ナイわー・・・・・・。
ふと頭にあたる硬い感触
「おい、お前。名前を言え。」
ちらっと目線を横に移すといかにもなお兄さんがいかにも物騒なものを僕の頭に突き付けていました。
なんだこれ。
「えー、と依頼を受けてやっきたんですけど、住所まちがえましたかねぇ~?」
口元のひきつるのを感じながら、無理矢理にでも口元を引き上げた。
「・・・・・こい。」
いかつい兄ちゃんは、そういうとそのまま俺を奥へ案内する。
とりあえず、依頼場所は間違えていなかったようです。
よかったぁ!
じゃねえよ!!!!!!
なに兄ちゃん。いやこの時点である程度の予想はできた。
確かに、大物の紹介っつったらやばいのが多いけど、今回はあたり引いちゃったっぽいなぁ。
今回のような客をひくことなんてもちろんざらなんだけど、こういう輩は面倒というのが、俺の持論っていうよりも相場が決まってるんだよね。
・・・面倒事に巻き込まれることじゃないといいんだけど。
奥の部屋に通されると、中には古びたソファに腰掛ける大柄な男が一人いた。
スーツにグラサンをかけていて、またしてもベタだなぁという印象しかない。
「××の紹介で、お前に依頼をしたものだ。お前が??」
俺が入ってくるなりゆっくりと立ち上がり、声をかけてきた。
「は~い!!このたびはご依頼ありがとうございます。
人の記憶消去を商売にしているメモリー・クラッシャーって呼ばれているもんです。
あ!この名前厨二病っぽいってわかっているんで、あえてつっこまないでやってくださいね。
他に、呼んでもらえる名前あんまり持ち合わせてないんですよぉw」
「・・・・おい。本当にこいつで合っているのか。」
冷え冷えとした声で男が訪ねるのを、つれてきた兄ちゃんは、一瞬怯みながら間違いありません。と答える。
「あー、お客さん疑っていますねぇ。まあ、こんなインチキくさい商売してたら、そういう風に思われるものしかたないっちゃないんですけど。」
「安心してください。あの人の紹介なら、しっかりと俺の仕事実績も聞いてくれてるんじゃないんですか?
しっかりと仕事に関しちゃ俺はいただいてるお金のぶんは働くつもりですよ。」
にっこりと、しかしはっきりと目に力をこめて合わせる。
しっかし、本当に全然この人表情がねえな。
顔の筋肉使わないと死んじゃいますよー、なんて心でつぶやくのは俺のご愛嬌です(ハート)
「それは興味深いな・・・・・、まぁ、その話は後々聞くとして、さっそく依頼をこなして貰おう。そこの男の昨日の記憶を消してもらいたい。」
くいっと男が視線を横にそらす。
それを目で追うと家具で俺の死角になっているところになにやら物体。
そのまま、身体をずらして見ると確かに男が縛られたまま薄汚い床に体を横たえていた。
意識はあるようで、小さくもぞもぞと動いている。
「昨日一日ですねー。了解でーす。」
そういって男に近づくうちに、違和感を覚えた。
・・・・・・・・・?。
そのまま、手を置いて記憶を消していく途中、
ブーブーブーブーブーブー!!!!!!!
けたたましいバイブ音に一同が動きを止める。
「うわぁ、すみません!!!!
俺のです。今すぐサイレントにします!!!」
「おい」
急ぐ動作でパッと一瞬だけ目をむけた携帯画面の先には
「ほんとにすみません。依頼中に失礼しましたー。
急いで続きやりますんでー。」
[ハズレダ バカ オチロ]
急いで、駆け足で消去中の男のもとへ戻り
ダンッ!!!!!!!!!
、
男を飛び越えた瞬間トップスピードで窓にぶち当たった
突き刺さる痛みを無視して
驚く男たちを一瞬視界に入れて
ガッシャヤヤヤヤヤアアアアアーーーーーン!!!!!!!!!
そして、重力に身を任せ、、、、
俺は、そのまま見事に落下した。