記憶に残らぬ自己紹介
今日も街の夜は輝き華やかなネオンに彩られる。そして、必ずその道の一歩先には、光のそばに闇がある。
「ヒッッ・・・・・、や、止めろ助けてくれ!!」
とある路地裏には拘束をされ、震え泣き叫ぶ男が一人。
目の前には若い青年が立っている。
「えーと、・・・・この人でいいんですよね?」
「ああ、かまわん。指示した通りだ。やれ。」
「了解。」
そう言って青年は男に手を伸ばし、
「うあぁぁぁぁぁ`!!!!」
男の脳を破壊した。
=====================================================
はいどーもぉぉぉ!!☆
シリアスな場面から、ごめんなさい。
いやー、本当に今回は嫌な(面倒くさい)仕事だったよねぇ。
え、意味がわからない??
いや、さっきまで俺お仕事中だったんだよ。
ん?、俺は誰って、・・・・・・、はは、いや名乗るほどでもないんだけどね。
ただの化け物ですよ。
いやいや、巷で流行りの厨二じゃなくて
メモリークラッシャー。通称化け物なんて、呼ばれちゃっててさ。全く失礼にもほどがあるよねー
まぁ否定できないのが、哀しいところなんだけど・・・
要するに他人の記憶を消してお金を稼いでるってだけなんだよ。
あぁ、そんなに怖がらないでよ。君はたまたま運悪くそんなファンタジーな俺の仕事現場を目撃しちゃっただけなんだからさ。
大丈夫、大丈夫心配しなくても次に目を覚ますころには、俺と会話をしたことなんて一言も覚えていないんだから。
そう言って俺は名も知らぬ一般人くんの頭に手を置いた。
「・・・・・・・・・・、はぁ生きるって大変。
どこかに平凡な生活落ちてないかねぇ。」
まぁ、無理なんてわかりきってますが。
さて、そろそろ行きますか。
そう言って、青年は去っていく。
なんの形跡も残さず、記憶も残さず、まるで終始が幻であるかのように。闇に溶け込んでいった。
この物語はそんな非日常に身をおいて生きるちっぽけな化け物の
「記録」である。