謎の扉と2人
賑やかな屋敷。
今日はお嬢様"渡部里菜"の十五歳の誕生日。
パーティーのため、使用人達は忙しそうだ。
主役であるお嬢様の挨拶が終わり、パーティーもそろそろお開きという時間だった。
『あぁ、楽しかった!幸せな誕生日だったわ!』
『それは良かったです。しかし、早く寝ましょうね?明日に差し支えますよ?』
『わかってるわよ!でも、昨日の手紙のところに行ってみましょ?何かあるかも!』
数分後…
噴水の庭の片隅で、お嬢様と執事はたたずんでいた。
『ここね…あれ?』
『こんな門無かったはずですが…』
『開けて見ましょ?何かあったら犬に任せるからね?』
『はぁ…』
そこは庭の隅。
あったのはそこになかったはずの大きな扉のだった。
昨日、不意に届いた小包の中に入っていた手紙とペンダント。
手紙には、庭の扉の場所と、これを肌身離さずというわけのわからないことが書かれていた。
興味本位でその場所に来てみると、あったはずのない扉があったのだ。
犬と呼ばれた羽柴雅人は、お嬢様の専属執事である。
一通りの武術、学問を首席と呼べるほどの成績で収めており、その気になれば何でもできる執事である。
性格がねじ曲がっているのがたまに傷だが…
『開けるね?』
その鍵を扉に差し込むお嬢様。
その瞬間、雅人は誰かの声を聞いた。
『ようこそ。』
そして、二人は眩い光に包まれた。