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おにポチャで転スイ(転生)しました!?  作者: (万寿)ぷりん
第2章

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71 母さんつい買っちゃった!?地域限定のグミ!?





「地味にイタイな、この罰ゲーム……」

 僕は、得体のしれない不安に襲われそうになった。


「あら、タクちゃん。地味なんかじゃないわよ!とっても派手よ!」

 母さん、それは――褒めてない気がするけど。

「ありがとう!変な有名人になりそうだけど……こんなの、ツバネたちが見たら呆れそうだな……」


「拙を呼んだか!?呆れてねぇよ、セオト!」

 突然、光が弾けた。まぶしい閃光の中から、ツバネとタリク、リウラ、そしてゲルが姿を現した。


「……誰だ、お前ら!?」

 父さんが低く唸るように声を上げた。圧がすごい。

「ど!どうしてここに!?父さん、この人たちは僕の仲間だよ!キュリシアにいるはずなのに――!?」


「セオトの父さん!あの行方不明の!?」

「行方不明といえば、もう一人。セリアンの師匠はこの方、ミラさんです」

「おおおー!師匠はご健在なのか!セリアンも喜ぶな!」

 ツバネたちに説明すると、みんな本気で嬉しそうだった。


「君たち、キュリシアから来たんだ。おもしろいね」

 ミラさんが口元に笑みを浮かべた。

「誰が呼んだのかは知らないけれど……いい流れじゃない」


 ミラさん、やっぱり強い。どんな状況にもなじんでしまう――まるで水みたいに。



 さっきまで上機嫌でうるさいくらいだったフレクシアを見ると、黙りこくって額にうっすら脂汗がにじんでいた。てっきり彼女が転スイさせたのかと思ったけど――どうやら、そんな能力はないらしい。



「お久しぶりです、フレクシア。やはり、くだらないゲームを操っていたのですね」

 ゲルが冷静に告げる。その声は氷のように静かだった。


「な、なんのことかしら?あたしはただのプレイヤーの一人よ!」

 早口でまくしたてる。……あやしい。あまりにも。


「よくわからんが――カッパ様がな、“キュウリの恋人のマヨ”を早く連れてこい!って言い出してな。そしたら、頭のお皿がピカーッと光って……気づいたらここにいたんだ」

「……えええええ!?カッパ様が!?」

 カッパ様……やっぱりツナマヨの記憶は消されないのか。さすが、神様の末裔だ。


「罰ゲームは済んだから、すごろくに戻ろう。――フレクシア!」


「ヒッ……あ、ああ、すごろく。すごろくね。仕方ないね、続きをしようか」

 声が上ずっている。目も泳いでるし、完全に挙動不審だ。



「その前に小休止しましょ!瀬音の母、詠水です。どうぞよろしくね!」

 母さんはどこからかおやつのグミを出してきた。

「みんな!これ食べてー!私の好きなパイナップルグミと、地域限定のキュウリグミ!」

 キュウリグミ……なんでキュウリ……冒険味すぎない?美味しいの!?スイカグミは美味しいけど。


 モグモグ。 モグモグ。

「セオトのお母さん、パイナップルグミ!サイコーですわ!」

 リウラが飛びはねて、パクパクつまんでいる。


「地域限定モノは、カッパ様が喜びそうだ」

 タリクが不思議そうな顔でモグモグしている。どうやら微妙らしい。


「グミって食感が楽しい!エイミ、お菓子もっとないの?」

 フレクシアまでモグモグ。すっかりご機嫌だ。


「雫さんのお店はお菓子をいっぱい売ってるんだよ!」

「えー!ルミエ!毎日つまんでるの!?サイコーじゃない!」

「いや、売り物だから食べないと思うよ」


 お菓子パワーで、フレクシアの機嫌はすっかり回復した。


 そして――ツバネたちも光に包まれ、一緒にすごろくの世界へ戻っていった。




「さて、次は……ミラの番だね!ルーレット回して!」


 大きなルーレットにミラさんが向かうと、ゲルもついていった。

「スキャン、オン。ルーレットに念を送った形跡があります。審議をお願いします」

 ゲルの分析力で、どうやらフレクシアの介入を発見したらしい。


「確認したよ。フレクシア、そこの水精霊には通用しないよ。よって、罰ゲーム対象だ」


 なんと、形勢逆転しそうになってきた。


「フレクシア。ルーレット、回して」

 ピカッ! ゲルが目を光らせる!


 くるくるくる……カチ、カチ……ピタッ。


「――マイナス25!」


 またマイナスが出た。これがフレクシアの手だったのか。


「なによ!あたしのこと目の敵にしすぎ!キィ~~!」

 フレクシアが地団駄を踏いた。盤の光がぶわっと乱反射する。


「やめなさい!フレクシア、これ以上念を送ると――」

 ゲルの叫びが届くよりも早く、ルーレットが高速回転を始めた。

 くるくる、くるくる、光がねじれて、世界が歪む。


「ヒィ……なに、これ、止まらない……!」

「データの流れが反転している!このままだと盤が――!」

 ゲルの声が機械的に歪み、すごろく盤全体にヒビが走る。


「みんな、離れて!……間に合わないかも……」

 ルミエが手を伸ばし制御を試みた。


 ――ギュルルルルルルルル!


 まばゆい光とともに、盤の表面が裏返るようにめくれ上がった。


 音が消え、色が抜けていく。目の前に広がったのは、見たことのないモノクロの盤面だった。











「……これは……野菜だね」

「グミなのにサラダみたいです……」

「さわやかすぎて逆にこわいですわ!」

「いや、嫌いじゃないけど……お弁当の後味がする」


 あらあら。どうやら評価は“微妙”の一点突破だったよう。

 私のオススメ、パイナップルグミは圧勝ね。


 限定モノって、当たり外れがあるのよね。

 でも――初対面の相手に、ワンットゥ!アタッック! いいじゃない!


 ――エイミ。






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