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長政はつらいよっ!弱小浅井はハードすぎ!!  作者: 山田ひさまさ
 ~ 『 涙まじりの雌伏編 』 ~
20/111

浅井 新九郎、参る!!

さあ、物語は確実に前に進んでいます。


過去を振り返るな!感じろ!

弘治元年 大みそか


 濃密で有意義な1年だった、にぎわいのうちに年が変わる。

「祐ねぇちゃん。今年は、本当にいろいろとあったね。何か凄く内容の濃かった1年だったよ。出会えてよかっ……ぅっ」


 宿直の次郎にしみじみと語る、俺であった……。



弘治2年(1556年)


正月

新春の爽やかな朝が訪れた。


「う~ん」


スッキリ、さっぱりした極上の目覚めだ。なんだか身体まで軽く感じる。


新年を祝い皆でお雑煮を食べよう。


 江南の初春は、穏やかにはじまった。

平井様のご家族と、「沙沙貴神社(ささきじんじゃ)」に初詣のお参りに行った。

 神気に包まれた厳かな境内の参道を縁と歩いて行く。

立派なお社だ。風情がある。(正月気分MAXだ。)


「今年は、いい年でありますように」お参りした。


本殿に案内され(流石は重臣、平井家だ)

玉串を奉納し、ゆかりと一緒に、ご祈祷をしてもらった。


 俺は、数えの12歳になった。

すでに親元を離れ屋敷を獲ているし、家臣もいる。元服にはまだ早いが、もう子供ではいられない。

大人としての自覚を持つ、その決意として。


名前を『浅井 新九郞』と名乗ることにした。


 それに伴い屋敷では、ささやかながらお祝いをした。

家臣一同に祝福されて、少しばかり照れくさかったが、気持ちも新たにして頑張ろう。

「私は浅井のために、がんばるぞ~」


爺や、直経が、感激のあまり泣いている、俺は直虎と視線を交わし苦笑した。

他のみんなも、微笑んでいる。


 さあ、これから、この屋敷の主として頑張っていこう。


 そんな新しい一歩を踏み出したさなか。

松が明ける頃に、『それは小谷の向こう側、からやって来た。』


 友松から来客が告げられた。

「若の門出のお祝いに、『昌安見久尼 』様がお見えになられました。」


「え?『昌安見久尼 』?誰それ?」


「新九朗様の姉君であらせられます」


「姉君?」


 傍で話を聞いた、遠藤直経の顔がこわばった。

(珍しい、直経が動揺している?)


お姉ちゃんがやって来た。

阿久姫の登場である。

 俺が、母以外で初めて会う、肉親である。

(そういや、俺、初めて兄弟とかと会うんだな、地味にスゴイ。)


阿久お姉ちゃんは嵐のようにやって来て、俺と対面し、風のごとく去って行った。

(せわしない人だ!)



~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~



4月、

「長良川の戦いにて斎藤義龍軍が斎藤道三軍に勝利」

「斎藤道三戦死」

というニュースが飛び込んできた。


「美濃の蝮」のあっけない最後に、噂を聞いた人々は、「下克上」のすさまじさと「無情」を感じていた。

「美濃の情勢が激変する」

すかさず直経に美濃の現状を探るように指示した。


 俺も知らなかったが、斉藤義龍の奥さんは近江の局(亮政の娘にして久政の養女)である、

俺の叔母さんにして義理の姉である。

義龍は義理の兄に当たる訳だ。竜興が義理の従弟となるのだからびっくりした。

 いくさ下手の親父としては、北近江を狙うかもしれない、危ない蝮が死んで一安心といった所か?

今のところ浅井家の周りに積極的な敵は存在しないわけだ。(ほんとうか?)


遠藤とか磯野とか、うちの血の気の多い連中(武将)にはつまらん展開だろう。

まあ平和なのは良いことだ。



あとがき

沙沙貴ささき神社は、佐々木氏(六角家)の氏神です。

やしゃ君は、気付かずに縁たちと気楽にお参りしていました。

(まあ、周りの者がそれを見れば、完全に六角家に帰属したと見えるでしょうね。)

阿久姫が何をしたかは、また別のお話で……。



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