江北に想いを寄せて
いよいよ、『江北』です。
弘治2年(1556年)
11歳(数えで12歳)の夏
「将来、元服の烏帽子親を平井氏が勤め、ついでに娘を嫁がす事」を条件に、
猿夜叉丸(新九郎だってば!)の江北帰還の話が、浅井久政に打診された。
また、浅井家が六角家との臣従関係にあることをはっきりさせるため、
「義賢の諱をやるわ、ありがたく頂戴し『浅井賢政』と名乗ればいいんじゃね!嬉しいだろ(エッヘン)」と、内々に決定された。(これは内密である)
なにやら平井殿が国元と盛んに連絡を取り話を進めている。
爺もそわそわしている。
どうやら、俺の小谷帰還(人質の返還)の話らしい。
「帰れるのか?というか行けるんだ」
この世界では、まだ江北の地を踏んだことがない。
期待と不安が入り交じる。
とりあえず準備にかかろう。
生まれてから長い間ずっと一緒だった縁と離れるのは、思った以上に辛かった。
縁の方は涙目というか大泣きだったが、気丈にも俺を引き留めることだけはこらえてくれたようだ。
そんななか、秋の気配を感じる頃に俺は小谷に返される。
「伊吹山だ!! 爺、直経、伊吹山だ!!」
ようやく江北の地を踏む事が出来た。
~回想~
久政の野望?
小谷城の広間に家臣集める。
「オッホン、今日集まってもらったのは他でも無い。猿夜叉丸、いや、新九郎のことじゃ。」
「おおおっ」
「ごっっほん!その前に、いま浅井を取り巻く状況は大きく変化をしておる
朝倉家の先当主に続いて宗滴が死んだ。
もう、美濃の通り道の確保とか、そう言うのは関係ないじゃろ? ん
まあそういうことで、朝倉が美濃に出張ってくるのは無いであろうと思う。
「酷かったですからな~」
「宗滴は無双ですから…」
「服属させておいて、殿に支援ゼロですからな~」
「せめて海津の戦いの時ぐらいは、手助けして欲しかったですな~」
浅井の宿老
赤尾、海北、雨森、阿閉など、久政に同情的な国人衆がしみじみと心情を吐露する。
「デカい名家は皆、ジャイアン(ジャイアニズム)じゃ、泣き寝入りするしかあるまいて」
「くっ、浅井殿おいたわしや」
「まあ、いま時代は六角じゃ。儂は、六角にべったりくっつくよ~
宗滴も死んだことだし、もう怖くないじゃろうて。」
「「ははっ(今度は六角かよ)」」「……」
「それに、雨森秋貞(爺のこと)の報告だと、猿夜叉丸は、六角に可愛がられてるみたいじゃ。
流れに乗るぞ、キリッ!!」
「「「「え~っ?」」」」、重臣一同はビックリした。
伊吹山は、長浜のこころの山です。
富士山のような綺麗な円錐形ではありませんが、
長浜から見た時だけ、凄くいい感じの山に見えます。
のっぺりした山が、長浜まで来ると急に美人さんになります。
長浜に帰ってきた主人公は、もうこれだけで満足でしょう。




