵琶湖があるわい!!羨ましいけど)
るんるん気分で市中を歩くヨシモト。領民の暮らしぶりもしっかり見て廻っている。
「小さな事から、コツコツとした積み重ねが大事じゃ(で、おじゃる)。」
目的の茶店に到着した、彼は、団子を注文した。
「お待たせしました~」
若いおなごが持ってきた団子は、みたらし団子であった。
― 御手洗団子である。何となく口にするのも『はばかり』があるネーミングだ。
はばかり自体が、はばかるので自重しよう。
幸いヨシモトは気付いていない。 ―
「旨いでおじゃる」
あまりのおいしさに、ヨシモトは狂喜乱舞した。
「亭主を呼べ!!」
いきなりの命令に、茶店の娘が動揺した。
「工場見学を所望いたす(でおじゃる)」
すいません、それは……
「れっつらご~」
動揺する娘を尻目に、ヨシモトは裏手の工房へ突貫した。
そこには……、
「若、腰が入っておりませんぞ」
「爺、テキト~でいいだら~、うどんじゃねぇだら~」
「それはなりません、団子の生地を怨敵と思ってひたすら踏むのです!」
「それ、ちょ~やばくねぇだら」
「良いのです、糞喰らえという、想いが大切なのです!」
「それで、みたらし団子なのか?りん!」
(幼少期から人質である竹千代に ”りん”の使い方は意味不明だった。)
「さようだがや」
がらっ。
戸が開き、な、な、な、何と、ヨシモトが入ってきた!
「なんだ、竹千代でわない(おじゃる)か?」
「「と、殿~?」」
「感心でおじゃるなあ」
(ヨシモトも、三河もんの前ではあえて、偉そうに京言葉?を使うのである。)
(爺、不味いぞ聞かれたかな?)
(落ち着いて下され、大丈夫だら~)
脂汗をだらだら流す主従。
それを見た、ヨシモトは、感動した!!
「額に汗する姿は、美しい!…でおじゃるぞよ」
(噂と違い、本当にヨシモトは英邁な君主であった。京言葉には慣れていないが…)
「竹千代よ、恥じるでないぞ、おいしいことはいい事でおじゃる」
「ははっ、ありがたき幸せ」
「褒美にワシも手伝って進ぜよう」
ヨシモト公のおかげで、
店は、たいそう繁盛したそうな。
こうして、団子屋の客引きするヨシモト・竹千代コンビが結成された。
後年、『三河マンザイ』と称される、
日本の伝統的”お笑い芸能”は、こうして始まったのである。
《 歴史の裏話より 》
おしまい
ご感想をいただいたおり、いきなり
『ヨシモト』様が舞い降りてきました。
折角なので、とりあえずかたちにしてみました。
「じゃん、だら、りん」の使い方はわかりません。
「だがや」尾張ですね。
爺の鳥居元忠は、転々と人質生活するうちに名古屋弁までまざっています。
名古屋弁の、感染力は、どえりゃ~高いです。
「やっとかめだなも、おみゃ~さん、げんきにしとりゃぁしたか?」
では判りにくいので、
「久しぶりでござる、ご健勝であられたか?」
ぐらいには、訳しております。
桶狭間で、『壮絶なボケ』と『命がけのツッコミ』は、見られるでしょうか?
ご感想、お待ち申し上げております。
貴方のご感想が、物語世界の幅をひろげてくれます。
ホントですよ




