『父の功績、みんなの力』
内政は、家老連中が、コツコツやっています。
新九郎君の発案以外にも、重臣の皆がちゃんと考えていたりします。
お酒は勢いで、国人衆に『回状』が周り資金が集まりました。
だから、酒だけが異様に早かったんですね。
新九郎独りが頑張っても、実は何も進みませんでした。
永禄元年(1558年)2月28日、「永禄」に改元する (13歳)
ちょうど天皇家の代替わりに巡り合わせた。
新しい帝、正親町天皇は在位30年近くのスゴイ方だと知っているので、何とかお近づきになりたい。
という事で献金しようと思う。方法は重臣にお任せしよう。
本当は、先帝(質素な方)の御代に間に合わせたかった。
1558年の春がやってくる。そろそろいろいろな動きが出てくるだろう。
農業指導員候補生に予め苗代の効果を説明し、その為の農民指導のありかたを教育する。
街道を外れた、あまり目立たない田んぼから順次本採用するのは、機密保持の都合だ。
ここしばらくは当家では、大きな戦が無かった。
まあ、あったら人質の俺の首が飛んでたかもしれんのだから良いことだ。
いくさがないことは良いことだ、倫理的な面ももちろんあるが、それ以外もだ。
先ず、人が死なないということは、人材確保の観点からとてもありがたい。
労働力があるということだ、反面その分飯の量がが増えるのだが、この時代の近江国は米処なのだ、甲斐国みたいに飯を求めて無理をする必要がないのだ。
次に無駄な戦費と損害(刈田、焼き討ち)がない事だ。
足軽働きで農民がスレないことも有り難い。
いくさのための徴用だろうが、人殺しになれた人間は扱いにくい。
領内の治安を考える時、やはり大事なことだと思う。
そして、信用だ。特に商売に関しては大切だ。
一時期日本海からの商業ルートが浅井×六角の争いを避けるべく、湖西側に逃げたことがある。
あおりをくらい塩津―敦賀交易が寂れた。
交易ルートを奪われることは、収入が激減するという事だ。
一旦信用を失うと回復に時間が掛かる。
商人は利益に聡く、危険にも鼻が利く。
税収ももちろんそうであるが、市場への影響力だ。
売りたいものも買いたたかれるし、とにかく商人に足元を見られるのだ。これは痛い。
父がいろいろ協議をして、協力関係を築いた朝倉景垙が敦賀郡司家を継いだので本当にやりやすくなったと聞いたので、俺も期待している。
まあ俺が人質になったおかげであるが、『己の名誉を捨て10年の平和を勝ち得た』父、久政の功績はでかいと思う。(誰にも言わないけれど。)
まあ相手が良かった。
仲良しの朝倉さんに、守護の六角だ、ある意味「お利口さんの優等生」、ヘコヘコして何とかなった。
浅井が『今川氏真』の立ち位置なら、狼ども(武田・徳川)に舐められて、すかさず食われただろう。
まあというわけで、労働人口、つまり『人足』的な人員については、かなり余裕がありそうでありがたい。
農家の3男4男から希望者を募り、とりあえず200名ほどの若者を集めた。
ゆくゆくは工兵部隊の班長として活躍させようとおもっている。
俺専属の実験小隊だ。領内の問題を解決し有用性を示すことにする。
北部の山であれば、他の大名と競合しないので試して見る価値はおおきいと思う。
近江の北東部は、山岳で広大な部分を好き勝手できる。
昔は鉱山もあったらしいが、今は廃鉱だそうだ。
調査したが他の大名家は手を出してきていない様子だ。
国境の先のその奥の方まで占有したい。
切り出しても運搬ができなければ、材木としては採算が苦しい。
だが他の産業と抱き合わせれば何とかなると思う。
伐採の許可を出して人を呼び寄せるつもりだ。人材確保は他の家老・村役人との相談も必要だ。
長期的視野で、伐採しながら道の確保、木材の切り出し、炭造りを浅井家の指導下でおこなう予定だ。
頑張るぞ~。
ガラスとセメントについては窯業ということで、窯で焼き物をを作っているところにやらせようと思っている。まあ長い目で見る必要がありそうだ。
既存の施設もいいが、一応、己高山の麓辺りに窯を作らせておいた。
今は瓦や壺、茶碗等の焼き物を焼いている。
それなりのモノが出来るので無駄では無さそうだ。
話は少し脱線するが、やはり陶芸は面白い。久しぶりに趣味の世界に没頭できた。
俺は久しぶりに、思いつくままにいくつか焼いてみた、うん、なかなか良い出来だ。
少量個別生産して付加価値をつけようか?
俺.謹製の一点物は、茶の湯に便乗してふっかけて売ってみよう。
『桐箱』に、『絹の風呂敷』、読めないぐらいに達筆で個別の『銘』をつけて販売してやろかな。
反応が楽しみである。
新九郎君は、権力の把握を目指しています。
集権を目指しますが、江北の寄り合い体質をまだ完全には理解していません。
リーダーと認められる事が大事です。
ある意味意外と民主的なんです。
『江北大好き』の新九郎君は資格充分みたいです。
おいしいお酒で国人衆の皆のハートをキャッチしております。
領民も、冬を安心して越させてくれる『浅井の若君』に期待しはじめています。
(雪国の、越冬は本当に大変なんです。)
『リーダー』に投げっぱなしではありません。
新九朗君を江北の皆が支えていきます。
当たり前なことですが、実はこれが『チートというか』凄いこと。
三成の『大一、大万、大吉』
ここに話を繋げていきたいですね。




