表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
長政はつらいよっ!弱小浅井はハードすぎ!!  作者: 山田ひさまさ
 ~ 『 涙まじりの雌伏編 』 ~
13/111

~意外?ある意味お約束な真実~

物語が、斜め上へと展開します。


予定通りです。

先々月のケンカ騒動のあと、


 平井様との交渉の末、俺は観音寺城下に屋敷を構えることとなった。

別に、平井様を避ける訳ではないのだが、

観音寺城本丸そばの平井曲輪では、爺達と、おちおち重要な話すらできない。

実際、忍びの者がうようよしているのだ。

襲われる心配はないのだが、プライバシーはほぼゼロと言っても過言ではない。


 まあ俺が、子供だから諜報の任務に就いている訳ではなく、護衛とかそこらだろうが、他人に聞かれて困る話ができないのだ。


 だから、何としても城下に移りたかった。


 俺が城下に遷ると聞いて、縁が泣きそうだったが、「毎日遊びにおいでよ」と

言ったとたん上機嫌になってくれた。ふう。


 いろいろと引っ越しの準備があるため、引っ越しにはひと月ほど時間が掛かった。

 まあ、忙しいのは家人達で、俺は次郎や弥太朗と稽古三昧だった。

おかげで少しぐらいは腕が上がったかな?



 引っ越し当日、次郎が見送ってくれた。彼もまた旅に出るのだ。

別れはつらいが、出会いがあるからこそ別れがあるのだ。

良き出会いに感謝をしよう。

うしろ髪をひかれながらも笑顔で別れた。



~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~


― 城下のお屋敷 ―


 子供当主(俺)のお屋敷にしては、まずまずの立派な建前だ。

門構えも重厚で、塀もしっかりとしている。

庭もきれいに調えられており、おまけに茶室まであった。

誰の持ち物だったのだろうか?

 新たな拠点となる、俺のいえ。思わず顔がにやけてしまう。


もうすぐ、新しい仲間(家臣)が来てくれる手筈だ。

やっとここまで来たよ、嬉しい!こんなに嬉しいことがあって良い物なのか?

待ち遠しいな。

まだ俺の家人しかおらず、少しモノ寂しい。



あくる朝……。


”ちゅんちゅんちゅん”

ベタなすずめのさえずりを聞きながら、微睡みから抜け出した。


 目覚めると、そこは……。

  「知らない天井だ」


 新しく拝領した、城下の屋敷は広くて開放感がある。

やはり自分の家が一番だ、マイホームパパの気持ちがわかる。


 (現実逃避中……)


……、ナニこれ?


目が覚めると、抱き枕にされていた。


「ん?」


だれ?何でこうなった?


「おはよう」


「おはようっていうか誰?」


「私は、わたし」


聞き覚えのある声になった。まさか…。

髪を下ろしているので、気付かなかったが……。

おいおい、『次郎(おまえはホモ?)』か?この。

おとこ?おんな?どっちだよ?


 この時代は衆道が当たり前にあるので、女っぽい男は意外と需要があるらしく、普通にいるのだ。

しかも、ホモ、ロリ、ショタ何でもござれな、平成の御代真っ青なカオスなのである。

危険だ。男はイヤだ。頼む!


「一応、おんな『祐子ゆうこ』よ、わたしが付いていてあ・げ・る」

そう宣言する、『次郎』あらため『祐子』


セ~フ

おんなの人でした~。

ふう、焦った。男色だけは勘弁つかあさい。


「裸か、おんなの格好の時は、『祐子お姉ちゃん』と呼びなさい」と宣言された。


ずいぶん奔放な人だ。

(ていうか、はだかって何だよ、期待しちゃうぞ。)


「次郎、あのさ、やっ…」


「祐子お姉ちゃんよ!」


ふうっ。

「祐子お姉ちゃん。気持ちは嬉しいんだけれど、旅の途中でしょ?先日、わざわざお見送りしてくれたよね?」

(おいおい、俺に抱きついてきたよ~。)


「いいの、どうせ京の都見物でもするぐらいしか考えてなかったし、現在出奔中よ!」


「余計にタチが悪いよ、旅行じゃ無いの?」


コクコクと、かわゆく肯く次郎あらため祐子お姉ちゃん。

「そう、旅行でも家出でもなくて出奔よ。私にも武士としての誇りがあるわ~、跡取りはともかくとして、あんな薄情な奴の側室なんてイヤだもん。」


「へ~凄い本当に|当主候補(跡取り)だったの?」


「女だてらにと思ってる?」


「うん」


「正直でよろしい。

わたし、お父様に男として育てられたのよね~。」


「だからあんなに強かったんだね、僕ももう少し修行しないとダメだね。」


「男の子だもんね~」


「まあ、人質だしあんまり無茶もできなかったんだよ。」


「いいわ、私が鍛えてあげる。というか、爺やさんに護衛と指導を頼まれたんだ。」


「ホント、ありがとう。」


そう言うわけで、祐子お姉ちゃんが、家臣として屋敷に滞在することとなった。



 しかし、なぜ祐子お姉ちゃんが一緒に寝ていたんだ。はてな?

祐子お姉ちゃん曰く、護衛『次郎』(♂)として雇われた。(平井家、爺公認)だそうだ。


おいおい性別くらい確認しろ。



あの、俺もう10歳なんだけれど、と苦情を言うと……、


判ってる判ってる、祐子お姉ちゃんに任せなさい。


……お任せしました。



ふふふ、まさかの展開でした。

え、だいたい予想が付いた?


まあ前々回の後書きで、猿夜叉丸が一皮むけると言いましたもんね。

ふふふ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ