田中君の鼻毛
俺の名前は木島卓哉、私立の小学校に通う四年生だ。
今日もいつもの通学路を通り、学校に向う。
『おはよー』 『おはよう!』 周りでは沢山の小学生が挨拶を交している、まぁ俺も小学生なんだが色々と悩みがある、そんな俺は、のんきな小学生を見てるとイライラしてしまう。
『おーい!!木島ぁ〜!!一緒に学校いこーぜぇ』 ・・うっ・・・ 俺の悩みの種がやってきた。
コイツの名前は田中雄大・・・あだ名は[ジュノンの星]だ。
まあ、見た目からだろう…性格も悪くない。
ただ俺は最近こいつに、悩まされている……『おい!元気ないぞっ』
「ゴメン考え事してた!!」
そう言って、田中の顔を見る。
今日も出ている。
っーか、成長してる…心の中で呟いた・・・。
そう、俺の悩みとは、最近、毎日の田中の鼻毛なのだ!! 一言だけ
「鼻毛、出てるよ」
で、済む事かもしれない…しかし、もしそれで女性ファンが減り『木島の陰謀だ!!』なんて言われたら、俺の数少ない、女性ファンも減ってしまう(現在2人だけ)… なんとか自分で気が付くような流れにしたい。
もしも失敗があったら、田中のあだ名は10分以内に[鼻毛職人]になってしまうだろう…しかし、それだけは、なんとかして止めてあげなくては…「田中、なんか鼻かゆいんだけどティッシュない?」
『あぁ、あるよ』 チーン!!俺は勢いよく鼻を咬んだ。
「あ〜気持ちぃ〜マジ最高!あぁ〜生きててよかった!!」
…これで田中も俺の真似をして、鼻を咬んでくれれば……『木島…お前ちょっとキモイぞ!』 だっ! 大失敗だーー!!真似する以前に気持ち悪がられたーー!!いや、いや、気を取り戻さなければ…
「いやギャグだよ、ギャグっ!」
俺はマクドもビビる最高の笑顔で言った『……だよな』 ふ〜っ なんとか回避できた…。
よし!次の作戦を実行するか…。
俺は今日の朝ランドセルに準備してあった薬品を、ハンカチに染み込ませ後ろから忍び寄った…。
背後から口をハンカチで押さえる。
『うっ!ぐっっ!?』少しすると、暴れていた田中も静かになり気を失ったようだ。
「チッ!手間とらせやがって。」俺は田中を通学路の脇にある林に連れ込んだ…。
「悪く思うなよ、お前の為なんだ…。」
そして俺は一気に田中の鼻毛を抜く!! あっ・・・・!? すっ!! 滑る!!! 思いもよらない誤算だ。うっ う〜ん・・・。
ヤバい、田中が目を覚ました…。 『あれ?俺、なにしてんだろ?』
「田中、大丈夫か?お前、貧血で5分くらい倒れてたぞ!」
『そっか、助けてくれてありがとう』 また失敗だ!!『あぁ、もう学校だ……。
』目の前には正門が見える…。 タイムアウトだ、今日もダメだった…。
「先生おはよーございます」
門の前にいる生徒指導部の先生に挨拶をした。
『おはよう、木島』『おはよう、たな…ん?』 思わず田中が立ち止まる。
『先生?どうしました?』 『田中……鼻毛出てるぞ!!』 俺は突然の事で何があったのか? 理解できなかった…。
『じゃあ、先生が抜いてあげるからな』 ブチッ!! 田中の鼻毛が抜けた…。
俺はあまりの展開の速さに驚いて叫んだ
「うぁーー!!!!!!たなかー!!おめでとー!!」
すると田中は……『木島・・・・・・・・・・・・・・やっぱりお前気持ち悪い!!』
直紀です。最後まで読んでくれてありがとうございます!踏み切り(ホラー)もりクマ(その他)と書いたのですが、この田中君の鼻毛が一番楽しく作れたような気がします(´ー`*) これからも短篇オンリーで頑張っていこーと思います!